2009年07月28日

アメリカの新聞ビジネス崩壊劇が3年後、日本にやってくる?

2011年 新聞・テレビ消滅.jpg
2011年 新聞・テレビ消滅
著者 佐々木俊尚(文藝新書)750円

 インターネット社会の到来、メディアイノベーションがもたらす影響について、これまで既存のマスメディアへ警笛を鳴らしてきた佐々木氏。彼の著書はほとんど読んだが、先週発刊された本書には(彼が毎日新聞出身であるかもしれないが)これまでのような応援歌的な表記はみじんもない。

 「新聞の敗戦」とする第2章は全237頁のうち90頁を割いて、「(新聞は)マスメディアとして自力でビジネスを収益化させて生き延びていくことは、もう不可能なのだ」と断言する。


 業界人は「またいつもの新聞没落系か…」と侮ってはいけない。
 ネット万能論を前面に出す構成ではなく、ミドルメディア(特定の企業や業界、特定の分野、特定の趣味の人たちなど、数千人から数十万人規模の特定層に向けて発信される情報)がマスメディアを凌駕し、メディア広告の変化についても(業界人はすでに知っている話ばかりだが)もれなく記してある。

   コンテンツ=新聞記事
   コンテナ=新聞紙面
   コンベア=販売店
        が
   コンテンツ=新聞記事
   コンテナ=ヤフーニュース
   コンベア=インターネット
となる比率が間違いなく高まると佐々木氏は言い切る。

 マスメディアの業界人のマーケティング力のなさにうんざりしているのだろうか、1970年代生まれのロスジェネ世代(就職氷河期と言われた)の声に耳を傾けることなく、新聞社内でも読者とともに高齢化する新聞人の立場(人数も多く)が強く、ロスジェネ世代とのギャップが若者の新聞離れを引き起こしている大きな要因であると説く。
 そのほか、リクルートが展開する「R-25」や「タウンマーケット」のマーケティングについても独自の視点から評論している。時代の変化に合わせて評論、執筆をして飯を食うのは大変だと思うが・・・

 タイトルが「2011年 新聞…」なので、地デジへの切り替えによってメディアの再編が起きるという骨子なのかと思いきや、「アメリカでいま起きている新聞社の倒産劇は間違いなく3年後の日本でも起こる」、だから2011年なのだそうだ。
 この辺の理論については、日米での新聞ビジネスモデルの違いが大きいのでうなずけないが、何もしなければ2011年を待たずして消滅する新聞社がでてくるかもしれない。

  「一回、つぶれた方が良いんじゃないの?」。佐々木氏が予見する2011年に新聞を消滅させないために、新聞人はどう反転攻勢をかけるのか。
 聞く耳を持たない人間、自分が一番賢いと思っている人間が、新聞業界には多すぎる。売る努力もせず、マーケティングも勉強せずに、「素晴らしい商品を作っているのだから売れないわけがない」と販売店労働者に罵声を浴びせる新聞経営者は少なくない。このような光景を目の当たりにすると「もうダメか…」と思うが、まぁもう少しあきらめずにがんばってみよう。会社のポチになるくらいだったら、もうひと踏ん張り抗えるはずだ。



posted by 今だけ委員長 at 23:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介
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