2013年02月27日

言論の自由という「当たり前」を奪われないために

言論の自由.jpg

言論の自由−拡大するメディアと縮むジャーナリズム−
著者:山田健太(ミネルヴァ書房)2,800円

 「マスゴミ」という単語が一般的に言われるようになって、マスメディアへの風当たりが強くなってきたのはいつ頃からでしょうか―。インターネットの普及によって多くの生活者が自ら情報発信をできるようになってきたネット社会。これまで情報発信(加えて世論誘導)をいわば独占してきたマスメディアを凌駕するまでに成長(ユーザー数が増加)していますが、言論の自由の拡大によって本来のジャーナリズム機能まで縮小に向かうよなことがあってはいけません。


 著者の山田健太さんとは、彼が新聞協会職員時代からお世話になっている尊敬する大先輩。これまで彼が執筆した書籍や論文を読みあさってきましたが、本書は風当たりが強くなっているマスメディアがこれまで担ってきた社会の中での役割(表現の自由、プレスへの特権を認めた法制度など)について検証し、「これからどうしていくべきか」の論考(専門的な用語も多いです)がまとめられています。

 著者は、序章の中でネット社会の到来によって他愛もない問題でもネット上で匿名の人たちが群がって、特定の企業や人をやっつける(炎上させる)風潮が横行して過度の潔癖症に向かう社会的な潮流があると指摘。それらによって言論活動への規制を容認する世論が拡大し、法規制が強化されて気が付いたら言論の自由さえも危ぶまれる事態になりかねないと警鐘します。
 その背景(空気)について、著者は以下の4つの側面から「当たり前」がほころび始めていると分析。@社会の安心・安全を守るためには、多少の自由の犠牲はやむを得ないという意識が急速に強まっているA情報があまりにもたくさん溢れ、世の中に流れている情報を一人ひとりが整理してきちんと受け止める力が弱くなっているB自分の意見と違うものを認めず、人と違ったことをしたり、言ったりすることを忌み嫌う風潮の広がりC情報の送り手である新聞や雑誌、放送局などのマスメディアの記者・編集者の劣化―。


 現代では当たり前のように受け止められている「言論(活動)の自由」ですが、戦時下ではその自由すら奪われてきた歴史なのです。お隣の中国ではこうして自由にブログで発信することも国家権力がその内容を検閲しているため不自由な状況にあるのです。
 「当たり前」を権力側に取り上げられないために、プレス機能を守るという社会での位置づけがポイントになると感じます。そのためにはプレス側が今のままではいけないと気付くことなのかな…。片側で、生活者それぞれがリテラシィー力を高めていくこととプロの記者・編集者の育成も重要になってくると思います。ともに教育の問題なのかもしれませんね。

 そのヒントがたくさん盛り込まれている本書は、特にメディア関係者にはお薦めしたい1冊です。
▽言論の自由―拡大するメディアと縮むジャーナリズム(Amazonより)

posted by 今だけ委員長 at 07:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2013年02月26日

企業は人なり 社内政争に明け暮れる企業から顧客は離れていく

新浪剛史 個を動かす.jpg
個を動かす 新浪剛史、ローソン作り直しの10年
著者:池田信太朗(日経BP社)1,575円

 最近、テレビを見る時間がめっきり減っているのですが唯一、録画してまで見ているテレビ番組があります。経済界などのトップランナーたちを紹介する「カンブリア宮殿」(テレビ東京)。その道を究めた出演者の「言葉の重み」(社長の金言)に共感しつつ、自分が立っている現場の現実との大きな違いを噛みしめながら見ています。

 先日、フェイスブックでシェアされたBLOGOSというサイトから「日本企業の病理がよくわかる良書『個を動かす 新浪剛史 ローソン作り直しの10年』」という書評(ブログ)にたどり着きました。
 「これは、以前にカンブリア宮殿で放送されたローソン社長・新浪剛史さんの組織改革論が描かれているのでは」―と、書評を読み進めてみると、膝を打つことばかりの内容でした。「購入してみよう」と思わせる上手な書評に乗せられ(笑)amazonで購入後、ひと晩で読み終えました。私のような若輩者がどうこう述べるより、以下の書評をご覧ください。

▽日本企業の病理がよくわかる良書『個を動かす 新浪剛史 ローソン作り直しの10年』(BLOGOSより)
http://lite.blogos.com/article/56825/


 新聞産業も新聞社をローソン本部、販売店をフランチャイズ店という図式に当てはめるとオモシロく読めて、ともに閉鎖的な業界であることが理解できます。
 ローソンは全国から集まる優秀な方々がポスト獲得のために仕事ではなく、自分が出世するためのパフォーマンスに注力しているというのです。新聞産業でも素晴らしい編集能力を持っていらっしゃる方と経営感覚を持ち合わせた方とではその役割が本来違うものの、ほとんどの新聞社では編集出身の方が要職に就くような仕組みになっています。社内の権力争い―パフォーマンスに長け、社内政治(根回し)を巧みに操りながらポストを得るために力を注いでいる方々を横目で見ると、げんなりしてしまいます。このあたりが日本企業の病理なのかもしれません。
 この本で指摘している通り「現場を知らない上の人たちが机上の空論で戦略を練り、現場を知らない間接部門が自分たちの予算や権限維持のために、社内政争に明け暮れた結果、出されたどうしようもない商品や戦略を、現場に押しつけ、結果売れず、でもその売れない原因を現場の気合や根性のなさと糾弾し、少ない利益を役に立たないろくでなしの上の人間や、間接部門の連中だけが吸い上げ、余計、現場は疲弊し、客がどんどん離れていくという悪循環を招いている」となってしまうわけです。

