2008年12月24日

リクルート チラシ広告を狙う

 リクルートが展開する電子チラシ事業「TownMarket」(タウンマーケット:昨年11月21日サービス開始)がウェブ上だけではなく地上戦にも乗り出してきました。
http://townmarket.jp/MP/touroku/lp01.html
 会員登録(無料)すると、毎週金曜日に発行するテレビ情報紙「Town Market TV」(1週間分のテレビ番組表やエンタメ情報で構成。タブ版)と一緒に地域のチラシも折り込まれてくるというもの。来年1月16日からのサービス開始で、当面は横浜市と川崎市(チラシの流通が多い地区)の住民を対象にするそうです。
注:リクルートとテレ朝の資本・業務提携も「Town Market TV」の制作に影響しているのかもしれませんね。

 チラシ広告は“新聞に折り込まれてこそ家庭の食卓まで届く”と言われてきました。特にマンションでは単体でのポスティングだと各部屋まで到達することは難しく、集合ポスト付近に設置してあるゴミ箱へ放り込まれるケースが多いもの。しかし、新聞折込は一定の規制(有害情報の排除)が掛けられ、毎日宅配されるからこそ、その需要を拡大してきました。さらにスポンサー側も製作費も安価で、かつ地域指定(セグメント)ができる新聞販売店の宅配機能への魅力も折込チラシ市場拡大の大きな要因でした。
 しかし、若年層の(新聞は読んでいるけれども)定期購読率が減少し、「届けたいターゲットに訴求しきれているのか?」という問題を商売に結び付けたい。チラシ広告費をさらに伸ばしたい代理店や印刷業者とともに、リクルートが『無料宅配サービス』を展開するということのようです。

 電子チラシでは利益が出ないと悟ったリクルートが地上戦に乗り出してきたわけですが、毎週1回の宅配(フリーペーパーの発行)で“チラシの鮮度”が伝え切れるかは疑問です。さらに顧客の管理や単体の事業として成り立つのかどうかも注視したいと思います。宅配はヤマトのメール便で行われるようですが、フリーペーパーの広告収入とチラシの折り込み料金で、宅配料(@80円)は賄えたとしても、利益が出るのかどうか…
 新聞は定期購読料という基盤があるから、例えば1枚しか入らない日があっても毎日届けられますが、広告チラシ単体のインフラを作るとなると大変じゃないかと思います。
 この事業は新聞販売店と組む方が効果的だと思うのですが、どうでしょう。夕刊配達のラインに乗せれば宅配料も安く済む、顧客管理はエリアごとに世帯管理されている販売店データを活用できる。あとは媒体社同士(新聞社vsリクルート)の綱引きの問題(それが一番のネック)ですかね。どうでしょうリクルートさん。



 北海道の北見市に本社を構える
株式会社伝書鳩は、フリーペーパー(経済の伝書鳩)を無料で宅配し、折込チラシを取り込むというビジネスモデルを先駆けて成功させた企業です。一度見学に伺ったことがありますが、新聞社(特に道新)とは敵仇。「新聞社が折込チラシ丁合機メーカーに手をまわして、売ってもらえない時期もありました」という担当者の言葉が印象に残っています。経済の伝書鳩は毎日発行で紙面の内容もラテ版はもちろんのこと、お悔やみ広告など地元に密着したメディアとしてその信頼性は強固なものです。
 発行部数8万5千部は決して大部数ではないけれど、世帯数の81.5%を(宅配で)カバーする力は相当なもの。身の丈に合った地域メディアのお手本のようなモデルだと思います。

 多くの新聞社でもフリーペーパーを毎週発行し、未購読者宅へポスティングする事業を手掛けるところも増えています。広告チラシを取り込むべく同様のサービスを模索する動きもありますが、目立った成果は報告されていません。各新聞社系列の折込会社の営業力だけに起因する問題ではなく、パイを奪い合う業界内のカニバリゼーションが大きく影響しているように思います。

 新聞販売店の宅配網を生かしたビジネスモデルはまだまだあるはずです。

posted by 今だけ委員長 at 06:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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