きのう、慕っていた先輩の告別式に参列してきました。
その先輩は福島民友新聞社に勤めていた方で、私より10歳上の新聞人です。突然の訃報でまだ気持ちの整理もついていませんが、「新聞を愛したひと」との議論を思い返しています。
彼との付き合いは、15年ほど前の労働組合の会議でした。労働組合の議論でも地方連合クラス会合となると、勝手知ったベテラン役員が議論をリードし、最後は「なぁなぁ」で話が収まる場面の少なくありません。しかし、その先輩は常に理路整然として結論を出すのが厄介な問題を提起して、けして妥協を許しませんでした。相手(組織)を敬いつつも「同じ議論を繰り返さないために…」と中途半端な返答には納得しない気骨のある方でした。特に新聞研究・ジャーナリズムの話になると、酒も飲まずに深夜まで議論している場面が印象に残っています。
記者職を経て、2年前から事業局で出版の仕事をされていたとのことです。似顔絵書きがとても上手で、紙面に登場する著名人の挿し絵も担当していたとか。
喪主の奥さまが最後の御礼を述べた時に、「主人は本多勝一さんに憧れて、新聞人への道を選んだ」と語っていました。そういう志を持って新聞社の門をたたく人が、今どれだけいるのでしょう。
また一人、新聞を愛した新聞人がこの世を去ったことが残念でなりません。
合掌