2010年03月10日

印刷部門の合理化が意味するもの

 新潟日報の営業努力なのか、採算割れの印刷工場の縮小が加速したのか…。
 読売、朝日に続いて、毎日新聞の(新潟県内)印刷も新潟日報が受託することになりました。
 以下、YOMIURI ONLINEより引用。


 毎日新聞社は8日、新潟県内で配達している全朝刊約2万7000部の印刷を2012年春から新潟日報社に委託することで同社と基本合意したと発表した。
 両社は新聞の輸送協力についても協議中だ。
 毎日は現在、新潟県内で配る朝刊を群馬県高崎市の関連会社で印刷している。新潟日報への委託に切り替えて輸送距離を短くし、安定した輸送体制を確立する狙いがある。
 新潟日報は、読売新聞東京本社と10年秋から、朝日新聞社と11年春から、それぞれ新潟県向けの朝刊の一部の印刷を受託することで基本合意している。
(3月8日付  読売新聞)

 これまで新潟県内で発行する毎日新聞の印刷は、関連会社「毎日新聞北関東コア」(北関東コア)が行っています。毎日新聞、スポーツニッポン、聖教新聞、公明新聞などが主な印刷紙で、長野、群馬、埼玉(新潟)エリアの毎日系新聞を印刷しています。
 今回、毎日新聞を新潟日報へ委託(すでに聖教新聞は新潟日報で刷っている)するとなると、北関東コアの印刷収入がダウンすることに。実はこの北関東コアは群馬県の上毛新聞も出資しているので、本丸の毎日新聞が信濃毎日(長野)にも印刷を委託するようになれば、上毛新聞の負担増は免れないような気もします。

 輸送体制や販売店業務提携などは協議中とのことですが、輪転機(印刷センター)を建てることで、その近隣エリアを主戦場にして部数拡大を図ってきた販売政策を見直さざるを得ない状況になってきたということです。とはいえ、それぞれの印刷センターに働く人たちの生活もあるわけですから、「ソフトランディング」の基本姿勢で今後の印刷体制を考えてもらいたいものです。


 一方、新潟日報の印刷体制にも関心があります。新聞は「生もの」ですから、速報性は大きく求められなくなったにせよ、最新のニュースを朝刊に入れたいもの。高速輪転機が数台あるとはいえ降版時間がこれまでより繰り上げられるのではないかと思います。やはり地元紙ですから新潟日報の紙面を最終版にするのでしょうが、大手3紙にスポニチや聖教まで含めるとその降版時間の裁き方は容易ではないでしょう。輸送体制や販売店の提携による配達コストまで考えないと物流部門の効率化は図れませんから…。
 今後の動きに注目したいと思います。

posted by 今だけ委員長 at 06:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
ツイート