新聞があぶない
著者 黒藪 哲哉(花伝社)1,785円
以前、所属する労働組合の講演会にも参加していただいた著者が、新聞業界内のブラックボックスとして存在する「押し紙」問題など実態とその“からくり”について書き記された「今月20日に出版されたばかり」の新刊だ。
新聞社の経営構造やABC部数の問題、さらに新聞社と販売店の契約内容(片務契約)などルポルタージュらしく徹底した現場取材にもとづいた数字的な根拠が伺える。また、日本新聞販売協会の政府工作にもメスを入れ、日販協内にある政治連盟の動きなども報告されている。
このような問題は長きに渡り新聞業界内に蔓延る問題だが、この問題については、ほとんどの新聞人が目をそらすのだ。自らの問題を追求そして改善できずに「何がジャーナリズムだ」という感情がこみ上げてくる。真のジャーナリストは組織内(新聞社)には居られないのだろうか…。
著者は私論はこうだ。最近の新聞が右傾化している原因は、新聞経営者の「自らの新聞社経営の失策」が大きく影響しているからだ―と。
読者がいない新聞=「押し紙」が、日刊紙の総発行部数の3割に達し、読売新聞と同じ1千万部となったのだ。
新聞人はもう知らぬふりできない。
この本、とても興味があります。
奨学生の問題についても言及しておりますでしょうか?お教えいただければうれしいです。
私のサイトは↓こちらです。
「WAKE UP! 〜新聞奨学生のコミュニティサイト〜」
http://www.wakeup-vulture.com/main
この本にはあまり新聞奨学生の問題について触れていませんが、なぜ新聞奨学生を含めた販売店労働者の労働条件が向上しないのか?―というからくりが理解できると思います。
ぜひご一読を!