2008年10月01日

ANY発足会見から1年 恐竜はゆっくり歩きだしてきた…

 ANY(朝日新聞、日本経済新聞、読売新聞の業務提携)という単語が業界に出回ってからちょうど1年経った今日、朝日新聞社と読売新聞グループ本社が千葉県の船橋工場(朝日が所有)と香川県の坂出工場(読売が所有)で印刷の相互委託(朝日の印刷会社で読売を印刷し、読売の印刷部門で朝日を印刷)することを基本合意したと発表されました。相互印刷は2012年を目指すとしています。

▽会見の映像はコチラ
▽読売オンラインの記事はコチラ


 業界内ではANYの本当の目的は「経費がかさむ販売店の統合だ…」という見方が多数でしたが、ANY発表から1年で印刷そして(販売店への)共同輸送の協業に乗り出してきました(日経は地方紙とのつながりがあるのでどうなるか)。
 原材料費が高騰する中で、この10月からは4月に続き新聞用紙代がさらに値上げされるなど、新聞業界にとっては厳しい状況が続いています。相互委託によってどの程度の経費削減が見込まれるのか、またそのような現業部門の経費削減によって値上げをせずに持ちこたえられるのか(なぜ大々的に発表したのか)注目したいと思います。

 一方、販売店の相互委託はなかなか進んでいないと聞きます。当然双方の販売局間では熾烈な部数競争があるため、その仕事を背をわせている販売店へ「配達だけは協業して…」というのは現実的に無理があるかもしれません。しかし、新聞社はもちろんですが販売店も生き残りをかけて必死ですから、新たな流通網の模索を含めて近いうちに動きだしてくると思われます。

posted by 今だけ委員長 at 21:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース
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