2005年12月16日

採算合わねば事業縮小  同一価格の提供を約束する再販制度は必要

 12月初旬に宮城県内の乗り合いバス宮城交通(ミヤコー・仙台市)が、グループ経営再建計画のため検討してきた『赤字バス路線廃止』を具体的に打ち出し、関係する各自治体を訪問し計画内容の説明を行っている。
 赤字路線の原則廃止について「利用者には迷惑を掛けるが、会社存続のためにはやむを得ない」と説明。廃止対象とした61路線114系統について、関係する宮城県内の自治体数は33となる見通しだ。通勤、通学という生活の足が途絶えるばかりではなく、お年寄りなどににも大きな影響を与える。

 規制緩和の大号令のもとに煽られる競争社会。「民営化」になれば採算が合わない路線を切り捨て、企業防衛を図るのは当然かもしれないが、少数でも利用者のために企業が果たす役割を公取委などの官僚も考えるべきだ。中央の官僚は何不自由なく生活が出来る環境のもとで生活をしている。新聞の宅配もネットの環境も整備されたところに居住している方々に、このような地方の生活者の不便さなど分かるわけがないだろう。

 バス業界を新聞販売店に置き換えると、再販制度が無ければ経費がかさむ地区(離島等)への宅配は、配達料を上乗せせざるを得ない状況にもなりかねない。しかし、公取委が認める再販制度があるから全国同一価格の新聞が毎朝届けられるのだ。しかし、その公取委が再販制度と連動する特殊指定の見直しを打ち出した。値引き販売などが横行すれば実質的に再販制度は崩れ、販売店の経営はひっ迫し、配達経費がかさむ地区への宅配は困難になる。地方の生活者の生活経費が首都圏より加重になることはあってはならない。過疎化が進み日本全体の居住バランスがおかしくなるだけだ。
 現在進められようとしている規制緩和の発想は、消費者利益を履き違えているように思えてならない。
posted by 今だけ委員長 at 00:37 | Comment(0) | TrackBack(1) | 日記
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