2015年05月25日

やはり最強の実践理論だった「チームの力」

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チームの力――構造構成主義による“新”組織論
著者 西條剛央(ちくま書房)780円+Tax

 ふんばろう東日本支援プロジェクトの元代表で、西條剛央さんの新著をご恵贈いただきました。
 小ブログでも私も末席を汚しているふんばろう東日本支援プロジェクトのことや西條さんの著書を紹介していますが、“ブレない”彼が伝えたいことがまとめられ、その考察と人間的な魅力にあらためて惹きつけられました。

 「チームの力」。このキーワードで検索すると組織マネジメントに類する論考が多数ありますが、組織とチームを明確に分けて論じた書籍は初めてだと思います。
 掲げた目標を達成させることを目的に活動する「チーム」が陥りやすい問題点や克服していくべき課題、そしてリーダーの立ち位置など、東日本大震災発生後から西条さんとともに支援活動に携わった私としては、すべて(構造構成主義に立脚した)西條さんの「シナリオ通り」だったと腑に落ちます。企業、行政、部活道、NPOなど、世の中には溢れんばかりにさまざまな「チーム」が存在し、そのリーダーが思うような成果が出せずに悩んでいる昨今、日本最大のボランティアチームを運営し、最大限のチカラを発揮させていくためのメカニズムが解き明かされた1冊です。

 個人的には第3章「ブレないチーム運営」が特に参考になりました。
 今だけ委員長が身を置く新聞産業はかなりの部分で“埋没コスト”に苛まれ、不都合な選択をしてしまう体質から抜け出せないでいます。本書はその現状に対する処方箋といっても過言ではありません。
 「埋没コストとは、これまでに積み重ねてきた実績や信頼、費やした時間や賃金といった回収不可能なコストのことだ。したがって、基本的には時間経過にともない埋没コストは増大していくことになる。この観点から見ると、戦争をやめられなかったのも、原発を止められないのも、方針転換することで、それまでに費やした多くのコストが回収不能になるためだとわかる」(本書から引用)
 では、その埋没コストをどう克服していくのか。本書では「方法の原理」(目的と状況、目指すべき未来を基点とした意思決定)という論点からそれを乗り越えていくポイントが分かりやすく記されています。

 「いいチーム」で仕事をすることは最大の幸せです。適切な「問い」を方法の原理に則って考え、「戦略」を立てていくリーダーシップ。やはり、素晴らしいリーダーに人が集い、学び、受け継いでいく良好な人的循環が広義でいえば世の中をよくするのだと本書から感じました。
posted by 今だけ委員長 at 11:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2015年05月09日

仙台国際センター付近でハイタッチしましょう!

 あす号砲となる仙台国際ハーフマラソン大会の準備に追われています。
今年で25回目。いまの会社へ就職したのもちょうどこの大会がはじまった1991年なので思い出深いです。

 当日は仙台国際センター周辺(スタートから5キロ地点)で伊達武将隊の皆さんと「カク大文字」のぼり旗を振りながら応援してます(たぶん)。
 5キロ地点だとまだ出場者のほとんどが余裕(そうでない方もいますが)だと思うので、お声をかけていただければ写真撮りますね。「ハイタッチ」しましょう!
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▽大会中の交通規制はこちらでチェックしてください
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201505/20150509_14027.html


【お知らせ】
LINEストアで「かほピョンとなかまたち」のスタンプが120円で販売中です。
https://store.line.me/stickershop/product/1110366/ja
posted by 今だけ委員長 at 13:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | こせきかつや通信

