「読売新聞社は、司法制度を利用した言論弾圧を真摯に反省し、報道機関・言論機関としてあるべき行動をとれ」 3月30日に新聞販売店弁護団が全国の報道機関へ出した声明の見出しです。
新聞販売黒書を運営しているフリージャーナリスト黒藪哲哉氏と読売新聞西部本社法務室長の江崎徹志氏との間で争われていた裁判(原告、江崎氏の催告書をHPに掲載した被告、黒藪氏への著作権侵害と掲載差し止めを求めた裁判)の判決が出されました。
提訴の段階で、よく裁判所が受け付けたものだと思っていましたが、当然のことながら、原告の江崎氏の請求は棄却されました。
弁護団の声明には、以下のようなことが書かれてあります。
本件判決により、読売新聞社は、およそ著作物とは言えない書面をもって、しかも他人が作成した書面を自社法務室長が作成したとまで偽って、被告の言論活動を封殺しようとしていたことが明らかとなりました。
我々弁護団としては、読売新聞社が、かかる暴挙を反省するとともに、報道機関、言論機関であることを深く自覚し、このような言いがかり的な訴訟に頼ることなく、言論には言論で対抗するという報道機関の本分に立ち返るよう切望するものです。
蟻が象を倒そうなどとは誰も思っていません。ですが、なぜ象のまわりに蟻が命を掛けて抗うのか。社会のルールに則って、当たり前のことをしていれば蟻がよることもないはずです。
紙面で報じられる食の安全を脅かした数々の偽装問題も、自分さえよければという儲け主義に経営者が走ったからです。儲けることは悪いことではないけれど、偽装行為は許されるものではないと紙面には書いてあるはず…。
今回の裁判で明らかになったことは、偽装部数問題を社会に向かって発信している黒藪氏の言論活動を抑え込もうと、象が蟻を訴えたものです。日本を代表し、世界一発行部数を誇る読売新聞社は何を見誤ったのでしょうか。私も同社に多くの仲間がいるし、素晴らしい記者の方も多いことを知っています。それなのに・・・。今回、読売新聞社が取った行動を彼らはどのように見ているのでしょうか。企業人である前にジャーナリストを自負するなら人間であってもらいたい、そう思うのです。
今回の裁判所判決を報じた新聞社はありません。赤旗とネットメディアのみです。新聞社という報道機関に携わり、生活をしている皆さんに問いたい。このまま知らないふりをするのですかと。
▽販売店弁護団による「判決のご報告」
http://www.syuppan.net/uploads/smartsection/68_hokoku0903.pdf
▽出版労連の談話
http://www.syuppan.net/modules/news/article.php?storyid=67
▽「押し紙裁判」フリー記者が読売に勝訴/JanJan
http://www.news.janjan.jp/media/0903/0903300549/1.php
▽ジャーナリスト黒薮さん、「押し紙」著作権裁判に勝訴/Jcastニュース
http://www.j-cast.com/2009/04/02038733.html
前にもコメントさせてもらいましたが、押し紙
の問題はもう本当にどうにもならないのですよ。
経営者も頭の中では自分たちがやっている事は、
詐欺行為そのものであるという自覚はあると思います。
だからこそ隠すのでしょうから。
しかし、二割とも言われる押し紙、一千万部の
読売だと二百万部、八百万部の朝日なら百六十万部
これだけの偽装を今更どう調整できるのでしょう?
読者は増える見込みもない、かといって
押し紙を認めれば必ず訴訟問題に発展しますよ。
進むも地獄、退くも地獄で、新聞業界が終わって
いると言われる一番の理由はこれでしょう。
「嘘は必ずばれる。」
経営者には声を大にして言いたいですね。
「そうですか…」として言えません。
>進むも地獄、退くも地獄で、新聞業界が終わって
>いると言われる一番の理由はこれでしょう。
「座して死を待つ」しかないとのご指摘。どうせ終わるなら、進しか選択肢はないと思うのですが、どうでしょう。