新聞社といえばプーンとインクのにおいが染みついた社屋をイメージされる方も多いと思いますが、近年は多くの新聞社で印刷部門の別会社化が進められ、記事を書く(入力する)編集部門とは違う場所で印刷作業が行われています。河北新報印刷センター(泉区明通)も平成14年から河北新報社の関連企業として設立されました。
新聞社の仕事をまとめたビデオ鑑賞のあと、見学者コースを回りながら説明を受けました。高速輪転機の響き渡る音は想像以上で夕刊が刷りあがる風景は圧巻でした。新聞づくりのワークショップでは河北新報社・千葉淳一さんを講師に見学した感想などをまとめ、自分だけのミニコミ紙をそれぞれ作成しました。
【参加者作成のミニコミ紙から抜粋】
新聞には河北新報社員の方々の努力が詰まっているのではないだろうか。印刷する輪転機の最高速度は1セットあたり1時間に17万部、1秒間では47部刷れてしまう。また、40ページのうち、24ページを美しく鮮明なカラーで印刷することができる。見やすい新聞を目指して、日々進化している新聞。それは、東北、宮城、仙台に誇れるような技術と言えるのではないだろうか。これからも河北新報などたくさんの新聞に関わって、情報を入手していきたいと思う。(山田瑞月さん・五橋中2年)
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河北新報印刷センターに案内された私たちが目にしたのは、普段は分からないさまざまな秘密だった。まず目に入ったのは河北新報の創業者である一力健次郎の銅像である。さらにほかを見学すると小さな窓があった。中をのぞくとトイレットペーパーを大きくしたような新聞用紙が「立体倉庫」という棚に保管してあった。「巻き取り紙」とも呼ばれている新聞用紙は4列7段になった棚に合計308本保管してあり、3日分の朝夕刊を印刷できる量を常に在庫してあるというので驚いた。(深井葉月さん・五橋中2年)
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今日は河北新報印刷センターへ見学に行きました。1時間に17万部も印刷できる輪転機のスピードにも驚きましたが、同じ日でも宮城県とそれ以外の東北5県で配られる紙面の見出しや写真が違う場合があるということ。宮城県の新聞は最新のニュースが載ることです。(鬼下菜々美さん・五橋中1年)
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本社編集局より送られてくる原稿データが直ちに「刷版」としてできあがり、輪転機にかけられ夕刊の場合は約6万部が30分もしないうちに人手も掛けずに販売店ごとの包みに仕分けられ、配送されるという現実の素早さ驚き、「活字ひろい」の版組の時代を知る者としては隔世の感でした。(鈴木邦夫さん・川内明神横丁)
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「読むところが少なくて」と夕刊を取らない人は言うが、少なくとも翌日朝刊より早くニュースが届けられていると思う。それだけでなく、紙面づくりに余裕があるのか連載が多く、読みごたえのある記名コラム、共同通信の連載は力が
こもっている。むしろ朝刊より読み応えがあると思っているのは私だけであろうか…。(鈴木宏子さん・川内明神横丁)
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好奇心旺盛な私はチャンスがあると「それ!」とばかりに飛びついてしまう。今回のバスツアーも心うきうき集合場所へ。かほピョンバスに乗り込み印刷センターへ。創始者の「不羈独立」の言葉にふさわしい東北がますます栄えあること…。あらためて考えさせられました。(小野由利子さん・北目町)
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河北仙販では河北印刷センターの見学と新聞づくりのワークショップをセットにしたバスツアーを子ども会や学校などの要請により開催します。お気軽にご相談ください。(小関勝也)