▽電通の2009年12月売上高、インターネットが雑誌を抜く--テレビ、新聞に次ぐ存在に(アサヒコム 1月13日付)
http://www.asahi.com/digital/cnet/CNT201001130101.html
次は新聞か…。
ツイッター上では上記の記事を読んだ(もちろんネットで)方々が、こうつぶやいています。
新聞広告の現場も相当の努力をしているのですが、リーマンショック以降の広告費の激減とかいうのではなく、メディアの多様化によって情報摂取のシステム自体が変わってきたのですから、いずれ新聞への広告費もネットメディアに追い抜かれることでしょう(販売収入のみで新聞産業を成り立たせるという議論は別な機会に)。
しかし、ネットメディア系企業はヤフーやグーグルなどの大手ポータル意外に相当数あるわけですから、その広告費を分散すると、まだまだ新聞社の一社当たりの広告収入より低いわけです。いずれ、紙メディアからスマートフォンなどの個人モバイル端末へと移り変わるまで、販売収入で持ちこたえながらいろいろなビジネスを模索することが求められていると思います。
ただし、こんな話は「お節介」なことなのかもしれません。
先日、ある新聞広告を主に取り扱う広告会社の新年講演会にうかがう機会がありました。地元企業の経営者と、その広告会社で顧問をされている方の講演だったのですが、その顧問の方の話はとても一般の人には聞かせられない内容でした。
全国の新聞経営者との親交があると誇張するのはよしとして、電通主催の大新年会へ参加して「社長に“あなたあと10年は社長やりなさい”と言っておきました」と強弁するのです。あと10年は、電通はその広告会社に広告を出すから大丈夫と言わんばかり。その顧問の方はそれだけの権力を持っているのだということを主張したかったのでしょう。
これまでは、そのような人間関係で通用してきたのかもしれませんが、新聞社の権力(媒体力)を過信しすぎるととんでもない過ちを犯しそうでザワッとしました。前列で聞いているその会社のお偉いさんはその一言一句に大きくうなずき、後方にいる従業員の方は「また始まった」という表情をされていたのが印象的でした。これが企業病というヤツなのかなぁと。
そして電通は着々とネット系の広告取り込みに向けて子会社をせっせと設立し、時代にあったビジネス戦略を構築させています。さすがは世界の電通。
▽電通、インターネット広告の地域ターゲティング事業の新会社を設立
http://journal.mycom.co.jp/news/2009/12/24/020/index.html
▽電通子会社のcci、スマートフォン向け広告事業に参入
http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20406151,00.htm
社会のシステムの変化を受け入れられない世代の方が、過去の成功事例にすがらざるを得ないということは分からなくもありませんが、逃げ切れる世代の方々に考えてほしいのは、変わりゆくメディアの将来にどう対処していくかを本気で考えてほしいということです。実際に考えて動くのは中堅以下の従業員なのですから、「もうちょっと待って…」「編集系がうるさくて…」という言いわけをしないで本気で考えてほしいのです。
業態の根本を変えるくらいの改革でもしないと、規模縮小だけでは済まない時代になっていくことだけは間違いありません。ペーパーメディアは新聞をこよなく愛読してくれているシルバー世代からの販売収入とともに縮小路線を歩むだけ、となってはダメなのだと思います。
このようなことを考える時点で、組織からもダメ社員扱いされるのが新聞業界。不都合な真実から目をそらさずに、もっと現実の社会システムの変化に敏感になるべきだと思うのですが、どうでしょう。
そのような体質改善ができない業界に嫌気をさして去って行った方も少なくないのですが、まだやり残していることはたくさんあるはずです。だからこんなブログも夜な夜な書いているわけですが…。
コニカ・ミノルタのカメラ業界ではないですが 体質改善ができないのは カメラ業界以上にひどいかもしれませんね・・・
広告界のカリスマでいたいのでしょうね
新聞紙面の広告についてはもう数年前から
言われている事だけどカリスマ電通が上手く
コントロールして来たけど、今やクライアント
に体力がないのです。
新聞を読む末端の読者は紙面広告よりもチラシ
なのに。
それでさえ今はネットやこれからは地上デジタル
放送に奪われてしまうかも知れないですね。