見出しは「メディアの信頼取り戻す」が多い。北村氏のスローガンなのだろうが、誰に向かって発しているのか疑問だ。国民に対してなのか、業界内に対してなのか。いづれにしても口先だけのポーズとしか受け取れまい。
インタビューの中で、特殊指定に関するQ&Aがあった。
−割り引き販売などを禁止した新聞業の「特殊指定」について、公正取引委員会が見直しを検討しているが?
「もちろん反対だ。普通の商品と同じように競争原理を導入すれば、強い者だけが残り、多様性が失われる。多様な報道が共存する状況を守らなければならない」と答えている。
このような答弁では、公取委が主張する「見直しの理由」を取り下げさせることが出来るわけがない。新聞業界に突きつけられた問題点はもっと多岐にわたっている。だからこそ具体的な問題点を挙げて、国民から理解を得られるような行動を早急に講じるべきだ。
口先ばかりで具体的な行動が伴わなければ、新聞業界への信頼はますます低下してしまう。だから新聞経営者には具体策を求めたい。
先週の15日に新聞労連が「新聞の特殊指定」改廃に反対する声明を発表した。新聞協会の声明と比較すると「販売問題の改善」など現行の問題点の是正に着手する必要性を掲げ「国民の目線」に立った表明だと感じる。あとはそれをどう具体的に取り組んでいくか、いや新聞経営者にどう取り組ませるかだ。