逆にクリネックススタジアム宮城でジャイアンツ戦(交流試合以外で)が行われ、Y販売店は「G戦チケット」を大量に投入して読者獲得を…。まだまだYグループは衰えることを知りません。販売店などの下流部門はだいぶ疲弊していると聞きますが、ナベツネさんの目が黒いうちは1千万部は割れないのでしょう。
ともあれ、読売グループの総帥として君臨するナベツネさん。「2009年度の経営状況は広告収入の落ち込みで減収したが、一切借金がないので経営は安泰だ」と豪語するほど、グループ経営は盤石なのかもしれません。人間って経済的に余裕が出てくると天下国家に口を出したがるのでしょうね。政治記者の出身となればなおさらメディアを使って、自分の主張を推し進めようとするもの。ナベツネさんもその一人。
2004年に読売新聞が憲法改正試案を打ち出したあたりから、ほかの新聞社(新聞社系出版物)へ露出し始めたと感じています。
2006年1月5日に刊行された論座(朝日新聞社:2008年10月廃刊)では、若宮啓文・『朝日新聞』論説委員と靖国神社への首相参拝を非難する内容の対談が特集されました。同じ年の12月からは日本経済新聞の人気コーナー「私の履歴書」で軍隊の不条理に怒り戦後は共産党に入ったことなど、学生からの新聞記者時代までの半生を執筆しています。
単なる露出狂なのか、戦国の武将のような戦術家なのか、はたまたルパート・マードックのようなメディア王に化けるのか…。(ナベツネさん1926年生まれの84歳、マードック氏1931年生まれの79歳)なんだかんだ言ってもこのお爺ちゃん世代がいまだに権限を持ち、トップセールスをしているもの確かだということですね。がんばらなきゃ!

以前、新聞労連の就活セミナーを開催した際に、「どうしても毎日新聞社に入りたい」と目を輝かせていた女学生のことを思い出しました。労働条件面を考えれば、ほかの全国紙や通信社を目指した方がよいのではないかとのアドバイスを聞き入れず、「子供のころから毎日新聞の論調が好きで、親の代からずっと毎日を読んでいるから思い入れがあるのです」と彼女。見事入社を果たしました。
毎日新聞社は自由闊達な職場だと多くの先輩から伝え聞いているものの、現状はどうなのかなぁ。
田原総一朗氏が「田原総一朗ニッポン大改革」(現代ビジネス)で、マスコミが弱まっている原因として景気低迷をあげ「企業というのは景気が悪いと保守化するんです。元気がなくなるんです。乱暴なことはするな、余計なことはするなって話しになる」と自身のブログで述べています。新聞社の経営が困難になると人員合理化が進み、取材態勢を縮小して共同通信の配信に頼らざるを得ないのが、毎日新聞のいまある姿です。
新聞社の主張に差異が無くなり、総保守化しているとなると、毎日新聞の論調が好きで入社した女学生は今どういう思いで仕事をしているのだろうと思いふけってしまいます。
▽なぜ新聞社はツイッターを恐れるのか(田原総一朗ニッポン大改革)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/460?page=3