新聞業界は先週末からいろいろな動きを見せています。
08年3月期決算では各新聞社とも減収減益となり、厳しい経営状況であることは間違いありませんが、まだまだ全国紙をはじめ各新聞社にはパワーがあるようです。しかし、その反転攻勢の取り組みがウェブ部門でしかないというのも時代の流れなのでしょうか…。
斜陽化する新聞産業ですが、新たなビジネスチャネルを求めて果敢に挑む勢力と、「集中と選択」を合言葉に経費削減に奔走する陣営は、イソップの「ウサギとカメ」のようです。ただし、各新聞社とも“途中で寝ることなど許されない”状況にありますから、見えないゴールに向かって走り続けられる企業体力こそが、その勝敗(なにを持って勝ち負けかの定義も曖昧ですが)を大きく左右するのかもしれません。
◇産経新聞「ウェブ面」新設 生き残りかけネットに活路
http://www.j-cast.com/2009/07/30046368.html
株式会社フジ・メディア・ホールディングス入りを目指し、「押し紙」の整理をはじめている(早期退職制度で人員のスリム化にも着手)産経新聞が、毎週木曜日の紙面に「Web版」を新設しました。7月30日の紙面は、ラテ面に「ニコニコ動画」の番組表を掲載するなど、かなりインパクトがありました。
肝心のWeb面はいまひとつか、という感じですが、一般的な(と思われる)幅の広い新聞購読者層向けの記事としては「わかりやすい」のは確かです。Web面の新設で、これで新聞を読まないネット世代が産経新聞を購読するとは思えませんが…。感心したのはウェブファーストを掲げる産経と振興ウェブ企業とのつながりです。ご祝儀広告とはいえ、あまり紙面広告を出さないウェブ企業(ミクシィ・マイクロソフト・サイバーエージェント・ドワンゴ)から全5段の広告を取ってくるあたりは、さすが新聞業界の切込隊長(勝手に言ってますが)です。
◇朝日新聞社、ユーザー参加型のケータイ向け情報サイト「参考ピープル」β版
http://www.asahi.com/digital/bcnnews/BCN200907310011.html
7月1日、米CBSのウェブ事業部門であるCBS インタラクティブと、同社日本法人のシーネットネットワークスジャパンが運営するITビジネスの専門サイト「CNET Japan」「ZDNet Japan」の事業を9月から引き継ぐと発表した朝日新聞が、ケータイ向けのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で、Twitter(ツイッター)のようにテーマに対して150文字程度の文章を投稿する「ミニブログ」と、気になるサイトをほかの利用者と共有できる「ソーシャルブックマーク」が主な仕様とのことです。勝手サイト同様に広告モデルを収入の柱とし、3年後の利用者を100万人と想定、その場合の売り上げは2億円と試算しているようです。ビジネスになるのかなぁとも感じますが。後発部隊ならではの「イイとこ取り」が果たしてどんな展開を見せるのでしょうか。
◇「秋田の活性化の一助に」 弊社、地域SNSをオープン
http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20090803j
佐賀新聞(ひびの)、河北新報(ふらっと)、新潟日報(アメカゴ)、紀伊民報(みかん)、そして朝日(参考ピープル)に続き、秋田魁新報社によるSNS「commit(こみっと)」が本日(8/3)スタートしました。同社の友人から「今度こんなことやるよ」とうかがっていたのですが、昨年の夕刊休刊から10カ月で新聞販売全国フォーラムやら何やらで、忙しかったこと思いますがやっとできましたね○○さん。さっそく、今だけ委員長も登録しました。
◇ブラウザから読める電子新聞販売サイト 地方紙など8紙でスタート
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0908/04/news014.html
新聞社向けの画像配信システムを手掛けるウェイズジャパン(東京都新宿区)が3日、電子新聞販売サイト「新聞オンライン.COM」をオープンしました。地方紙や業界紙など8紙からのスタート。
「立ち読み」もできるので、1面トップをチョイスするのにも役立ちます。会員登録をして、読みたい紙面の購入はカード決済(100円から)なので手軽で簡単。ですが小生はやっぱり「紙」の方がいいなぁ…。
今だけ委員長的には、やっぱり「紙」を武器にした攻めを考えたいものです。販売労働者の皆さん、がんばりましょう!