年末作業に追われているのか、毎日新聞と共同通信加盟社の包括提携の話は幕引きしたようです。業界紙もほぼ取り扱いを休止した感じです。
12月21日付けの朝日新聞夕刊に掲載されていた池上彰氏の「新聞ななめ読み」は、包括提携の報道の在り方(読売)を皮肉った内容でしたが、あまりインパクトはありませんでした。読売が毎日の共同加盟と包括提携(11月27日段階の発表)を一切報道しなかったのは、読売編集サイドの判断なのでどうこう言われる必要もないと思います。ただし、紙面に掲載されなくてもネット上ではこの問題が(関係者だけだと思いますが)幅広く議論されているので、読者が読売紙面の価値判断をするだけのことですから。
また、月刊FACTAでは、共同通信・石川社長の「11月26日合同記者会見の一部訂正と追加説明」(12月4日)会見や減俸にまで至った騒動について、最も激怒したのが北海道新聞社の菊池育夫社長(次期共同通信加盟社の理事会長)で、「オレは聞いていない」といまだに怒り心頭との記事を掲載しています。さらに、読売側が共同通信とライバル関係にある時事通信に接近しているとも。かなり虚飾して書かれているようにも思いますが…。
週刊誌もいろいろ詮索して書いているわけですが、ほかのメディアやこのような個人ブログなどで話題にすることによって、「聞いていない」と騒ぎ出した地方紙の経営陣はこの問題をどう思われるのでしょうか。
共同通信との関係もさることながら、これからの新聞産業の行く末や口先だけではない生活者を向いたジャーナリズムのあり方について…。無理かなぁ「一国一城の主」は昔の成功事例にばかりすがりついて、人の話は聞きませんからね。
今回の騒動で見えてきたのは、単に毎日が共同に再加盟をするという問題よりも、共同通信と加盟社との本質的な関係まであぶり出たように感じます。
▽毎日新聞の共同通信加盟で新聞業界は大騒ぎ(FACTA online)
http://facta.co.jp/article/201001012.html