またもや大手新聞社同士の印刷部門の業務提携(相互委託印刷)のニュースが飛び込んできました。
▽朝日、中日が新聞印刷で業務提携 2011年春から相互委託/47NEWS
▽朝日新聞と中日新聞が相互委託印刷で提携/朝日新聞
▽朝日、中日が新聞印刷で業務提携 2011年春から相互委託/中日新聞
※中日は自社ネタなのに共同配信の記事を掲載しています。
朝日新聞社と中日新聞社が、2011年春をめどに新聞を相互に印刷委託をする業務提携を合意したと発表。
相互のメリットはコストカット。印刷部門の大掛かりなリストラによって取材体制を守るという経営者の言い分は聞こえがよいのですが、印刷部門の労働者の雇用はどうなるのか心配です。確か東京新聞労働組合(中日新聞には中日新聞労組と東京新聞労組の2つの組合がある)の組合員の大半は印刷職場だったはず…。
元毎日新聞常務の河内孝さんは、「正常販売のための抑止力として、もうひとつの『核』を作って対抗するしかない」と、毎日、産経、中日の三社連携について著書「新聞社−失われたビジネスモデル−」のなかで指摘しましたが、先に印刷部門の提携を発表した読売と新潟日報の動きをみる限り、「納まるところ」という予見はないということでしょう。
全国紙の戦略は地理的な問題よりも、まだ体力がある地方(ブロック)紙と手を組むという感じがしますし、地方紙もオリンピック開催地の誘致合戦のように全国紙に対して受託印刷をトップセールスしているのかもしれません。
今月1日に発行された「新聞研究No699」(日本新聞協会)に、新潟日報の高橋道映社長が「新たな協調モデルへ」という論文を寄稿しています。「当社の販売史上、全国紙との戦いにおいて最も激しく敵対した相手が読売であった。販売戦線において最も激しく渡り合った手ごわい相手だからこそ、協調の意義がある。またそれだけに過当販売競争と決別への誓いも強い。委託、受託の関係はお互い『信頼』なくして成立しない」と新聞経営も過去の遺恨を引きずらず、新聞業界の環境変化へ対応していくべきだと述べています。