様々な人の汗 決して忘れず

※河北仙販五橋支店が発行する「河北かわら版」(第6号・2015年3月20日付)を転載します。
河北新報社の新入社員7人が配達研修
◇多くの人の力が集まって読者のもとへ届けられる
 新年度を迎えました。日の出も1日ごとに早まり、春を感じる時期になってきました。新聞配達をしていると冬期間は薄暗くて気づかなかった草花の芽吹きを感じます。
 去る3月18日、河北新報社へ入社予定の7人が新聞配達研修に来られました。同社では新聞に携わる業務内容を社員に理解させることを目的に、印刷部門や販売店での配達や営業を実体験する研修を行っています。
 配達研修とはいえ、不配は許されません。早朝3時30分、五橋支店に集合した7人は緊張した面持ちで支店長から配達エリアや注意点などの説明を受け、@ウェスティンホテル仙台の客室への配達(国連防災世界会議開催中だったため英字新聞がほとんどでした)、A大手町にある各紙共同配達を実施しているタワーマンション(各ドアポストまでの配達)、B5階まで階段を上り下りする川内・公務員住宅(12棟分)の配達作業を行いました。
 初めて新聞配達をされる方がほとんどでしたが、不配もなくしっかりお客さまと約束した時間と場所へ届けていただきました。
 これからさまざまなな経験を積み、新聞社員として報道や営業の第一線で活躍されることでしょう。彼らの署名記事を河北新報から探すことが楽しみのひとつになりました。
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※研修を終えて感想を書いていただきました。(敬称略)
▽丹野 大(22歳)
  今回の研修では新聞が読者の手元に届くまでの流れの中で一人一人の役割は違っても、いい新聞を読者に届けるという共通の思いがあることを知った。私も常に読者を意識する姿勢を持ち続けていきたい。
 新入社員としての目標は東北の発展に貢献することである。東北には震災からの復興、震災によって顕在化した地域社会の課題など向き合うべき問題がある。大学時代のゼミでの学習を生かし、教育という観点から取り組んでいきたい。
▽高木 大毅(22歳)
 ほんのわずかですが配達を体験させていただき、これから関わろうとしている新聞の責任の大きさを感じました。これまで河北新報の発行部数は知っていても、抽象的な数字としてしか捉えることができていませんでした。しかし、今回の体験で、その数字ひとつひとつに届ける人と待っている人が居るということを感じることができました。その意味と責任の大きさを忘れずに、自信を持って届けられ、今以上に楽しみに待っていてもらえる河北新報とする一助となれるよう、記者として努力していこうと思います。
▽阿部 真紀(22歳)
 配達実習を終え、多くの人の力が集まって新聞が読者の方々の元に届けられているのだということを身を以て実感しました。4月からは紙面をつくる編集局の一員として新聞づくりに携わります。新聞を読者の皆さんに届ける過程の第一走者として、しっかりと仕事をこなし、印刷局にバトンを繋げるよう精一杯努めたいと思います。同じ東北人として東北の皆さんに元気を届けられるような紙面作りを心がけ頑張ります!今後とも河北新報をよろしくお願い致します。
▽柴崎 吉敬(22歳)
 超高層マンションを上層階から下りながら、ミスや遅れのないよう行う作業は予想以上に体力と集中力を要した。毎朝決まった時刻に届くのが「あたりまえ」だと思っていた新聞。実習を通して、その背景にある配達員の方々の苦労を体感することができた。4月から私も新聞を「つくる」立場となる。新聞が読者のもとに届くまで、様々な人々の汗があることを決して忘れずに精進していきたい。
▽齋藤 雄一(22歳)
 慣れない高層タワーマンションのムード、薄暗くて足もとが不確かな廊下、ポストのすぐ上がインターホンという緊張感、それらが同時に襲いかかって、常に気の抜くことができない配達実習となった。このような緊張感の中で毎日業務にあたる配達員の方々の苦労は、相当なものであるなと痛感した。頑張ってくださっている配達の方々に迷惑をかけることのないよう、記者として信頼される仕事をしっかりとしていきたい。
▽藤井 かをり(22歳)
 配達実習を通して、新聞が当たり前に届くことの有り難さを感じた。「朝3時起きはいつになっても慣れないのよ」と話した配達員の方の言葉に、仕事への責任感が伝わってきた。私が今回体験した何倍もの部数を、朝早くから雨や雪の中でも届けている方たちがいる。これから始まる記者としての生活の中でも、新聞が届くまでの過程を頭に思い浮かべながら、読者の期待と信頼に応えられる仕事をしていきたい。
▽丹野 裕太(22歳)
 配達実習を経験して、お客様一人一人の細かな要望に応えたり、購読紙を確実にポスティングしていく作業はミスの許されない非常に神経を使う仕事であると感じました。
今回はホテル一棟のみでの配達作業だったため比較的スムーズに進みましたが、雨天時などのお話を伺い、季節や天候に左右されやすい大変な仕事であるという印象を受けました。
来年度より新聞の制作に携わる者として今回の配達実習は、非常に貴重で有意義な体験となりました。

