2009年06月04日

週刊新潮つぶしが始まった

 新潮社と全国三紙との間で、みっともない争いが勃発しそうです。

 きょう発売された週刊新潮の「『新聞業界』の最大のタブー『押し紙』を斬る!」という記事と広告の記述に対して、朝日、毎日、読売の三社が、週刊新潮編集部に抗議文を送ったとする記事がそれぞれの第二社会面に掲載されています。
 朝日は記事内容そのものを、毎日と読売は広告の表記について新潮社側へ抗議し、謝罪を求めるとしています。
 特に朝日新聞は、阪神支局襲撃事件の実行犯を名乗る男の“虚偽の”手記を掲載した新潮社への逆襲のようなものを感じます。
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 以下は、きょう付の紙面から抜粋。
▽週刊新潮に本社抗議 「部数水増し」記事巡り/朝日新聞(第二社会面)
 朝日新聞社は3日、週刊新潮6月11日号の掲載記事とその広告について、「朝日新聞社の信用を著しく棄損した」として、謝罪と訂正を求める抗議文を同誌編集部へ送った。
 記事は「ひた隠しにされた『部数水増し』衝撃の調査データ」の見出しで、朝日新聞の「本当の配達部数」が、日本ABC協会が調べた部数に比べて大幅に少ないとしている。本社は抗議文で、記事が取り上げた滋賀県内での調査データは「事実と異なり、全く信用できない」とし、広告の見出しについては「全発行部数の34%が捨てられたと誤解される記述で、断じて看過できない」と指摘している。
http://www.asahi.com/national/update/0604/TKY200906040003.html
▽週刊新潮広告に抗議 毎日新聞など3社「事実無根」/毎日新聞(第二社会面)
 毎日新聞社は3日、「週刊新潮」6月11日号の新聞広告に事実無根の記述があるとして、同誌に対し文書で厳重抗議した。損害賠償請求を含む法的措置を検討することも通知した。朝日新聞社と読売新聞社も3日、同様の内容で抗議する文書を送った。
 問題の広告は、4日付新聞各紙(九州、北海道などを除く)向けのもので、毎日新聞のほか朝日、読売新聞の一部が「配られずに棄てられていた」などの記述がある。
 同誌によると、記述は滋賀県内の読売新聞元販売店主の調査に基づいている。抗議文では、記述が明らかに誤った内容であることを指摘したうえで「客観性に欠ける調査を根拠にしており、信ぴょう性がなく、毎日新聞の名誉を著しく棄損する」としている。
 週刊新潮は、今年2月5日から4回にわたり、朝日新聞阪神支局襲撃事件などの「実行犯」を名乗る男性の手記を連載。後に誤報を認めたうえで、5月になって、佐藤隆信社長ら役員9人を減俸処分にした。
▽週刊新潮の広告 本社が抗議文/読売新聞(第二社会面)
 読売新聞社は3日、週刊新潮6月11日号の広告(4日付本紙掲載)の見出しについて、抗議文を同誌編集長あてに送った。
 問題の広告は、「衝撃の調査データ 読売18%、朝日34%、毎日57%が配られずに棄てられていた」などとする見出し。抗議文は「広告は、読売新聞の発行部数の18%が配達されずに棄てられていたとの印象を一般の読者に与えるが、事実と異なっており、看過できない」としている。朝日新聞社、毎日新聞社も3日、それぞれ抗議文を同誌に送った。

 この連載を執筆しているのは、新聞販売黒書を運営しているフリージャーナリスト黒藪哲哉氏。現在、読売新聞社から2件の裁判(著作物の侵害)を起こされており、同氏の動きに業界中がかなり敏感になっていることがうかがえます。
 本文はこれまでの「押し紙」問題のおさらいといった構成で、特筆されるものは見当たりません。短期集中連載の1回目ということなので、次号以降どのような展開で業界のタブーをえぐりだしていくのか、注目したいところです。


 申し合わせたように、週刊新潮の記事・広告は「事実無根」であるとの共同声明(抗議文)を出した大手三社。販売店からの「押し紙」訴訟が相次いでいる最中、新聞社の反撃というか、くさびを打ち込む動きとも取れます。しかし、「何をいまさら」と感じているのは私だけではないはず。
 新聞人の良心とは…。もう“ほおかぶり”をするのはやめませんか。

【追記】
 記事には滋賀県にあるポスティング業者(元新聞販売店店主が経営)が人件費1700万円をかけて県内の「押し紙」調査結果をもとに、各社の「押し紙」率が紹介されています。
 この数字の信ぴょう性については、具体的な数字を見ていないので何とも言えませんが、(ポスティング会社が)1700万円もかけて調査に乗り出す背景には、新聞社の虚偽部数に切り込んで販売店から折込チラシを奪うことを目的に調査したのでしょう。
 正義をかざしながら、どちらも「利益を得るため」の策士であるということを理解をしておいた方がよいと思います。 

【追記】桜チャンネルに黒藪氏が登場しています。

posted by 今だけ委員長 at 20:23 | Comment(4) | TrackBack(0) | 新聞販売問題
この記事へのコメント
私もこの記事を見たときに呆れたと言うか・・・
情けなくなりました。

多くは語りませんが・・・
Posted by TOARU at 2009年06月05日 05:51
 新聞界積年の病理〔と思われる部分〕に新潮があらためて挑戦してきたわけです。「事実無根」の抗議では
まったく説得力がありませんよ。
 新聞は民主党の小沢氏に何と言いましたか。疑いがもたれた以上、客観性のある説明を行うべきだと言いませんでしたか。
 多かれ少なかれ「押し紙」があることは国民の共通認識なのですから、ちゃんと説明すべきです。
 ところで、週刊新潮の広告に対して、各紙はどの程度の部数を広告料算定の基準として説明しているのでしょうか。
Posted by ssfukusho at 2009年06月06日 18:13
《761 :名無しさん@十周年:2009/06/07(日) 19:03:22 ID:64KqKdUIP
大量の押し紙を出している新聞社が、エコを叫ぶ。
実売数をごまかし詐欺まがいの事をしてる新聞社が、
社会正義を叫ぶ。

こいつら、恥ってものを知らないのかね。 》

このままでは、新聞業界がこんな風に見られて、
一番大事な、信頼が失われてしまうような気がします。

ところで、危機感を受け止めるある地方紙で押し紙の排除に舵を切ったと耳にしました。

今後の、ABCレポートに注目したいと思います。

裁判による恥さらしや公取からの指導が入る前に、自浄作用が残っていればと願うのですが。


Posted by YAMATO at 2009年06月07日 19:52
まじめにコツコツやっている専業従業員や新聞配達スタッフなど、この荒波に押し流されなければいいのですが?壊滅的な状況になったとき、切り捨てられるのは、末端の弱者たち。ポスティング業者や宅配業者の皆さんにお願いしたい、「クオリティの高い配達するスタッフが新聞業界にはたくさんいます」と。
Posted by おくりびと at 2009年06月08日 09:42
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