今回の会議には各地方紙で働く組合員25名が参加し、それぞれの単組の春闘総括と新聞特殊指定維持に向けた取り組み等の各議案が討議されました。
会議開始前の13時から、参加者全員で八戸市三日町の目抜き通りを中心に「許せますか?情報格差」と刷り込まれた新聞特殊指定維持を訴えるチラシと新聞労連作製のポケットティッシュ300セットを街頭で配布しました。ほとんどの通行人が私たちの説明に耳を傾け、快くチラシとティッシュを受け取ってくれました。


配布を終えた組合員からの感想は、
・特殊指定の問題をひと言で説明するのは難しかった。
・「自由競争の時代なのだから仕方ないのではないか―」と言われ、八戸などでやって(街頭行動)いないで、霞ヶ関あたりでやったほうが良いのでは―という意見もあった。
・「地方紙が好きだから値段が高くなっても読みます」といった言葉を掛けてもらい嬉しかった。
・「署名はないの?」と言ってくれた方もいた。
約30分で配り終えましたが、「あなたたちが言っていることは違う」という意見はありませんでした。これも土地柄なのでしょうか…八戸市あたりでは、強引な新聞セールスはほとんど行なわれておらず、消費者センターへも新聞勧誘時の苦情、トラブル等もほとんど寄せられていないということです。
また、新聞労働者が市民(読者)に「新聞特殊指定の問題点」を直接説明し、それに対する意見を直に聞くことができました。「情報の地域差」、「多様な言論を守る」、「違法な販売行為の是正」など紙面では伝えていない問題点、改善すべき点を直接聞いてもらえたことは、とても重要なことだと思います。
「特殊指定が改廃されると戸別宅配網が崩れる」という新聞協会や議員連合の主張を一方的に掲載する新聞紙面とは一線を画さなければならない―。そのためには、読者の意見を新聞労働者が直接“もっともっと”聞く必要があるのです。このような地道な行動が今後拡がっていくことを期待しています。
東北地方は関東圏や関西、九州地方のような、大手紙同士(一部の地方紙も加勢して)がしのぎを削る状況にまでは至っていません。それぞれの県紙が地域振興を掲げ、地方に根ざした紙面構成によって読者から親しまれているからです。
新聞特殊指定は「自由競争」を阻害するものだ―と述べる方が多いのですが、現状では『価格の競争』を攻める側(大手紙)が“いままで以上に”仕掛けてくることは間違いありません。やはり競争社会の行く末は「資本力には太刀打ちできない」となるわけです。だから新聞には資本力が支配するという事態を回避するために「特殊指定」は残す必要があるのです。ただし、多くの読者から非難を浴びているルールを無視した売り方の問題や今回の特殊指定報道に見られる「業界の都合の悪いことは一切載せない報道のあり方」(うそつきと呼ばれます)を正す必要が前提となることは言うまでもありません。
「いくら値引きをされても長年読んでいる新聞が好きだから換えませんよ」という読者のありがたい言葉に応えるためにも、まじめな新聞社の経営を持続させなければならないと思うのです。
地方紙が共闘をして二大新聞とコトを構える位の気概が欲しいと思っています。余計な販売経費(無秩序な販売行為)を掛けなければ、販売店としてももっと消費者全体へのサービス(古紙回収など)もやり得ると思っています。値下げまでに関しては新聞社の構造を把握し切れていないので何とも言えませんが…。
ハッキリしない新聞経営者を何とか動かそうと日々動き回っているこの頃です。某Sサンが言う「特殊指定が廃止されと…」というフレーズは、いろいろな会議にお呼ばれする際にも必ず話しています。
委員長の業界の未来を見据えた発言にはいつも感心させられます。
今、特殊指定見直し論が出ている中で我々の目指すべき道を系統を超えて考えなければ未来はないものと思います。
未来を占うという意味では部数にはこだわらなければならない。しかし、部数至上主義になっては未来はないと思います。
これからも頑張ってください。
販売店の従業員構成もだんだんと様変わりをして来ました。それは「新聞を届け、集金だけしていればよい」と言った旧態依然の経営では読者が納得しなくなったのでしょう。読者を増やすのは厳しくなる一方で、現読者の要望も細かく多様化してきており、販売店の労働密度は間違いなく「収入とは反比例?」して高まっています。
