
ニコニコ動画が未来を作る
著者 佐々木俊尚(アスキー新書)900円
ニコニコ動画のサービスが開始されてからちょうど3年(2006年12月12日スタート)。ニコ動の愛称で親しまれ、ユーザーが投稿した動画(たまにライブ中継もあり)にコメントが書き込めるこのサービス。「2ちゃんねるのような書き込みのテンプレートが動画に変わっただけで、なにが面白いのか」と首をひねる諸兄も多いと思いますが、1425万人が会員登録するウェブサービスに興味を持たないことのほうが首を傾げたくなるのですが…。
今だけ委員長はニコ動のヘビーユーザーではないけれど、たまにチェックしています。今年7月まで座長を務めていた新聞労連の産業政策研究会のメンバーが、ニコ動を運営するドワンゴ(ニワンゴ)の会長 川上量生さんへ取材(第二期報告書へインタビュー内容を掲載)させていただいたり、東証一部上場企業でありながら何かよくわからない会社だったり…。ニコ動のサービス自体は赤字が続いているのに、サービスを続けている理由などを知りたいと思い購入しました。考えてみれば佐々木さんの本はほとんど買ってるなぁ。
読み進めると、302ページ中、ニコ動の話が登場してくるのが第5章からの73ページ分だけで、最初から228ページまでは、株式会社ドワンゴの成り立ちと、川上会長とともにオンラインゲームやケータイ着メロサービスに携わった“廃人・奇人・天才”のサクセスストーリーで構成されています。
でも読み終えると、こういう人たちがドワンゴに集まり、ニコ動のようなサービスが出来上がった背景が理解できます。オモシロイ。
ニコ動がこれからどのような進化を遂げるのか。とても興味あるところです。技術屋集団を束ねる経営手腕についても学ぶところが多いのですが、オモシロイものをさらにおもしろくする自由な発想とスピード(技術開発)がドワンゴの強みなのですね。
▽「ニコニコ動画を日本のインフラにする」--夏野氏がニコニコ動画に参画した理由
http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000055954,20377210,00.htm
▽赤字ドワンゴの行方 夏野氏が語る「ニコ動」の黒字化計画
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20091119/210172/