アメリカで「World's Greatest Newspaper」を自称するメディア企業トリビューン(1847年シカゴ・トリビューン創刊)が約130億ドルの債務の返済の見通しが立たず、破産申請をしました。同社は全米4位の発行部数を誇るロサンゼルス・タイムズなど新聞12紙と23の放送局を持つ大メディア企業で、大リーグのシカゴ・カブスも所有しています。
メディアの買収が近年頻繁に行われている欧米の新聞業界ですが、経営破綻とは衝撃的なニュースです。広告収入の落ち込みに加え、昨年同社を買収した不動産王ザム・ゼル氏の経営手腕を問題視する意見もあるようですが、金融危機や景気後退といった経済状況が破産申請の決定的要因のようです。
欧米の新聞業界は、日本とは産業構造が違うので「日本の新聞社も…」とは一概には言えませんが、先に朝日新聞社や産経新聞社が発表した今年の中間決算を見ると、販売、広告ともに赤字転落。特に広告収入の落ち込みは相当なものです。
だから読者を向いた販売政策が必要なのですが、販売収入への依存度が高くなってくると、またぞろ販売過当競争が強化されていくのでしょう。
まったく進化しない業界にうんざりですが…
金融危機、広告激減が直撃 米トリビューン紙破綻米新聞大手トリビューン(本社・シカゴ)が8日、経営破綻(はたん)に追い込まれた。米新聞業界では他の大手も広告収入減少などで業績が低迷。インターネット媒体など新たなメディアとの競争に加え、金融危機をきっかけとした景気悪化が苦境を深めている。
トリビューンは年間の最終損益こそ黒字を続けているが、直近の2四半期は純損失が続く。その最大の要因は、新聞事業の広告収入の減少だ。08年7〜9月期決算で、新聞の購読料収入は前年同期比2%減にとどまっているが、広告収入は同19%減まで落ち込んだ。広告収入は同社の新聞事業の売上高の7割超を占める主要な収入源だけに、大幅減は痛手だ。 (アサヒ・コムより引用)
【欧米の新聞業界を巡る主な出来事】(朝日新聞資料)
04年6月 米紙ロサンゼルス・タイムズが160人の削減計画
06年7月 米大手新聞シカゴ・トリビューンが120人の削減計画
07年4月 米新聞大手トリビューンを投資家サム・ゼル氏が82億ドルで買収することが決定。傘下2新聞社で計250人の削減計画を公表
5月 英ロイター通信が金融情報大手トムソン(カナダ)と合併
12月 米経済紙ウォールストリート・ジャーナルを発行する新聞大手ダウ・ジョーンズを、豪州出身のルパート・マードック氏率いるニューズ・コーポレーションが56億ドルで買収
08年4月 仏紙ルモンドで130人の削減計画。労組のストで休刊
6月 米新聞大手マクラッチーが1400人の削減を発表
9月 マクラッチーが1150人の削減を発表
12月 トリビューンが破産申請
こんにちは。トリビューン紙の破たん、何も金融危機がなくても、十分予想できたことだと思います。日本の新聞も相変わらず、体質が古くどうしようもないようですね。こんなことばかりしていれば、先細りになるばかりだと思います。新聞社もこれから、本気でイノベーションをしていかなければ、生き残れないと思います。私のブログでは、これからインターネットに対応できる新聞のイノベーションなど掲載してみました。詳細は是非私ブログをご覧になってください!!