年の瀬になると、新聞はもとより各メディアで今年の回顧録や来年の展望などの特集が組まれます。関心ごとは日本経済の行く末なのですが、参考になる経済誌系は新聞のように読み比べることが(経済的にも)なかなかできないので、今年も週刊ダイヤモンドに掲載されている識者の意見を参考にいろいろ考えたいと思います。
なぜ、週刊ダイヤモンドかというと、新聞社の経営問題を題材にした小説「ザ・メディア 新聞社買収」(著者:真山仁氏)が同誌に連載されているから。連載はすでに70回。正直こんなに長編になるとは思いませんでした。すでに週刊ダイヤモンドには5万円超つぎ込んだことになります。
真山氏には新聞労連の産業政策研究会のインタビューにも協力していただいたし、新聞業界の問題点を的確に書かれてあるので「単行本になるまで待てない」と思って愛読しています。
さて、その週刊ダイヤモンド「2010総予測」には、「旧メディアの運命」として、真山仁氏と上杉隆氏の対談が掲載されています。
リードには「2009年は新聞社が内包する危機が顕在化した1年だった。部数と広告収入が減少し、新聞社が販売店に架空の部数を押し付ける“押し紙”も批判された。激動のメディアの行く末を人気小説かとジャーナリストに聞いた」とあり、▽閉鎖的な記者クラブ▽経営と編集が分離していない▽混乱期の今がチャンス―という構成で、「新聞業界の問題点と展望」を4ページに渡って掲載されています。
「押し紙」のところは突っ込みが甘いなぁと感じつつ、行政刷新会議の事業仕分けで「記者クラブ」もその対象になっていたことをはじめて知りました。大規模な国際会議やJICA関連で記者への便宜供与が合計100億円以上もあって、それらを仕分けられたというもの。紙面ではいっさい取り上げられてないと思います。
この手の週刊誌特集に飽き飽きしている業界の方も、これまでのような「新聞没落」系の内容ではないのでぜひご一読を。
追記:ダイヤモンドオンラインに対談記事の全文がアップされています(1/19)。
http://diamond.jp/series/dw_special/10070/