2013年01月24日

輪転機トラブルで東北4県で1700部欠配 河北新報

 きのうの早朝、青森の新聞販売の仲間から電話が入りました。「けさの河北新報が輪転機の故障で販売店に届かず、欠配になった」というショッキングな内容でした。私たち販売労働者は東日本大震災のとき、欠配せずに(津波被害を受けて機能不全となった販売店エリアを除く)新聞を配り切ったのに…。とても残念な気持ちになりました。
 その後、青森や福島の販売関係者(新聞社に勤務する)からも同じ内容のメールを受け、「輪転機のモーターを冷やす冷却ファンの故障で印刷が遅れた」、「輪転機4セットのうち1セットが使えなくなり、読売、朝日など受託分を優先して河北新報本紙の印刷が遅れたと思われる」との情報を把握。NHK(青森放送局)では同日の正午過ぎのニュースで報じたそうです。
▽印刷機故障で河北新報届かず(NHK ONLINE青森県のニュース)
 NHK昼ニュース.bmp

 河北新報印刷センターの輪転機は東京機械の「シャフトレス」タイプで、1台の機械に4個のモーターを装備。1個に不具合があると、そのプレスが使えなくなる弱点があるそうです(関係者談)。

 河北新報社はきょう付で紙面に以下の記事を掲載しました。ミスをうやむやにせず、きちんと紙面でお詫びしたことは、逆に好意的に受け止められると思います。(以下に1/24付河北新報朝刊から引用)

▽輪転機トラブル 1700部配達できず 河北新報社
 22日夜、河北新報印刷センター(仙台市泉区)の輪転機が故障し、23日の河北新報朝刊の印刷が停止した。輪転機はその後復旧し、印刷を再開したが、秋田県全域と青森、岩手、福島県内の一部店舗への新聞輸送が間に合わず、4県で計約1700部が配達できなかった。
 河北新報社は配達できなかった23日の朝刊は24日の朝刊と一緒に届けることにしており、「読者にご迷惑をおかけして申し訳ありません。原因を調べ、こうした事態の防止に努めます」としている。(1/24付 河北新報朝刊)


 

 ミスのない仕事などあり得ず、全国紙の印刷受託を決めた時点でさまざまなリスクは想定されたことでしょう。でも大切なのは、ミスが生じてしまった際に読者(こういう場合は販売店にもかな)に対して真摯にお詫びをする姿勢だと思います。そして、つきなみですが原因の究明と事故の再発防止に全力をあげることしかありません。また、欠配や店着遅れが許されない新聞印刷を受託することのリスク管理にも注視してもらいたいと思います。「(輪転機という高額な)設備の稼働率をあげる」のはもっともなのですが、ミスが許されない新聞印刷においては緊急時の予備として1セットの輪転機を配備してきたということを経営陣も労働者も忘れてしまったのかもしれません。

 新聞産業は新聞社だけで成り立っているのではなく、関連会社、販売店があって(宅配されて)「商品」として完成されるものです。特にブロック紙の河北新報は東北6県を販売・宅配エリアにしているため、配送作業は大変な労力がかかります。「どこが悪い」、「誰が悪い」と責めるのではなく、リスクを最小限に止める努力を新聞産業の末端の労働者として行っていきたいと思います。

【追記】
NHKオンラインがリンク切れとなったので、青森に住む同業界の仲間から送ってもらった画像を差し込みました。

posted by 今だけ委員長 at 07:52 | Comment(1) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2013年01月19日

ワンコイン応援メッセージ第21弾は東松島市

 今月のワンコイン応援メッセージは、東松島市の野蒜、小野地区で発行します。あす(1/20)の朝刊各紙へ折り込まれますので、同地区の方にはぜひ見ていただきたいと思います。
 ワンコイン第20弾 野蒜・小野エリア.jpg ワンコイン第17弾 名取編2面.jpg 
 東松島市は東日本大震災で市街地の約65%が浸水し、多くの犠牲者が出ました。JR仙石線も不通の状態が続いており、これからのまちづくり″がとても重要な地区です。早期の復旧、復興を願ってやみません。
▽東松島市内震災被害状況写真(東松島市HPより)
http://www.city.higashimatsushima.miyagi.jp/cnt/saigai/bousai/shinsai-photo.html

