〜河北新報社・新入社員11名が配達研修〜
この春河北新報社へ入社した新入社員11人が5日、河北仙販五橋支店(阿部司支店長)で配達研修に取り組みました。
河北新報社では新聞制作だけではなく、取材現場から新聞が読者の手に届くまでの作業内容を社員に理解させることを目的に、印刷部門や販売店での配達や営業を実体験する研修を行っています。
初めて新聞配達をする方がほとんどでしたが、不配もなくしっかりお客さまと約束した時間と場所へ届けてもらいました。これからさまざまな経験を積み、新聞社員として報道や営業の第一線で活躍されることでしょう。彼らの署名記事を河北新報から探すことも楽しみのひとつとなりました。
※研修を終えて感想を書いていただきました。(敬称略)
岩田 裕貴/編集局報道部
河北仙販の五橋支店での配達研修で、私は霊屋下の復興公営住宅を担当させて頂いた。約30部配る途中、新聞受けに河北新報のシールを貼っている家を見て、
眠気も覚めた。明かりがついている家もあり、読者といっても一人一人の生活があるのだと改めて感じた。何のために、誰のために書くのか、生きるのかがぶれないように、もっと多くの読者と出会いたいと思う。
八巻 愛知/編集局報道部
4月とはいえ、まだまだ寒さの厳しい午前4時前、販売店に届けられた新聞にチラシを折り込む作業が始まった。目にも止まらぬスピードで作業が進められ、30分足らずで配送が始まる。一連の流れを見せていただき、配達も手伝わせていただいた。普段の配達員の方々に比べればほんの微量ではあるが、間違ってはいけない緊張感、少しでも早く届けなければならない責任感などをこの身で感じ、大変貴重な経験ができた。我々記者は、このような販売店や配達員の方々がいてくださるおかげで、新聞システムが成り立っていることを胸に刻まなければならないと感じた。
佐藤 駿伍/編集局報道部
早朝、販売所の方々によって手早く広告が挟み込まれた新聞22部を預かり、配達へと向かった。私が担当したマンションは複雑な構造で、何度か迷いつつも、配達先一覧を見ながら何とか配り終えた。今回の研修で、普段私が担当した何倍もの部数を素早く、正確に配達する配達員の方々の凄さと、新聞を届けた先にいる読み手の存在を改めて実感した。4月からは記者として新聞作りに携わる。多くの人たちによって支えられて新聞が成り立っていることを忘れず、その一員としての責任感を持って職務に励みたい。
岡田 芽依/編集局報道部
早朝3時半、身震いするほど冷たい風の中、新聞を配達するために、あるマンションを訪れた。複雑な構造のマンションで、事前に渡された部屋の図面を見ながらでないと、迷子になってしまう。絶対にミスをしてはいけない。念入りに配達先一覧表をチェックし、ポストに新聞を差し入れた。
エレベーターも使えないので、階段を何度も登り降りした。約20部配達しただけで、へとへとになった。しかし、他の配達員の方は1人でもっと多くの部数を配っていると聞き、驚いた。雨の日も雪の日も、どんな時でも決められた時間に必ず届けるということが、どれだけ大変かを痛感した。
新聞は斜陽産業である。もちろん、ネットなどの新興メディアに比べれば、速報性には欠ける。しかし、一つ一つ丁寧に作られ、手作業で届けられる新聞は、他のメディアにはない魂のこもった温かみのあるメディアだと感じた。
新聞は記者だけでなく、営業、技術、印刷、販売といった多くの人の苦労があってこそ成り立つものだ。4月から記者として働く。記事を書いて終わりではなく、その先の人々にも思いを馳せながら、仕事に全力で取り組んでいきたい。
加地 紗弥香/編集局報道部
午前3時40分、印刷工場から朝刊を積んだトラックが到着。販売所の空気が変わった。荷下ろしは、小走りで。みるみるうちに作業台に朝刊の山ができた。1秒に2、3紙のペースで広告が折り込まれ、バイクに積まれていく。流れるような作業に、一切の無駄がない。作業動線を邪魔していないか、ひやひやした。
毎朝新聞が届くという「当たり前」の裏に、日が昇らないうちから働く、たくさん人の手がある。一秒も無駄にしない販売所の方達を見て、身が引き締まった。
