2010年10月24日

数学を研究してきたという若き販売店経営者のマーケティング論

 まだ30代前半の若き経営者は前例踏襲型の新聞販売業と葛藤しながら、@Social Network Serviceを活用したネットワークづくりA電子書籍端末の発達を見ておくB自分の世界を広げるC活力源を持つ―これら4つのことを自身のライフワークとして販売店事業に携わっていきたいと熱く語りました。


講演風景.JPG 宮城県南部で約1万2千部の新聞を取り扱う新聞販売店経営者Yさん(専務取締役)。3年前に家業の新聞販売店を継ごうと地元に戻る前は、大学院で数学を研究し卒業後には某企業のシステム・エンジニア(SE)をしていたという経歴の持ち主。
 そのYさんから郊外新聞販売店の仕事の流れや読者サービスなどについて10月22日、講演をいただきました。今だけ委員長が勤めている新聞販売会社では、毎月1回社員ら有志が集って「自主研修会」を行っています。今回は「新聞販売の仕事は販売会社と自営店でどう違うのか」というある社員のつぶやきがYさんへ講演をお願いするきっかけになったようです。

 「パワポ」で作り込まれた講演資料を見れば、その方のスキルがわかるもの。前職がSEということもあるのでしょうが、その資料は簡潔にまとめられていて“勉強家”であることがうかがえます。
 仕事ぶりもその通りで、ミニコミ紙「蔵王人」(毎月末日曜発行・現在21号)では、地元住民のコミュニケーションペーパーとして「まち」をテーマに人と人とのコミュニケーションの創造に着手。プレゼントコーナーも好評で、読者・地元のお店・新聞販売店の3者による「Win-Win」の関係が構築されているとのことです。また、未来の新聞購読者への投資も怠りません。管轄するエリアの中学校の各クラスへ新聞を提供する事業にも取り組んでいます(朝日・読売も参加)。さらに対象中学校の生徒から「新聞の教室設置」についてアンケートを取り、その結果を市教委や校長会、PTAなどへフィードバックしているあたりが素晴らしい。常に数値化して「仮説→実行→検証→仕組化」というビジネスの基本を押さえてアクションプランを立てているのでしょう。このあたりが旧態依然とした新聞販売店の経営とは違うところなのかなぁと時代の変化のようなものをつくづく感じます。


 懇親会では、来年から学習指導要領に新聞の活用が盛り込まれることで、業界関係者がこぞって小・中学生(の保護者)を対象にした販売施策を検討していることについて議論し、「それ(教育現場に新聞が活用されることのPR)は大切だけれど、新聞購読者の主力がシルバー世代であることは変わりない。タイムリーなビジネスチャンスが到来するとすぐさま猪突猛進しがちな新聞業界だけれど、シルバー世代をおざなりにするのはマーケティングの観点からすればあまり良いことではない」という同じような考察で盛り上がりました。


 新聞販売業のみならず、近年の企業の隆盛というのは組織力というよりは「人力」に大きく傾いているように感じます。組織力に乗っかってさえいればよかった時代から、組織力を生かせない経営陣に問われている「人力」。これも社会の可視化を進めるきっかけになったインターネット空間での情報発信が大きく影響し、(高齢者と若手との)知識を得て創造する力に差がついてきているのだと思います。



posted by 今だけ委員長 at 08:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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