広告収入の低迷が続いている新聞産業ですが、新聞社の広告収入は何も紙媒体ばかりではありません。自社サイトのバナー広告も少ないとはいえ重要な収入源となっています。
グーグルのようにトップページには一切広告がないサイトがある一方、めっちゃ広告ばかりに目を取られてしまうサイトもゲップが出るものです。
Webデザイナー長谷川恭久さんのサイトをのぞいていたら、「新聞サイトのコンテンツと広告領域」というエントリーがとても参考になりました。実は新聞社サイトは広告ばかりを詰め込んで記事スペースがヤフーよりも少ないということなのです。
なるほど、これでは「ヤフーが記事を作っている」と思う学生がいてもおかしくないような…。
長谷川さんが調べたのは各新聞社サイトの記事と広告の表示領域はこうなっています。
■朝日新聞 記事25.8%・広告32.7%
■毎日新聞 記事48.1%・広告19.6%
■読売新聞 記事29.2%・広告43.2%
■日経新聞 記事30.7%・広告15.5%
■産経新聞 記事45.6%・広告12.4%
ウェブファーストを旗印に広告収入でビジネスを構築しようとする産経新聞が、意外に広告のスペース(12.4%)は少ない。記事スペースは毎日新聞が断トツで48.1%となっているものの、産経新聞の45.6%もほかの全国紙と比較しても多い方です。
なるほど…と思いきや、さすがは長谷川さん・ニュースといえば新聞社のサイトばかりではなく、ポータルサイトでチェックする人が多いことも見逃していません。そして驚いたことに、ヤフーニュースのトップページは広告が11.4%しかなく、記事スペース(ニュースコンテンツ)がなんと61.4%もあるのです。
本来広告収入がビジネスの柱であるヤフーなどのポータルサイトが実は新聞社サイトよりニュースコンテンツの領域を豊富に表示しているのです。“だから”というわけではありませんが、サイト上の一覧性(見やすさ)などを考えるとヤフーのニュースサイトの方が見やすく工夫されていると言えます。
少しでも多くの広告費を稼ごうと各新聞社もみっちりバナー広告を張り付けてしまいがちですが、ユーザーの見やすさをもっと重視する必要があるかもしれませんね。
▽新聞サイトのコンテンツと広告領域/could(長谷川恭久氏のサイト)
http://www.yasuhisa.com/could/article/newspaper-site-ads/