※4月からお友だち紹介キャンペーンを開催中です。詳しくは裏面をご覧ください。
▽お友だち紹介キャンペーン
http://www.kahoku.co.jp/pub/koudoku/campaign/friend2015/
posted by 今だけ委員長 at 09:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | こせきかつや通信

文字大きく20%アップ

※河北仙販五橋支店が発行する「河北かわら版」(第5号・2015年2月月25日付)を転載します。

3月1日から12段組導入/64年ぶり体裁変更
▽大きく・読みやすく・手厚い紙面へ
 河北新報が3月1日から変わります。朝夕刊の文字が今より約20%大きくなり、読みやすくなります。1ページを15段に区切る今の紙面は、12段に変わります。1行の文字は1字増えて12字になり、ゆったりしたレイアウトが可能になります。
 河北新報の文字が拡大するのは2013年11月以来です。収容できる総文字数は減りますが、見出しやレイアウトの工夫で情報量は維持します。
 文字拡大に合わせて紙面の内容も充実させます。ワイド東北面はページ数を増やし、見開き2カ面の紙面を毎日お届けします。「あすへ 3・11掲示板」は「共に歩もう」「放射線量」などの常設コーナーへ移し、震災、原発事故報道をより一層、手厚くします。
 末面のテレビ面にはBS民放5局の番組欄を移し利便性を高めます。宮城県内の地域スポーツ記録を一挙掲載するページを新設するほか、「声の交差点」のオピ面や文化面、科学面、娯楽面なども読みやすくリニューアルします。
 新聞の顔である1面は、朝夕刊ともに様変わりします。レイアウトがすっきりし、インデックス(見出し)が見やすくなります。
▽伊達武将隊がイメージキャラクター
 今月19日から東北放送や仙台放送で、「奥州・仙台おもてなし集団・伊達武将隊」の面々が「かほくカク大〜大きくなったのぅ。」を合言葉に、リニューアルした河北新報を紹介するテレビC
Mが放送されています。河北報社内(報道・編集部門)で縦横無尽にかけまわる伊達武将隊にやや緊張気味の記者とのやり取りは、ちょっぴりコミカルな内容に仕上がっています。ぜひご覧ください。
3月1日には藤崎(青葉区一番町)前で伊達武将隊も出演するイベントが行われます。トークショーや演武、ガラポン抽選会など盛りだくさんのイベント内容です。進行は弊社発行「ひまわりクラブ」にも執筆いただいている東北放送・佐々木淳吾アナウンサーを予定。午前と午後の2回開催します。詳しくは河北新報紙面で告知します。
▽被災地で発行するミニコミ紙を届けます
 東日本大震災から4年が経とうとしています。河北新報では「ワイド東北」のコーナーで引き続き被災地に寄り添った情報を掲載していくほか、復旧から復興へ向かう沿岸部とそこで暮らす人々の様子を丹念に伝えていきます。
 当支店では紙面では紹介されない被災地の様子をもっと伝えたい、あの震災を風化させてはいけないとの思いから、石巻市、名取市、山元町の住民やボランティア団体が発行している「ミニコミ紙」を3月から随時、新聞と一緒に折り込むことにしました。読者の皆さまに被災地の情報をより詳しく提供することで、防災・減災に役立てていただきたいとの願いもあります。
 提供させていただくミニコミ紙は、@仮設きずな新聞(ピースボート災害ボランティアセンター・石巻市)Aみやぎ復興プレス(宮城県震災復興本部)B閖上復興だより(閖上復興だより編集部・名取市)Cいちご新聞(山元町震災復興土曜日の会・山元町)の4紙を予定しています。
みやぎ復興プレス以外は発行するエリアを基準にしているため、表記がわかりづらいことも予想されます。例えば、「市は」という表記が@仮設きずな新聞であれば石巻市、B閖上復興だよりなら名取市のことを指すなど。ご理解をいただきますようお願いします。
新聞販売店としては初めての試みですが、震災から5年目となる来年まで続けて行こうと思っています。これからもお客さまへのサービスを探求し、チャレンジしてまいります。
▽転勤シーズン到来転居先でも河北新報を
 新年度を控え、企業や官公庁へお勤めの皆さまの転勤、お引越しが本格化する時期になりました。お引越しが確定されたお客さまには、これまでご購読いただいた御礼を申し上げるとともに、東北六県内であれば河北新報を引き続き購読できますので、ご用命いただければ幸いです。
また、お引越しが決まったお客さまには月極め購読料を日割り計算にて引越日までの分を精算させていただきます(仙台市内の移転は継続購読で対応)。早めに当支店までご連絡いただきますようお願いします。
当支店に対するご意見、ご要望がございましたら支店長の小関までご連絡ください。(小)
▽見やすく文字拡大じゃ!武将隊、河北新報新紙面PRhttp://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201502/20150227_12034.html
posted by 今だけ委員長 at 09:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | こせきかつや通信