販売店で働く労働者の生活を守るという観点からすれば、もっと効率的な配達方法や古紙回収事業や地域へのイベント参加などを研究して行かなければ(もう実行しなければならない時ですが)ならないと感じています。それだけ難しい社会環境になっているし、ヤマトや郵政も「メシを食うため」なら本気で新聞配達に乗り出すかもしれません。しかし、いまの販売店に勤める配達員さんよりさらに低いコストで働かされるに違いありませんし、いま販売店に勤めている方の多くがそこへシフトしていくようにも思えます。
こと特殊指定問題に関しては私たちのような流通部門の問題よりもメーカー(新聞社)の姿勢(ジャーナリズム的な)が、その議論のほとんどを占めるので、販売店労働者の声がなかなか届かない… 読者と一番接しているのは私たちなのに…と思います。
今後ともよろしくお願いします。
地方紙は特指廃止の影響を食らうとは思えない。悪く言えば地域独占ですよね。いくら河北が東北6県で売っているとはいえ、山形は圧倒的に山新だし、その山新を独占にしたのは故・服部翁の力だけではなく、それを支える県民の意志もあったはず。もう少し大衆を信頼してよいのかも。
気に入らないのは朝日が、郵政民営化法案の時に反対派を「エゴ」と言って切り捨てたのに、新聞特指廃止には「言論の自由」を持ち出したこと。自分たちのカルテルを死守するために権力にすがるなど、なりふり構わないのは、見ていて実に醜い。
ご指摘の通り、朝日だけではなく、今回の特殊指定に関しては異常な偏り方&自分さえ良ければの報道に殆どの新聞が終始しています。情けない…
「新聞は自殺した」と書き込むブロガーもいらっしゃりますが、駅売購読者サマのような情報を得る手段が無く、新聞報道だけを垣間見ている読者と接している販売店労働者もツライです。なんか自分たちも「嘘つき」と言われているような気がして…。
地方紙はあまり影響が無いというご指摘は、100が0になるようなことはありえないと思いますし、100が50にもならないと思います。でも100が90になった時点で、地方紙は吹っ飛ぶー経営事情になっていると思います。
委員長様の先のコメント「100が90になった時点で、地方紙が吹っ飛ぶ」になるほど、と思いました。
地方紙が独自性を出せば、全国紙の(現在も行われている)値引攻勢にも十分対抗できると考えていました。地方紙の経営基盤については、財務諸表が発表されているわけではないのでよくわからないのです。
しかし委員長様のおっしゃるような状態であるのならば、地方の新聞社が考えていることも(賛成するわけではないが)理解できます。
それでも、今も景品がつかなくても地方紙を選んでいる人は少なからずいるので(私も)、内容で勝負すれば、と思うのですが、青臭いでしょうか。
内容で勝負する―全くその通りですし、いまも日々より質の良い紙面を、読者に感動を与える紙面を創っているのだと信じています。新聞は本来そのようなものですし、そうあり続けてもらいたい…。
でもなぜか、流通の場面になると「過剰な景品」「無料サービス」が横行してしてしまう。ノルマがあるからなのか、そうしなければ「新聞を購読してもらえない」と勘違いしをして悪行が繰り広げられています。読者からすれば「勘違いしないでよ」という話ですよね。しかし。そのような行為が「新聞の文化」になってしまっていることも事実です。お隣さんがそのようなオマケを貰うのであればウチも欲しいー当たり前のことです。大手紙が過剰な景品や無代紙を提供できて、なぜ地方紙ができないのか?そう読者に迫られた時に「ウチはできません」とキッパリ断れるかどうか…「断りたい」けれど、次なる策が無ければ部数は落ち込む一方だと思います。
naganagaさんのところで無購読層対策を含めた総部数の約5%程度(地方紙も大体そのくらいでしょう)の循環読者層を固定化にする対策(紙面内容なのでしょうが…)に取り組んでおられるのであれば、逆に教えていただきたいです。
都心は1割ですか…。大変だと思うし、そのような地区では、より新聞の売られ方が荒れているのでしょう。また、そのような都心に公取委の方々が住んでいらっしゃるのでしょうね。
過疎が進み、配達経費の掛かる地域は比較的乱売は起きていません。もしかすると特殊指定が撤廃された場合、地方に大手紙が攻め込んでくるのと逆に大手紙が採算の合わない地方から撤退する可能性もありますね。