
最後の2年
著者 浅井 隆(第二海援隊)1,400円
日本の財政はすでに破綻している。著者は叫ぶ「日本の借金構造は100年経っても返せない」と。
2005年に発行されたこの本の題名「最後の2年」の意味は、2007年から国家破産時代が到来する前に財産を海外(外貨)へ移しておくことを指南している。そして、その裏づけが理論的にしるされているのだ。
このような現状をなぜマスコミ(特に新聞は)が報じないのか?大きな疑問だが、戻るあてのない国債の全面広告を掲載する新聞社が「国債は危険である」とは言えないのだろう。その状況を知らないお年寄りなどは「国が発行しているものだから」と言われるがままに国債を買わされている。酷いものだ。
先日の新聞各紙に「個人向け国債販売が7兆円超す(2005年度は過去最高)」という見出しで、昨年度の個人向け国債の販売額が過去最高であったことが報じられている。前年度より6.6%増え、7兆円を超えたそうだ。そして、著者の指摘と相反する内容が紙面に掲載されており「(国債販売が過去最高になった背景は)相対的に利回りが高い安全な資産として人気が高まっているためで、満期を迎えた郵便局の定額貯金資金なども流入しているもようだ。国債の残高に占める個人の保有割合は05年度末には4%を超える見通しで、10%程度が主流の欧米に近づきつつある」と大手紙のみならず、通信社を経由して地方紙も大々的に報じているのだ。果たしてマスコミ(新聞)と著者の主張とどちらが正しいのか?
すでにトヨタやキャノンは本社を外国に移す計画を立てており、個人資産も海外へと流れている様を報告している。さらにインフレ時代への突入により「徳政令」(いわゆる預金封鎖)が起きる可能性を示唆している。著者は早くとも2010年から2012年(IMFが乗り込んできた場合は2015年から2020年だという)の間にハイパーインフレが引き起こり、大混乱を招くと述べている。
米国の状況についても詳細に報告されており、日本との関係(どちらかが破綻すると連鎖する)についても記されている。
このような借金大国に至った責任は誰が取り、そのツケは誰が払うのだろうか…