年々歳々五月の空の如く―東京新聞争議の十年―
著者:東京新聞労働組合(民衆社)980円
第二次世界大戦敗戦後、言論統制を強いられてきた新聞社にも民主化が訪れ、労働組合が旗揚げられた。しかし、その後、レッドパージ、60年安保闘争などにより新聞労働組合の運動も経営側による弱体化工作を受け、しだいに企業内労働組合活動へとその道を辿っていく。
しかし、その中でも東京新聞労働組合は中日新聞社による弾圧に屈せず、闘い抜いた東京新聞労組の歴史書。
1963年11月20日の東京新聞社は臨時株主総会を開き中日新聞社との業務提携が承認される。そこから中日新聞社の経営陣と東京新聞に勤める組合員との熾烈な闘いが繰り広げられる。中日から来た鈴木充副社長は組合敵視の労務政策を展開し、分派育成工作(第二組合立ち上げに協力)、スト対策で暴力団まで駆り出しロックアウトを強行、機動隊の導入など…組合への弾圧は非常極まりない。
その後、東京新聞労組を脱退しない従業員に対して、昇給昇格などの差別や配置転換が行われる。そのすべてにおいて粘り強く闘った組合側に労働委員会も裁判所も組合勝利の判決を下したが、中日新聞社に営業譲渡をされた時点で500名いた組合員は無法な組合攻撃によって124名にまで減少せざるをえない想像を絶する闘いであったのだ。
東京新聞労働組合は、今もなお中日新聞社側と争議を抱えている。今後もその闘いの歴史は、機関紙「推進」に残されていくだろう。
産経と同様に値段や紙面構成、広告などでおもしろいことをやっていますよね。
機関紙「推進」はどこで購入できますか??読んでみたいと存じます。
東京新聞労組の「推進」は、その多くがhttp://www.tokyoroso.org/modules/news/
に掲載されていますので、ご一読を!
新入組合員の争奪戦もあるようで、大変だそうです。でも中日労組の脱退して東京労組に新加入される方もいらっしゃるとか。生き方の問題なのだと思います。