6月19日に日経メディアラボ(坪田知己所長)が「オートロックマンション、新聞配達と防犯の両立めざす――三井不動産レジデンシャルが新システム」というインタビュー記事を同社HPへアップしました。
日経メディアラボは、日本経済新聞社がメディア全般の研究のために設立された組織。これまでもメディアを取り巻く環境の変化を伝えてきましたが、新聞の宅配に関連するリリースは初めてではないかと思われます。
新聞を届ける(宅配する)というアナログ的な分野についても、日経メディアラボは「メディアを浸透させる大切な手段」として捉えているのかもしれません。ネット時代のメディア論はあらゆるマーケティングやリテラシィ―の理論、インタラクティブ、ジャーナリズムなどのカテゴリーで研究されていますが、このようなアナログネタも重要なのです。
顧客のニーズに答えるのがメーカー(新聞社)やディーラー(販売店)の努め。「オートロックマンションが増えたから部数が落ちた・・・」という言いわけをする前に、なぜ新聞配達スタッフが不審者扱いされてしまうのかを考えなければいけないですね。
三井不動産レジデンシャルの取り組みは5月8日にプレスリリースされ、今月から都内の同社分譲物件で始まっています。
インタビューに答えた同社都市開発事業部開発室主任の久松壮氏は、「当社がマンション販売後に実施する入居者アンケートでは、必ず『新聞は読みたいけれど、集合ポストまで取りに行くのは…』といった意見が出てくる」、「セキュリティーを考えながら各戸への新聞配達ができれば、これも売り物できる」と顧客のニーズとセキュリティの両面を商品化し“マンションの売り”にするというもの。
新聞業界がこのようなシステムの費用負担も含めてマンションデベロッパーへリーチしていく必要性を感じます。
紙新聞の将来を憂う前に、まだ手をつけていない課題がたくさんあるのです。