2010年01月25日

免許制ではない新聞記者 最後は人間の強さと見識なのかな

 新聞の役割の一つに国家権力の監視というものがありますが、このところ政権与党の幹事長の「疑惑」に多くの紙面が割かれています。それだけネタがないのかなぁ。

 インターネット上の個人ブログ(最近はツイッター)などを読んでいると、原口総務相などの閣僚や民主党議員が「(小沢氏疑惑について)新聞の報道が『関係者によると…』という書かれ方がされているが、誰から得た情報なのか取材源が明かさずメディア側が意図的に話しをでっちあげているのではないか」という内容のメディア批判がなされています。
 一方、新聞社をはじめメディア側は「取材源の秘匿は当然であり、それによって得られるニュースソース重ねあわせて裏が取れた段階で記事化している。決して権力側(今回の場合は東京地検関係者)からのリークではない」と主張しています。

 生活者からすれば、小沢氏が違法行為をしているならば当然罰せられるべきだし、政治家としての社会的責任は免れないと思います。で、それを解明するのは検察・警察の仕事であるのですが、最近の新聞報道を読んでいるとあたかもそれ(小沢氏の疑惑)をジャッジするのはメディア(新聞)の役割なのだと言わんばかりの妙な正義感がプンプンします。
 私だけが感じているのなら撤回しますが、また紙面がワイドショー化されているような気がしてなりません。

 表面化しない問題を掘り起こして社会へ訴えることはとても大切なことだと思っているし、新聞社の組織的な取材活動によってこれまでも多く問題を追求してきたことは間違いはありません。確かに政権与党の幹事長の「疑惑」なのでニュース性は高いと思いますが、ワイドショー化した報道の在り方に違和感を覚えます。
 新聞が権力をチェックするように、新聞もまた世論誘導装置としてほかの権力から利用されないように、自らをチェックすることも重要ではないでしょうか。「新聞を監視する機能を作れ」なんてことがあってはならないのですから。


 小沢疑惑の一連の報道に関して、北海道新聞社の高田昌幸さんが運営するブログ「ニュースの現場で考えること」を大変興味深く読ませていただきました。更新も4カ月くらい放置されていたのですが、きのうから鋭く、かつスカッとするエントリーを書かれています。
 ブログを読んだ感想は、新聞記者になる資格は何だろうということ。免許制でもないし、これまで先輩方がやってきた取材(夜駆け、朝駆け)をみっちり叩き込まれ、そして先輩が現場を離れてデスクになり、偉くなると「まぁまぁそんなこと言わないで…」と闘わない人(すべての方がそうでなないと思いますが)になってしまう。それの繰り返しだから、新聞社は同じようなことを繰り返しているのではないかなぁと。新人記者が熱血漢に溢れて事件を追い、真実を社会へ知らせるという使命感(多くの生活者が描く新聞記者像)のようなものが忘れ去られているか、そのような人材が(業界を去り)失われているのではないか、という感じを受けました。
 もう1点は、なぜこのような見方を紙面には書けないのかということ。個人ブログでは書けるけれど、何がどう絡むのか新聞社(業界)の編集体制の奥底にあるものは分かりませんが、読者は膝を打ちながら読むでしょうね。なんかもったいないような気がします。

 高田さんとは5年前にローカルメディアネットワーク(地方紙の若手社員の集まり・もちろん業務外です)の会合でお会いし、酒席をご一緒したことがあります。「販売店は大変でしょう。学生時代に新聞奨学生をやっていたからわかるよ」というような会話をしたことを覚えています。こういう記者の方が身近にいると心強いだろうなぁとも思いましたね。

 個人名を出してブログを運営している新聞人(特に記者の方)はとても少なく、仕事上でも個人の意見を発信することに対するハードルは高いと思います。でもブログは読み手の意見がダイレクトに返ってくるツール。新聞業界の中だけで自分の意見を述べても、その賛否の声が世間相場と一致しているとは限りません。逆に離れていってるような感じさえします。ぜひ新聞記者の方には、自分の立ち位置を確認する意味でもブログにチャレンジしてみることをお勧めします。

 このところ、販売に関する問題が消沈気味なので販売店労働者の分際でいろいろ書いてきましたが、ご異論がある方はぜひコメントを寄せてください。


「ニュースの現場から」
▽「捜査情報」は「捜査情報」と明示せよ(1月19日)
http://newsnews.exblog.jp/13526663/
▽リークと守秘義務(1月19日)
http://newsnews.exblog.jp/13526982/
▽続・リークと守秘義務(1月20日)
http://newsnews.exblog.jp/13528722/
▽検察の「伝統」(1月21日)
http://newsnews.exblog.jp/13538890/
▽「リーク批判」に対する新聞の「言い分」(1月24日)
http://newsnews.exblog.jp/13562517/
▽開示請求と取材(1月24日)
http://newsnews.exblog.jp/13563297/

【追記】2/6
「小沢疑惑を広めたから特捜部の捜査は価値がある」のか?(2月6日)
http://newsnews.exblog.jp/13669531/



posted by 今だけ委員長 at 16:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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