2015年05月02日

もう一歩踏み込んだ「デジタル版」提供の基準を考えたい

ゴールデンウィーク後半戦に突入!
でも、この時期は代配に追われ毎朝2時30分起きなので、帰省してくる友人や被災地へ継続的に訪れてくれるボランティア仲間と“ゆっくり語り合う時間がない(いわゆる飲めない)”のが残念。まぁこの稼業を続けているうちは「宿命」のようなものです(笑)

この期間中は旅行に出かけられる方や連休する企業から、新聞配達の一時休止の連絡が殺到します。ポストに新聞がたまっていると、「留守」と悟られて空き巣のターゲットとなってしまう―との意見多く、GW、お盆、年末年始の三大ウィークに新聞配達を一時休止される方が増えてきました。
今だけ委員長が勤める販売店では毎回、200件を超す一時休止の連絡が寄せられます。その期間や件数などを眺めると、旅行(帰省)に出かけられる方の多少や企業の休業日の平均などが見えてきます。4月29日から5月6日までの8連休をされる企業は2社のみで、ほとんどは本日から6日までの5連休。旅行などで家を空けられる人の数は例年より「少なめ」という感じです。

新聞は日々の情報を伝えるメディア。特に地元紙は全国規模のニュースではないローカル情報(地ダネ)が多いので、自身の関心ごとや知人が掲載された紙面を見逃すまいと、販売店で「保管」をして帰省後にお届けするサービスをしています。「お悔やみ広告は見逃せない」という人が大半ですが、帰省後にゆっくり4〜5日分の新聞を眺めると、あすから始まる日常へすっと入っていけるのではないかと感じているので、積極的に「一時保管後にお届け」をご案内しています。
一方、休止した分を購読料から値引くよう求められるケースも増えています。過去のブログにも書きましたが、販売店は月決め購読料を頂戴できる読者数分の新聞を新聞社へ発注(おそらく)しているので、お客さまへの値引き分は販売店の減収となります。販売店は再販制度によって、新聞社が決めた定価販売を義務付けられているため、本来はこの値引きの求めに応じることも業界的には「NG」。しかし、そんなこと言っていたら、お客さまからそっぽ向かれてしまいます。このあたりの現状を新聞社の方々にも理解してもらいたいものです。

で、もうひとつ。最近、現読者へのサービスとして各紙が取り組んでいる「デジタル版」(PDFデータなどで紙面が閲覧できる)の登録者が「(紙の)配達の一時休止」をされた場合に、読者の求めに応じて休止期間分の値引きをするべきかどうか?こんな「はてな」が生じています。
先日、入院されて約3週間、配達休止を承ったお客さまへ「返金」にうかがおうと連絡をしたところ「デジタル版で毎日紙面を読んでいたから返金しなくてもイイですよ」との返答がありました。なるほど、モノ(紙)は届けていなくとも紙面と同じコンテンツは読んでいる。デジタル版の申込者にはこのあたりの「サービス提供に当たっての基準」を理解、浸透させる必要があると感じています。

「それっぽっちのこと」と言わずに(誰に言っているのでしょうか?)、デジタル時代のコンテンツ提供を考える際の一助になればと思います。
posted by 今だけ委員長 at 07:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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