 全国の皆さんからの応援メッセージが少しでも被災された方の心に潤いをもたらすことができればと思います。
 ワンコイン応援メッセージプロジェクトもあと3回の発行となります。皆さまのご協力をお願いします。

* * * 
ワンコイン応援メッセージプロジェクト第22弾 ご協力のお願い!
 ワンコイン応援メッセージプロジェクトは、被災した新聞販売店への支援と被災エリアへの情報提供を目的に折込チラシを発行するプロジェクトです。
@発行エリア:福島県南相馬市エリア
A折込部数:3,000部程度
B折込日:2013年2月20日頃
C メッセージ受付締切:2月10日
D支援金の振込先:ゆうちょ銀行・店番818・普通口座3265931
 名義:コセキカツヤ
 ※1口500円でお振り込みください。
Eその他:メッセージは140字以内でお願いします。チラシへ表記するお名前(ニックネーム可)、所属、居住地も一緒にコメント欄へ入力してください。

2013年01月03日

読者紹介運動で集めた寄付金を震災遺児へ リスクを跳ね返した朝日新聞の取り組み

 新年あけましておめでとうございます。
 全国的に穏やかな元日を迎え、分厚い元旦号を届けた新聞配達スタッフもホッと一安心といったところでしょうか。大変お疲れさまでした。

 2013年最初のトピックスは、昨年末に報じられた朝日新聞社の読者紹介運動で集まった寄付金(4600万円)を震災遺児のために贈られたというニュース。「朝日新聞の読者を紹介すると1口500円が東日本大震災で親を失った子どもたちの育英資金へ寄付」という触れ込みで、全国で約1万3千人から4万6178件の紹介があったとのこと(読者紹介を受けた販売店・ASAも500円ずつ寄付)。


 ほかの新聞社でも被災地の復旧・復興、被災された方への支援と称して、多大な寄付を当該の新聞社および各自治体などへ贈っています。ただ、今回のように読者を巻き込んだ取り組みは、よほどの信頼がないと逆にマイナスイメージを持たれるというリスクを背負うものです(読売も以前にやってましたが)。被災した販売店からも徴収(あくまで寄付ですが)されるのはムムム…と思いますが、さすが朝日新聞と思わせた取り組みだと思います。

▽朝日新聞の読者紹介運動で寄付、震災遺児支援に4600万円
 朝日新聞社の読者紹介運動を通じて全国から集まった寄付金約4600万円が、東日本大震災で親を亡くした子どもたちを支援する「桃・柿育英会 東日本大震災遺児育英資金」に贈られた。会を立ち上げた一人で実行委員長を務める建築家の安藤忠雄さんが12月20日、朝日新聞東京本社を訪問。木村伊量社長から寄付金の目録を受け取った。
 10月から2カ月間にわたって朝日新聞社が展開した「東日本大震災遺児育英支援・読者紹介運動」では、新たな新聞購読者を紹介した人と、紹介を受けたASAのそれぞれから1件につき500円ずつを預かり、合計1千円を寄付金にあてた。全国約1万3千人から4万6178件の紹介があり、寄せられた4617万8000円が震災復興の支援に結びついた。
 同育英資金は、指揮者の小澤征爾さんやファーストリテイリング会長兼社長・柳井正さん、ベネッセホールディングス取締役会長の福武總一郎さんらが発起人となって2011年に発足。震災遺児らが高校を卒業するまで、自治体を通じて毎月一定額を給付する活動を進めている。
 飯田真也常務取締役販売・教育事業担当、岩谷一弘東京連合朝日会会長らが取り囲むなか、安藤さんは朝日新聞大阪本社の新社屋「中之島フェスティバルタワー」などの話で終始場を盛り上げた。目録を受け取ると、「これまでに38億円集まった。子どもたちがしっかり卒業するまで我々もがんばりたい。ありがとうございました」と話した。(新聞通信 2012年12月25日付)

posted by 今だけ委員長 at 09:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース
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