日本の新聞社は株式公開(上場)をしていないので、系列のテレビ局(クロスオーナーシップと言われてる)決算報告(連結決算)で新聞社の決算状況を知ることができます。
日本経済新聞の子会社、テレビ東京の決算発表によると、日本経済新聞社が2009年12月期決算で、創業以来初めて132億円の赤字を計上したことが伝えられています。広告収入の減少で4期連続の売上高減を人件費などを含むコストカットでしのいできましたが、今期は赤字を計上せざるを得なかったようです。
日本経済新聞より引用
日本経済新聞社が9日発表した2009年12月期の連結決算は最終損益が132億1600万円の赤字(前の期は48億8200万円の黒字)となった。連結決算の開示を始めた2000年12月期以降、通期で初めての赤字決算となる。
新聞・出版事業の広告収入が大きく落ち込んだことが響き、売上高は前年同期比13.1%減の3154億1400万円となった。販管費を10.2%削減するなどグループ全体で経費削減に取り組んだが、減収を補えなかった。
単独決算は売上高が10.1%減の1771億400万円、最終損益は14億1600万円の赤字(前の期は35億1500万円の黒字)だった。
「赤字」という報じられ方は企業イメージのマイナスですが、単年度の赤字決算で日経のような大企業はビクともしません。潤沢なキャッシュと資産を有している日経ですから…。でもこの現象が続くとキャッシュがなくなってくる。来月スタートする電子版も大した投資ではないでしょうから、収入(売上高)に見合った支出(原価+販管費)にするか、支出をまかなえる収入源を確保するかの問題。
でも、赤字決算ができるというのは、まだ経営内容が健全だということを意味していると思います。多くの借金を抱えている企業(新聞社)は、赤字決算ができないわけです。「赤字」となったらすぐさま銀行が乗り込んできますからね。だから関連企業内(連結決算)で帳尻を合わせて黒字にするわけです。
その意味では、ANY連合(朝日、読売、日経)はほとんど無借金体質(これまでは)なので、当面は安泰というところでしょうか。
▽日経の09年12月期決算、初の赤字に 広告収入減響く(日本経済新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20100309ATDD0907O09032010.html
▽日経新聞が初の赤字、連結純損失132億円−広告低迷で4期連続減収(ブルームバーグ)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=apNMD4IKawOg