週刊ダイヤモンド(2008年12月6日号)
株式会社ダイヤモンド社(690円)
真山仁氏の「ザ・メディア」の連載が続いている週刊ダイヤモンド最新特大号で、新聞・テレビ複合不況という特集を組んでいます。
週刊ダイヤモンドは昨年9月22日号で「新聞没落」の特集を組み、バカ売れしたと聞きます。おそらく新聞業界の関係者が買いあさったのでしょう。今年に入ってからも東洋経済(4月12日号)、小学館のSAPIO(11月12日号)で、新聞やジャーナリズムの崩壊というシナリオで特集を組んでますが、売れたのかなぁ…
今回のダイヤモンドには新聞社とテレビ局が業務提携もしくはグループ合併によるメディアコングロマリットという切り口で、広告不振にあえぐマスメディアが生き残りのためにさまざまなメディアとの統合を進めているとしていますが、その真相はわかりません。どこまで裏を取って記事にしているのかわかりませんが、銀行でも(新聞社と銀行は違うと怒られそうですが)儲かっている時は別会社(部門)を増やし、経営が厳しくなると合併、統合を続けるもの。新聞も題字は変わらずとも、株主として別会社からの出向を迎えている会社もあるものです。銀行が経営に入り込んでくるよりはそのほうがマシだということでしょう。
押し紙問題についても取り上げています。産経新聞が押し紙を切るという政策に転じたというもので、経営状況はひっ迫しているために押し紙を逆に切らざるを得ないという解説。もしそれが本当だとしても他の新聞社に波及する可能性はゼロのような気がします。その理由は同書でも触れていますが「火の粉をかぶってでも、自ら改革に動くべきか、座して死を待つべきか、新聞各社には二つの選択肢しか残されていない」のに加えて、それすらも怖くて考えたくないというのが新聞経営者の本音のように思えてなりません。