 近年、いろいろな会社で財務部門の権限が大きくなっていると聞きます。これは国政においてもそうなのですが、予算の采配を握っている部門の発言力が増して、なかなか実績があがらない営業部門(生産部門)は元気がなくなっている―というのです。
 入社間もない営業部門の従業員へ「厳しい経営内容を知れ」とばかりに(儲かっているときは公表しないのに)低迷する経営指標をかざし続けた結果、どうなっていくのだろうかとよく考えます。既存のサービスを取りやめ、支出を削ることに“働きがい”を感じてしまっては顧客に見放されていくだけです。
 経営者の仕事と従業員の仕事は違います。“削ることで身を守る”との発想を持った従業員ばかりになってしまっては、企業の病理はより悪化するだけだと思います。「企業は人なり」。顧客を向いた仕事を最優先に考えられる人材育成がこれからの企業活動には大切だと思います。

▽コンビニ業界2位からの反撃〜地方フランチャイズを再生させろ!〜(2007年9月17日放送)
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20070917.html

posted by 今だけ委員長 at 06:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2013年02月15日

ワンコイン応援メッセージ第22弾は南相馬市で発行します!

 今月のワンコイン応援メッセージは、福島県南相馬市(原町エリア・浜通り)で発行します。福島民報系列の販売店へ3000部、2月20日の朝刊各紙へ折り込まれます。
 第22弾では22名の方からメッセージをいただきました。どうもありがとうございました。2面には日弁連発行の「被災ローン減免制度Q&A」(福島バージョン)を掲載しています。
 ワンコイン 南相馬市編 2013年2月発行_01.tif fukushima_loan01[1]_01.tif
 折込の手配をしていただこうと福島県折込広告社へチラシの発送と料金について問い合わせたところ、「昨年も依頼を受けましたよね」と電話先の担当者さん。「今回はなかなか資金的に厳しいので3000枚(前回は6500枚)なのですが…」と相談すると、「違うエリアへ配布するより、“昨年もこんなチラシ入ってたな”と受け止めていただいたほうがよいのでは」とのアドバイスをいただき、配布エリアを選定していただきました。ホント感謝です。

▽東日本大震災による南相馬市の被害
http://www.city.minamisoma.lg.jp/mpsdata/web/4961/05shiryou2.pdf
▽東日本大震災 南相馬市の被害状況
http://shi.na.coocan.jp/tohokukantodaijisin-4.html


 福島県沿岸部は津波被害のほかにも福島第一原発事故の影響もあり、「ふるさと」に戻れない被災者も多く存いらっしゃいます。全国の皆さんからの応援メッセージが少しでも被災された方の心に潤いをもたらすことができればと思います。
 ワンコイン応援メッセージプロジェクトもあと2回の発行となります。皆さまのご協力をお願いします。


* * *
ワンコイン応援メッセージプロジェクト第23弾 ご協力のお願い!
 ワンコイン応援メッセージプロジェクトは、被災した新聞販売店への支援と被災エリアへの情報提供を目的に折込チラシを発行するプロジェクトです。
@発行エリア:岩手県陸前高田市エリア
A折込部数:3,000部程度
B折込日:2013年3月11日
C メッセージ受付締切:3月5日
D支援金の振込先:ゆうちょ銀行・店番818・普通口座3265931
 名義:コセキカツヤ
 ※1口500円でお振り込みください。
Eその他:メッセージは140字以内でお願いします。チラシへ表記するお名前(ニックネーム可)、所属、居住地も一緒にコメント欄へ入力してください。

2013年02月14日

お客さんに近いのはどっちだ! ライフネット生命保険・出口治明社長の思考に学ぶ

 今年の年賀状にも書いたことなんですけど、「若手の邪魔にならないように…(チャレンジする芽を摘まないように)」することが、大切になってきている時代だと感じています。特にネット社会へと着実に進む時代において、アナログ世代の老害が過去の経験値や価値観を精神論的に放言するほどあてにならないものはないのだなぁ…と思わせる記事に最近多く出くわします。
 ガソリンも入れられないで走らされる営業マンが心の病に犯されるといったケースも増えていますが、根性論を叩き込まれ続ける企業(上司たちは勝ち逃げをしていく)とそうではない企業の差もこの記事に記されているように思います。


で、新聞産業を照らし合わせてみると・・・。「にわとりが先かたまごが先か」の話になってしまいますが、やはりシルバー世代の方々と心中するしかないのかなぁこの業界はと・・・。ぜひご一読を!

▽20代の社員に「アホは出口さんです」と言われました(日経ビジネスオンライン2/13付・インターネットのコミュニケーション 出口治明編より)
http://t.co/WOpHLQqY

posted by 今だけ委員長 at 21:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | きょうの喜怒哀楽
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