すっかり冬めいてきました。まだ積雪はないものの日照時間も短く、新聞の配達、集金、営業活動も厳しさを増すこの時期、朝布団から出るのがつらいだろうに、真っ暗ななかを自転車やバイクで新聞配達をしていただいているスタッフの皆さんには、あらためて敬意を表します。ご苦労さまです。
最近こう思うのです。人をコストとか労働力という言葉に置き換える人が増えたなぁと。人をそのようにしか思わない人は結局、自己保身のためだけに生きているのだなぁと。世知辛い世の中になってきましたね。
日本新聞労働組合連合・東北地方連合からの依頼(50周年誌を発行)で新聞産業の20年をまとめていたのですが、校正などをいただき何とかカタチになりました。
日本の新聞業の歴史は140年とも150年ともいわれますが、今だけ委員長がこの業界に入ってからちょうど20年という節目にあたるため、自分が歩んできた新聞産業の20年を振り返ることができました。
新聞産業の年表的なものはネット上ではほとんど見られません。新聞関係者は「紙」(年鑑などを発行)で歴史を綴るのが大好きであるということと、あまり自分たちの産業内で起こったことは公表したくないという閉鎖的なところがオープン化されづらい要因のように感じます。
新聞労連東北地方連合50周年誌の発行は来年4月とのことですが、発行に先がけて新聞産業20年の出来事を“小出し(笑)”に掲載していきたいと思います。なお、掲載するものは、日本新聞協会発行の日本新聞協会五十年史、同六十年史、新聞研究などの資料を参考にし、個人の取捨選択により選別したものであることをご了承ください。
◆1990年
3・20 第362回新聞公正取引協議委員会がクーポン広告規制案を承認
3・30 マスコミ7業種の事業税経過措置を含む地方税の一部改正案可決成立
4・1 購読料金改定=ジャパンタイムズ4,300円(490円上げ)、日刊スポーツ北海道2,400円(140)奈良2,470円(470)
4・5 日米構造協議の日本側中間報告で流通制度の改善施策「景品および広告規制」の中で「新聞業のクーポン付き広告を本年夏までに実施するようにする」と発表
4・16 フクニチ新聞社、福岡地裁に和議を申請
5・2 毎日、鳥栖工場輪転機始動式
5・8 読売、鳥栖工場輪転機始動式
5・14 読売、江東工場が本格稼働
5・21 朝日、福岡工場が本格稼働
6・8 公取委、福岡の朝日、毎日、読売、西日本の4新聞販売店に排除命令
6・21 公取委の「流通・取引慣行等競争政策に関する検討委員会」が「流通・取引慣行と競争政策」を発表
9・5 新聞協会第552回理事会、「クーポン付き広告に関する規則案」ならびに「同運営細則案」を承認。10月から実施
9・28 新聞協会など広告・報道関係8団体が自民党税調に広告課税反対の要望書提出
10・1 新聞のクーポン付き広告実施
10・16 朝日がニューヨーク・タイムズ社と業務提携契約を締結、日刊情報紙「タイムズ・ファクス」を11月1日から日本で販売と社告
11・1 購読料改定=北羽新報1,640円(200円上げ)
12・1 購読料改定=九州のスポーツ紙3紙、日刊スポーツ2,500円(130円上げ)、スポーツニッカン2,500円(130)、九州スポーツ2,600円(130)
12・18 坂本堤弁護士一家救出のための懸賞金広告が朝日、読売、毎日に掲載される
◆1991年
1・1 購読料改定=電波4,900円(680円上げ)、神奈川2,500円(230)
1・17 湾岸戦争報道で各社(64社)号外発行
2・1 購読料改定=産経=3,100円(320円上げ)、夕刊フジ2,570円(310)、内外タイムス2,500円(300)、大阪2,500円(150)
2・24 米・多国籍軍がクウェート解放のため、地上攻撃に突入で48社が号外発行
2・28 米・多国籍軍がイラク軍への攻撃停止、湾岸戦争終結で41社が号外発行
3・1 長崎新聞社と長崎地裁の建物に何者かが銃撃
4・1 購読料改定=日刊スポーツ、大阪日刊スポーツ、サンケイスポーツ、報知、スポーツニッポン各2,700円(230円上げ)、日本海事6,180円(515)、新大阪2,200円(200)、関西2,000円(200)、中日スポーツ1,900円(260)、デイリースポーツ2,500円(200)、デイリースポーツ大阪2,700円(230)、大阪日日2,250円(250)
