▽タウンマーケット・宅配サービス終了のお知らせ
http://www.recruit.jp/info/info20110117
創刊からちょうど3年。小ブログでもその可能性についていろいろ考察してきましたが、サービス終了に至った理由を考えると、@売出し日を重視する媒体だけに週1回の宅配ではスポンサーの要望に応えきれなかったA宅配コスト(チラシ封入や宛名付け作業含む)を上回る利益が確保できなかったB総体的に折込広告(チラシ)の総量が縮小してきた―といったところでしょうか。
リクルートは「近年の情報入手の動向として、WEBやモバイル・スマートフォンなどの利用が著しく増加。地域のチラシについても、インターネットやスマートフォンで見たい、という方が増えてきていることなどから、今回のサービス終了を決定致しました」と説明し、今後はタウンマーケット・WEBサービス(チラシ閲覧サイト『Town Market』)でサービスを継続するとしています。電子チラシについては既にDNPのオリコミーオ!、凸版印刷のShufoo!(シュフー)と大手印刷会社が展開していますが、印刷会社では新聞折込用のチラシとして印刷を受注しているスポンサーへの「付加価値」として、チラシのPDF画像を独自の「チラシのポータルサイト」へ提供しているだけであって、経費も掛らないのですが収益的に単体でビジネスになるとは思えません。
いずれ、内需拡大のための広告産業が全体的に下落傾向であるために、消費が上向かなければ何をやっても仕組化されないというジレンマもあります。一方で、バブル期の消費動向が再来するなどと期待している人はいないと思いますが、ビジネスはチャレンジすることをあきらめた時点で下降線を辿るだけ。新聞販売店も読者からの信頼を最優先にしながら、果敢にチャレンジしていくしかないのです。
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リクルートつながりで先週末にはこんなネタもありました。
▽R25、大阪・名古屋版発行へ リクルートの無料情報誌(asahi.com 1月14日付)
http://www.asahi.com/business/update/0114/OSK201101140103.html
若手男性向け無料情報誌「R25(アールニジュウゴ)」を、今月20日から大阪と名古屋でも発刊するとのこと。著名人のインタビュー記事やコラムなどは首都圏版と同じだそうですが、地域イベントなどは別版で掲載されるのだそうです。大阪版は7万部、名古屋版は3万部を発行。
フリーペーパー業界も広告不況に苦しんでいて、R25は週刊から隔週へ、主要駅の留め置きスペースも縮小する一方で、全頁をウェブ版で提供したことなどから、「紙媒体の発行を止めるのでは」と囁かれていましたが、ナント勢力拡大です。すばらしい!
以前、リクルートの方に夕刊の販促用(夕刊の定期購読者に毎週木曜R25・L25を折り込む)として「夕刊折込で配るから宅配版R25を仙台で展開できないか」と相談したことがあったのですが、その際に「うちはいいけど新聞社(広告局)から嫌われているからなぁ」とポツリ…。結構イケると思ったのですがペンディングしてしまいました。
新聞の付加価値とは、宅配制度だとか本紙以外の特集号だとか、販売店からの云々というものだけと決めてかかると読者とのズレは広がるばかり。顧客のロイヤルティを高めるために何を提供するのが効果的か。流通部門は常に消費者目線で考えていかなければなりません。
▽電子チラシを考えてみる
http://minihanroblog.seesaa.net/article/68850396.html
▽リクルート チラシ広告を狙う
http://minihanroblog.seesaa.net/article/111636803.html
新聞は再販指定商品ですから、販売店が発行本社が定める定価販売を守らなければなりません。したがって、販売店が独自の価格(割引)を設定して販売することは、発行本社の許可なくしてはできないことになっています。
ただし、発行本社が容認しているのであればOKなのですが、そのことをすべての消費者(読者含む)へ公表していないとすると、特殊指定の差別定価に該当します。
公取委などは「消費者の多様な要望に応えるために“週末セット割”などは推進すべき」と回答すると思いますが、一番困るのは発行本社がそのような販売店のルールを無視した行為を表面化するまで黙認しているということ。この無責任さが業界内で定めた自主規制(新聞公正競争規約)を骨抜きにして、改善されることのない拡材戦争が続くわけです。そして資本力のない新聞社から潰れていくのだと思います。
販売店からすると大量に残っている残紙を幾らかでもお金に換えたいという気持ちもわからなくもありませんが、週末だけ販売店の配達部数が変わるというのは折込チラシの公称部数にも大きく関係してくると思います(折込チラシの公称部数は年2回改訂)。
周囲の主婦にこのことを話したら、全員が「それはいい。うちもそうしたい」っていうんです。新聞はチラシの包み紙になっちゃったんですね。でも、チラシに1500円って、高いような気がします。