2006年01月27日

もう知らぬふりできない 新聞のブラックボックス

新聞があぶない.JPG
新聞があぶない
著者 黒藪 哲哉(花伝社)1,785円

 以前、所属する労働組合の講演会にも参加していただいた著者が、新聞業界内のブラックボックスとして存在する「押し紙」問題など実態とその“からくり”について書き記された「今月20日に出版されたばかり」の新刊だ。

 新聞社の経営構造やABC部数の問題、さらに新聞社と販売店の契約内容(片務契約)などルポルタージュらしく徹底した現場取材にもとづいた数字的な根拠が伺える。また、日本新聞販売協会の政府工作にもメスを入れ、日販協内にある政治連盟の動きなども報告されている。
 このような問題は長きに渡り新聞業界内に蔓延る問題だが、この問題については、ほとんどの新聞人が目をそらすのだ。自らの問題を追求そして改善できずに「何がジャーナリズムだ」という感情がこみ上げてくる。真のジャーナリストは組織内(新聞社)には居られないのだろうか…。

 著者は私論はこうだ。最近の新聞が右傾化している原因は、新聞経営者の「自らの新聞社経営の失策」が大きく影響しているからだ―と。

 読者がいない新聞=「押し紙」が、日刊紙の総発行部数の3割に達し、読売新聞と同じ1千万部となったのだ。
 新聞人はもう知らぬふりできない
posted by 今だけ委員長 at 23:29 | Comment(7) | TrackBack(0) | 書籍紹介
この記事へのコメント
新刊を早速手にとってみます。情報、ありがとうございます。
Posted by newspaper at 2006年01月30日 04:02
同類の書籍は結構ありますが、最新の販売店事情や新聞社の経営構造の移り変わりを感じます。ぜひご一読を!
Posted by 今だけ委員長 at 2006年01月30日 10:19
 私も買ってみます。
Posted by わかばやしく at 2006年01月31日 02:16
読破しました!大阪のS紙の事例は、驚きでした。特殊指定と再販についても触れていましたが、日常茶飯事のように拡張員が乱売している事実がありますので、あまり影響がないかなと思いました。委員長さんはどうお考えですか??しかし・・・普通に読んだら恐ろしいですよね。業界変革を熱望している私としましては、大変よい著書でした。ピンチは大チャンスと捉えて努めます。ありがとうございました。
Posted by newspaper at 2006年01月31日 04:10
はじめまして。WAKE UP!という新聞奨学生についてのサイトをやっているvultureと申します。最近は、奨学生制度の問題点について少し書き始めています。まだ、まねごと程度ですが。

この本、とても興味があります。
奨学生の問題についても言及しておりますでしょうか?お教えいただければうれしいです。
Posted by vulture at 2006年02月04日 16:29
追伸です。リンクをお願いしてもよろしいでしょうか。
私のサイトは↓こちらです。
「WAKE UP! 〜新聞奨学生のコミュニティサイト〜」
http://www.wakeup-vulture.com/main
Posted by vulture at 2006年02月04日 17:03
vultureさま
この本にはあまり新聞奨学生の問題について触れていませんが、なぜ新聞奨学生を含めた販売店労働者の労働条件が向上しないのか?―というからくりが理解できると思います。
ぜひご一読を!
Posted by 今だけ委員長 at 2006年02月04日 17:26
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