「さらば新聞輸送列車」がちょっとした話題になりましたが、JR東日本の東京(両国)から千葉への新聞配送が3月12日で終了したというアナログなネタから1カ月後の4月12日には、朝日新聞社の新聞配送車両をパナソニックが製品やサービス部品の輸送に活用することが発表されるなど新聞輸送界もあわただしく動いています。
 合理化や新たな業務展開は、新聞社間の印刷部門の相互受託だけに限らず輸送部門にも波及してきているのです。


 以前、エントリーした「印刷部門の別会社化に次ぐリストラ策は大手輸送会社切り替えによるコストダウン」の時は、出資会社の毎日新聞が新聞輸送会社との契約を打ち切り、入札制による輸送コストの切り下げを要求。東京一般労組に加盟する新聞輸送従業員組合と毎日新聞社との間で争議が起こるという事態になりました。

 あれから2年。今度は毎日新聞に続き、読売新聞も新聞輸送会社との契約を打ち切るというのです。読売新聞から新聞輸送会社へ支払われる輸送代はざっと見積もって年間4億弱。残る朝日新聞と日経新聞、東京新聞(中日新聞)の輸送代では(新聞輸送会社の従業員の)現行の労働条件の維持は難しいと思われます。
 「新聞輸送会社は新聞社が設立した経緯から、高コスト体質が問題点として指摘されており、年収1千万円を超す従業員も結構いる」という話が伝わってきますが、「輸送会社の従業員が年収1千万円で何が悪い!」と憤りつつ、新聞社の経営が行き詰まりを見せるなか、下流部門の経費削減を強硬に推し進めて“新聞社に勤める人たちの賃金を守ろう”という流れが、なりふり構わず行われていると感じます。

 印刷や輸送部門が新聞社から切り分けられて、別会社化にシフトされ始めてから15年くらいたつでしょうか。輸送会社によるコンペ方式で輸送料金の安いところと提携する新聞社がこぞって出てくるかもしれません。販売店からすると、店着時間が10分遅れると配達作業はその3倍の30分遅れるので、「早く、確実」な輸送業務は重要な問題です。

 「ただ運びさえすればいい」。新聞輸送はそんな軽んじられる仕事ではない。そう思っています。

▽さよなら新聞輸送列車---トラックに転換

http://response.jp/article/2010/03/12/137605.html
▽新聞配送網を活用した低公害車による共同配送を実施
http://www.asahi.com/shimbun/release/20100412.html
▽印刷部門の別会社化に次ぐリストラ策は大手輸送会社切り替えによるコストダウン
http://minihanroblog.seesaa.net/article/90018364.html