日経BPnetの時評コラム「新聞のネット進出が苦戦続きなのはなぜか」が注目されているようです。マスコミ擁護だとか…かなり玄人向けですが。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20091222/202408/
このコラムを書かれたのは、イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役の山本一郎さん。アルファブロガーとして「切込隊長BLOG」を運営している方と説明したほうがピンとくる方も多いと思います。
山本さんが書かれた「情報革命バブルの崩壊」や「ネットビジネスの終わり」を読ませていただき、ネット事業者に振り回され右往左往する新聞産業の構図など、膝を打ちながら読ませていただきました。
ツイッター上で見つけた、このコラムに関する書き込み(つぶやき)に「新聞とかネットとかという話ではなく、人の問題なのです」と、何とも結論的な書き込みがありました。まさにその通りだと思います。
このコラムも山本さん個人の分析に基づいた考えとしてとても参考になるのですが、新聞業界に身をおく方々がどうするか、どうしたら今の状況を変えることができるのかについては、技術力とか構造上の問題などもありますが、やはり「人」の問題でしかないと再認識しました。
【追記】
切込隊長BLOG(24日付)で「補遺:新聞業界を含むメディア再編話についての補足」がエントリーされています。
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2009/12/post-a4e4.html
記事の質を高めて魅力のあるコンテンツ作りを、というのは自由ですが、新聞記事の質が高くなってどれだけの売上が伸びるんでしょう。記事の質を高めるのに、どれだけのコストがかかるのでしょう。質が良ければ売上が上がる、というのは、品質がすぐに名声や売上に跳ね返る個人か小企業でのメディアが考えていることに過ぎません。もちろん、品質を犠牲にしていいのか、という議論はありますが、じゃあ新聞の文化欄や科学欄、株式欄というのは品質が高かったのでしょうか。 問題は、業界を成り立たせるシステムのところにあります。そのシステムが構成している要素とは、平たく言えば政治力であり参入障壁です。それは利権だ、許されない、と批判するのは結構なものの、明日あさって自由参入の業界になったところでいまどき新聞業に参入するアホはどれだけいますか。
だから、産業としての利益を考えるのであれば、遅滞戦術をしながら局地戦を戦える組織を少しずつ作り上げ、兵站が維持できる期間内に戦線を押し返す努力をすること以外方法はないよという話です。(一部引用)