北村 早智里/編集局報道部
午前3時集合――。最初は「ついに来てしまった」と思っていた配達研修でしたが、終わった時には爽快感でいっぱいでした。
新聞配達は、早朝からの大変な仕事、というイメージを持っていました。実際、まだ暗いうちから時間に追われて仕事をしている姿を拝見して、販売店や配達員の皆さんに感謝しながら、「届けたい」と思ってもらえるような紙面を作ることが、私たち記者の務めであることを、深く自覚しました。
同時に、こんなに清々しい気持ちになれる仕事はそうないな、とも感じました。配達を終えたときに、不意に目にした朝日がとても美しく、心が洗われるような体験をしました。私も定年退職をして、体が元気であれば、配達をやってみたい。思いがけず、新聞配達の魅力に気が付いた研修でした。
若生 有吾/販売局販売部
毎日当然のように届く新聞は、多くの人が考えるような記者だけが作っているものではないことを実感した。それだけに、新聞社と言えば記者という一般的な考え方はもったいないと思う。
4月から販売部員として働くにあたり、多くの人に新聞は1人で作られているのではなく、販売店の皆様をはじめとした新聞社員全員で作られていることを周知させながら、読者増に貢献したい。
鴨 史哉/営業局営業部
今回の配達研修を通して、新聞を届ける仕事を具体的に知ることができたと共に、新聞は作って終わりではなく読者に届くことで初めて意味があると改めて感じた。1軒1軒ごとに違う、チラシなしや土日だけの投函など要望にもきめ細やかに対応しており、その努力が読者の獲得や満足に繋がっていると感じた。今回学んだ事を今後の仕事に活かし、読者がより満足してもらえる新聞づくりを部署の垣根を超え一丸となってやっていきたいと思う。
香川 真菜/営業局営業部
新聞という一つのものに、多くの人の努力と思いやりがつまっていることを今回の研修で強く感じました。
まずトラックが到着し、そこから始まった作業のスピードに圧倒されました。次々運ばれる新聞、リズム良く挟まれるチラシ、黙々と動き続けるスタッフの皆さんの手。1分1秒も無駄にしないという思いがすべての動作から伝わってきました。
配達を実際にやってみて、想像以上の緊張感が求められることを驚くとともに、新聞一つ一つをお客様の生活の中に届ける達成感も強く感じました。時間や曜日、チラシの有無など、お客様一人一人の要望に応える大切さも教えてもらい、毎日このように届けてもらうことに感謝の気持ちでいっぱいになりました。
今回の貴重な経験で感じた思いを心に留めて、より一層責任感を持って自身の仕事に取り組んでいきたいと思います。
日下 祥吾/技術局システムグループ
私は公営住宅を担当し、配達を行った。朝の4時半、住宅の灯りも少なく、ポストに新聞を入れるまで2度、3度と確認をした。棟によってはエレベーターが無く、階段で駆け上がり配り周った。気が付けば配達を始めたころは震えていた身体から、湯気が立っていた。
配達している中、朝刊を楽しみにしている読者のために、素早く確実に配達するためには体力と集中力が求められることが分かり、配達員がいかに大変なことかを思い知った。そして、記者や営業、印刷など新聞製作に関わる全ての人の思いを背負っている重要な存在なのだと気が付いた。新聞は決して1人では製作できない。そのことを忘れずに、日々感謝の気持ちを持ちながらこれから仕事に励んでいきたい。
高松 耕平/技術局制作グループ
配達実習では私は川内の公務員宿舎を担当しました。新聞を届けるために、薄暗い階段を5階まで登っていき、投函する。届ける部屋に間違いがないかどうか、何度も確認しながら配達し、予想以上に緊張感の必要な作業だと感じました。配達の前、「足音を立てないように、投函するときは音が鳴らないように、正しい向きで受け取っていただけるように」と教えていただき、配達員さんの気配りと責任感によって読者に新聞が届けられているんだと実感しました。この研修で学んだ責任感を忘れず、励んでいこうと思います。