2010年03月03日

無購読者に新聞研究「記者読本」を読んでもらいたい

   新聞研究704.jpg
新聞研究(704)記者読本2010
社団法人日本新聞協会(840円)

 「無購読者にはこれを読んでもらいたい」そう思いました。
 毎年、新聞研究の3月号は「記者読本」と称して、4月から新聞社で働く新入社員へのメッセージ集で構成されています。
 「記者となる君へ」というキーワードでベテラン記者からのメッセージや先輩記者からの体験談などは、「こういう先輩のもとで働くのはオモシロイだろうなぁ…キツそうだけど」と勝手に回想してしまいます。
 筆者の先輩方のなかには、磯野彰彦さん(毎日)や具志堅学さん(沖タイ)などお世話になった方の寄稿もあって、大変興味深く読みました。なかでも高知新聞の山岡さんの文章はとても印象深く、強面の編集局長(実は心優しのでしょう)のイメージが伝わってきます。新聞はこういう人たちが作っているのだ―と思いながら新聞を手にすると、また一味違った「新聞の読み方」ができると思います。

 「新聞は読まない」なんていう方には、今号を読んでもらってから「どうです。新聞読みたくなりませんか?」と口説いてみたいですね。


 「記者読本」と銘打っているわけですから、記者職の先輩方の記憶が多いのは当然ですが、新聞協会の販売と広告の両委員長からも営業職場の現状が綴られています。
 もちろん販売労働者ですから販売委員長の飯田真也さん(朝日)の寄稿から読みました。表題は「経営安定の努力続ける」。不正常販売の問題点を指摘し、「今後は販売店間の業務提携も進み、戸別配達も合理化されてさらなる経費削減につながる」との見解を示しています。さらに、「新聞の報道・言論は公平で正確でなければならない。そのために欠かせない経営の安定を図り、一人でも多くの方に読んでいただくために我々『販売人』は全力を挙げる」と結んでいます。
 これまで、販売委員長が不正常な販売の実態を示しながら改善に取り組むといった内容を表記するのは、はじめてではないかと思います。さらに、経営を守るために販売はさまざまな合理化(経費削減)に取り組むという書き方も。昨年同月発行の新聞研究を引っ張り出して、当時の販売委員長(船瀬さん・日経)の寄稿を見てみたら、「報道の自由支える個別宅配網」という表題で、「新聞事業の根幹は日々読者の元へ届ける戸別宅配網である。世界に冠たる日本の個別宅配網を維持、強化する必要がある」と書かれてありました。
 そうそう、これまでは宅配網の維持を前面に出して書かれていたのです。ところが、飯田さんになってからいろいろと変わってきた。経営を守るために販売は合理化(正常化)に取り組むと…。

 改革派の飯田さんを応援したいと思う一方で、無謀な合理化には断固反対です。配達従業員もまた地域の読者であり、業界構造の根底にある発行本社と販売店の取引関係を適正化することが優先されるべきだと思っています。


 話は脱線しますが、新聞研究を発行する日本新聞協会に勤めていた阿部裕行さん(事務局次長兼経営業務部長)が、地元の多摩市長選(4月4日告示、同11日投開票)へ立候補するため、2月に退職したという話を今日伺いました。少々びっくりしましたが、「あの方ならば」という気持ちです。
 阿部さんには新聞労連の役員時代に春闘要請行動の段取りや、産業政策研究会メンバーと協会職員の方々とのディスカッションの場を設けていただくなど、大変お世話になりました。新聞というキーワードでのつながりはなくなるのかもしれませんが、多摩市民のためにご奮闘されることを願っています。



posted by 今だけ委員長 at 23:51 | Comment(2) | TrackBack(0) | 書籍紹介
この記事へのコメント
「阿部宏行」さんではなく「阿部裕行」さんですね。
下記、阿部氏のオフィシャルサイト
http://www.abe-hiroyuki.jp/index.html
Posted by 業界関係者 at 2010年03月05日 17:17
業界関係者サマ!ご指摘ありがとうございます。
さっそく訂正しました。
Posted by 今だけ委員長 at 2010年03月06日 01:57
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
ツイート
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。