2006年01月25日

ライブドアはリクルートのように復活できるか

リクルートという奇跡.jpg
リクルートという奇跡
著者 藤原 和博(文春文庫)514円

 ライブドアへの強制捜査、ホリエモンの逮捕社長辞任… 
ライブドアの株価操作、粉飾決算など一連の事件に関する報道は少々加熱しすぎだと感じる。以前、辺見庸さんの講演を聴いたときに「マスコミは事実よりも真実を伝える役割がある」という言葉が印象的だったことを思い出す。事件の真実は「人の心は金で買える」というマネーゲーム?でのし上がった若手IT企業家ホリエモンに対する「手法」だけが事件の真実なのだろうか…。

 というわけで、以前にも経営陣の不始末で企業が大打撃を喰らった事件があった。国会議員をも巻き込んだリクルート事件。著者は25年間リクルートの社員として、会社の盛衰を見てきた。幾度かの危機を乗り越えながら再生したリクルートは、リクルート事件、リクルートコスモスの大赤字、ダイエーによる吸収などを乗り越えてきた。そのような試練にもめげずに自力再生できたのは、リクルートマンシップという従業員のエネルギーだといっても過言ではない。それもリクルートはアルバイトが企業を動かしているというのだから普通の縦割り組織に甘んじている体質は持ち合わせていないのだ。常にフレッシュな職場環境が仕事のペースを高め、そして速めているのだという。最強の営業力にはうなづける。

 リクルート社も常に最先端のビジネスシーンに登場してくるが、やはり働く従業員のモチベーションが企業活動を支えているから成り立っているのだ。ワンマン経営者の力だけでは、一時大きく成長するかも知れないが、長くは続かないのである。
 ライブドアの従業員も会社の危機によって、不安定な生活を余儀なくされるかも知れない。しかし、リクルートの従業員ようなモチベーションがあれば危機は乗り越えられる。ライブドアの再生を期待したい。
posted by 今だけ委員長 at 00:00 | Comment(2) | TrackBack(1) | 書籍紹介
この記事へのコメント
企業は未来永劫に続けていくことが目的ですよね。職場環境は本当に肝要です。また、ワンマン経営は一代で終わりますよね。
Posted by newspaper at 2006年01月26日 19:25
リクルート事件で逮捕された江副氏は、有罪判決(執行猶予付)を受けた後、今では音楽家を育成する事業に取り組むなど結構活躍していますね。ホリエモンはまだ若いし、やり直しは聞くと思います。頭も良いし…。でもワンマン経営=裸の王様になってしまっては、コンプライアンス的なチェック機能が備わらない組織になるということを考えて欲しいですね。
Posted by 今だけ委員長 at 2006年01月27日 11:07
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