4・1 新聞のクーポン付き折り込み広告、解禁
4・7 大阪新聞、日曜日発行分(即売)を休刊
5・1 購読料改定=道新スポーツ2,200円(200円上げ)、日刊スポーツ、スポーツニッポン、報知北海道、各2,600円(200)
5・24 政府、「訪問販売法の指定商品に、株式会社または有限会社が発行する新聞紙を追加する」との訪問販売法施行令を閣議決定(7月1日施行)
6・1 日本新聞学会、日本マスコミュニケーション学会へ改称
6・3 長崎県雲仙・普賢岳の火口で大規模な火砕流発生、カメラマンなど報道関係者14人を含む43人が死亡・行方不明
7・1 購読料改定=紀伊民報1,300円(270円上げ)
7・11 公取委、「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」(ガイドライン)公表
7・29 公取委、「政府規制等と競争政策に関する研究会」、独占禁止法の適用除外制度の見直しを提言した報告書をまとめる
8・19 ゴルバチョフ・ソ連大統領失脚で33紙が号外を発行
9・1 購読料改定=岩手日日1,900円(200円上げ)
10・1 購読料改定=デーリー東北2,100円(250円上げ)
11・1 購読料改定=日本工業4,000円(500円上げ)、日刊スポーツ(西部)2,600円(100)
12・1 購読料改定=日刊工業4,200円(500円上げ)、中部経済3,000円(330)山口1,900円(400)、スポーツニッポン(西部)2,600円(100)、九州スポーツ2,700円(100)
1・1 購読料改定=毎日3,650円(460円上げ)読売3,650円(460)、日経4,000円(500)、東奥2,750円(390)、岩手2,750円(390)、秋田2,750円(390)、山形2,750円(390)、河北3,550円(460)、福島民報2,960円(390)、福島民友2,960円(390)など25社が値上げ
1・20 朝日、4月からテレビの録画予約ができるGコードを夕刊に掲載と社告
2・1 購読料改定=朝日3,650円(460円上げ)、東京タイムズ2,400円(400)、東京3,000円(430)、産経3,600円(500)など28社が値上げ
3・1 購読料改定=東京スポーツ2,900円(200円上げ)、北海道3,650円(460)など11社が値上げ
3・31 夕刊えひめ休刊
4・1 購読料改定=室蘭民報2,910円(390円上げ)、北羽1,900円(260)、石巻1,000円(300)、日刊スポーツ(北海道)、スポーツニッポン(北海道)各2,700円(100)
4・17 フクニチとフクニチスポーツが休刊の社告(17日から休刊)
4・29 朝日ジャーナル、5月29日号で休刊の発表
6・1 購読料改定=内外タイムス2,800円(300円上げ)
7・1 購読料改定=夕刊フジ2,600円(30円上げ)、大阪2,300円(300)、八重山毎日1,350円(320)
7・31 東京タイムズ休刊
10・1 購読料改定=陸奥2,250円(300円上げ)
11・1 購読料改定=沖縄タイムス、琉球新報各2,800円(430円上げ)
◆1993年
1・1 日刊福井廃刊(北陸中日が、題字引き継ぎ発行)
1・1 購読料改定=河北3,650円(100円上げ)
1・6 「皇太子妃に小和田雅子さん内定」で24紙が号外発行
2・1 購読料改定=伊勢2,100円(250円上げ)
2・1 新聞セールス近代化センターが発足
3・1 購読料改定=サンケイスポーツ東京、報知東京、日刊スポーツ東京各3,000円(300円上げ)、中日スポーツ2,200円(300)、東京中日スポーツ2,600円(300)、名古屋タイムズ2,000円(300)、デイリースポーツ東京2,700円(200)
4・1 購読料改定=西日本スポーツ2,750円(150円上げ)、デイリーヨミウリ2,600円(500)、日経産業3,500円(520)
5・6 長崎、5月31日付で夕刊休刊と社告
