日本新聞協会経営業務部がまとめた「日刊紙の都道府県別発行部数と普及度」(2010年10月現在)の調査結果によると、スポーツ紙、業界紙を含む総発行部数は前年を103万991部(▲2.0%)下回り4932万1840部となったそうです。5000万部を下回ったのは1987年以来23年ぶり。
発行部数は6年連続でマイナスしており、昨年と今年は100万部以上の減紙となりました。なかでもスポーツ紙の減紙幅(▲5.9%)が大きく10年連続のマイナス。地区別では人口動態や全国紙の進出具合にもよりますが沖縄県の落ち込みが最も大きく(▲6.9%)、次いで東京、大阪など大都市圏が続いています。
日本新聞協会ホームページより
▽2010年日刊紙 総発行部数4932万1840部
http://www.pressnet.or.jp/news/headline/110101_947.html
新聞協会経営業務部はこのほど、2010年10月現在の「日刊紙の都道府県別発行部数と普及度」調査結果をまとめた。総発行部数は前年比(以下同)103万991部(2.0%)減の4932万1840部だった。6年連続の減少。2年連続で100万部以上減った。5千万部を下回ったのは、1987年以来23年ぶり。
調査対象は、協会加盟の120紙で、内訳はセット38紙、朝刊単独68紙、夕刊単独14紙。前回の調査後、夕刊を休刊した北日本(09年12月末)と岩手日報(10年6月末)が朝刊単独紙に移行した。
また、夕刊デイリーが09年12月に入会。一方、奈良日日が10年6月末で退会した。内外タイムス(リアルスポーツ)は09年11月末で除名となった。10年10月末で退会した日本繊維は、調査対象に含まれている。
一般紙は1.6%減で6年連続、スポーツ紙は5.9%減で10年連続の減少となった。スポーツ紙は10年間で最大の落ち込み幅だった。
セット部数は5.8%減で、20年連続の前年割れ。朝刊単独は0.4%減。夕刊単独は3.3%減だった。
地区別にみると、昨年に続き全地区で減少した。沖縄は減少率が最も大きく6.9%減。以下、東京(3.5%減)、大阪(3.2%減)、四国(3.1%減)と続き、他の地区も2.3〜1.2%減少した。
1世帯当たりの部数は0.92部で、3年連続で1部を割った。あくまでも各社の公称部数をカウントしたものなので、実際にはどの程度の世帯普及率(発表では0.92部)なのか確認するすべはありません。新聞社が提供する記事はネット上やテレビ、ラジオなどを通じて広く発信されていますが、媒体力をはかる指標はやはり発行部数。その部数を伸ばすために競争が生まれ、並行して無駄も生じるものです。発行部数の増減が販売収入はもとより広告収入に大きく影響を及ぼすわけですが、ホテルやファミレスへ無料(安価)で新聞を届けてまで(部数のかさ上げをして)部数維持が図れる資本力のある新聞社が値上げもせずに我慢比べをしている一方、体力のない新聞社は身を削り廃刊だけは免れようと、言論機能だけは維持させようと踏ん張っているのです。
大新聞社の「赤字決算」が紙面を賑わせていますが、単年度赤字を計上したとてまだまだ潤沢な内部留保を抱えている新聞社も少なくありません。逆に小さいながらも地域住民から親しまれている新聞社こそ、年々深刻な問題に直面しているのだと感じます。そのような地域紙は従業員の労働条件もすこぶる高いわけではないのだから、値上げをお願いしても理解されると思うのですが…。それとも大新聞社と資本提携をして生き残りの道を模索するのも言論機能の維持のための手段だと思います。