もうひとつ朝日新聞に関するネタですが、2月のABC部数で朝日が800万部を割ったことが速報されました。
朝日新聞社販売担当で中央協委員長を務める飯田真也氏を中心に、販売正常化を推進する動きを強めている朝日新聞。産経新聞と同様に部数整理のタイミングを図っていたのかもしれません。朝日新聞では昨年末に販売店(ASA)との取引契約を新たに見直し、発行本社と販売店の権利と義務を明確化すると発表したばかり。
「朝日新聞MEDIA DATA 2010」の公称部数が803万1579部ですから、2009年1〜6月平均部数から半年経過して3万部強(▲3.75%)の減紙。通常の企業で考えれば「その程度の浮き沈み」と取られるかもしれませんが、新聞業界は「創刊何周年」などの記念年に「何百万部達成」といった会社の歴史のようなものを背負っているものです。もちろんですが広告費(段単価)の価格設定の問題もあるため、定着した部数の御旗を取り下げることはそう簡単なことではありません。読売もナベツネさんがいるうちは1000万部を割れないのではないかと思います。
押し紙によってかさ上げしてきた部数を正常化(適正化)できるのは、正直なところ経営者の判断しかありません。配達されることのない新聞をビジネスホテルやファミレスへ無償で提供して、あたかも配達先があるように見せかけて公称部数を守ろうとする販売政策では立ち行かなくなっていくのは当然のことです。
顧客ロイヤルティをあげていくためにも新聞には「信頼」が一番大切なのだと思います。これは紙面だけではなく、売り方も同じことなのです。
最近の業界の動きを見ていると、週刊ダイヤモンドで連載中の「ザ・メディア」に何となく近づいているように感じます。
最初に朝日の即売値上げを知ったのは業界紙「新聞情報」の記事です。記事には「近く、関係者に説明する」とあるので、記者が朝日の販売筋(業界紙記者が取材する人は結構偉いクラスだと聞いたことがあります)から得たスクープだったのだと思います。それが、今日ほかの業界関係者の信頼している方から「4月から5月に変わった」という情報をいただいて掲載しました。
1カ月ずらした根拠はまだ得ていません。
ちなみに教えていただきたいのですが、朝日、読売、日経が「ANY連合」を組んで販売面の提携も目指すという記者会見が2007年10月1日に行われましたが、ASAへの説明は事前にありましたか?
それとANY連合についてですが、事前説明があったかというと、記憶にありません(すみません)。まあ、極秘に進められていたことは間違いないと思いますが・・・私にはわからない世界です。