5・10 日経、申し込みから入金までをオンライン化した新広告システム「アドバンス」を稼働
7・12 北海道南西沖地震で新聞各社が降版時間を繰り下げ、放送各社は災害情報などを速報
8・4 米タイムズ・ミラー社がパソコン・ネットを使い94年から全国的にニュースや広告、双方向情報サービス開始と発表(2月フロリダ・ツデー、5月サンノゼ・マーキュリー・ニューズが既に電子情報サービス開始)
8・23 山形県新庄市で中学生がマットに巻かれ窒息死した事件で、新聞各社は「観護措置」を「保護措置」と誤報、翌日の朝刊または夕刊で「訂正」「おわび」掲載
8・31 読売が日立、丸善と共同で紙面をCD-ROMに収めたデータベースシステムを開発、「電子縮刷版」として94年1月版から図書館向けに発売と発表
10・1 購読料改定=南海日日1,800円(152円上げ)
10・9 沖縄タイムス社と琉球新報社が宅配制度の維持を理由に第2土曜の夕刊を休刊
10・29 公取委、「新聞の流通実態について」の調査票をスポーツ紙除く新聞協会加盟80紙93社に送付
12・1 購読料改定=朝日、毎日3,850円(200円上げ)、茨城、上毛2,850円(250)、埼玉2,850円(200)、下野2,750円(200)、宇部時報1,800円(100)
12・16 田中角栄元首相の死去で新聞各社が号外発行
◆1994年
1・1 購読料改定=読売3,850円(200円上げ)、東奥、岩手日報、秋田、山形各2,950円(200)、陸奥2,450円(200)デーリー東北2,400円(300)、河北3,850円(200)など18社が値上げ
1・21 政治改革関連法案参院否決で18社が号外を発行
2・1 購読料改定=静岡2,850円(200円上げ)、長野日報2,400円(200)、中日3,850円(200)、京都3,850円(200)、徳島3,850円(200)など22社が値上げ
3・1 購読料改定=道新スポーツ2,700円(200円上げ)、報知(北海道)2,900円(300)、日刊スポーツ(北海道)、スポーツニッポン(北海道)各3,000円(100)など7社が値上げ
3・12 民放労連、結成40周年事業の一環として、「メディア総合研究所」を設立
3・15 公取委、朝日、毎日、読売、日経の4社へ購読料改定について、独占禁止法18条の2(価格の引き上げに関する報告の徴収)に基づき、値上げの理由の報告を求める命令書を各社に送付
3・29 地方税および地方財政法の改正案参議院本会議で可決、成立(新聞・放送・出版など「マスコミ7業種」に対する事業税の軽減措置は段階的に縮小され、98年度に廃止)
3・31 栃木新聞が60億円に及ぶ累積赤字を解消するめどがたたないとして、社員68人全員に解雇を通告
4・1 購読料改定=日本農業2,500円(100円上げ)、苫小牧民報2,100円(250)、紀伊民報1,500円(200)、山陰中央2,800円(250)
4・8 細川護煕首相が辞意を表明、新聞各社は号外を発行
6・1 購読料改定=北海道3,850円(200円上げ)、北海タイムス3,300(200)
6・29 松本サリン事件で、各紙は第一通報者の河野義行さんを容疑者扱いで報道
7・1 購読料改定=室蘭民報3,110円(200円上げ)、十勝毎日2,160円(180)、高地3,700円(200)
7・5 北海タイムス、8月1日から夕刊を廃刊と社告(月決め購読料はセット3,300円を2,800円に改定)
7・9 北朝鮮の金日成主席が8日に死去していたことが判明、新聞各社は号外を発行
8・1 購読料改定=出雲1,900円(150円上げ)
9・1 購読料改定=日刊工業4,500円(300円上げ)
9・9 福島民報、新工場「福島民報印刷センター」の起工式
10・18 大阪府泉佐野市で朝日のヘリコプターと毎日のヘリコプターが接触し、墜落した朝日ヘリの乗員とカメラマンの計3人死亡
11・1 購読料改定=沖縄タイムス、琉球新報各3,100円(300円上げ)
11・3 読売が「憲法改正試案」を紙面で発表
12・28 三陸はるか沖地震により、デーリー東北が製作設備の被害を受け、印刷開始以降の工程時間が2時間ずれ込む
次回エントリーへ続く