2012年08月30日

地道にコツコツと…/ワンコイン応援メッセージが神戸新聞で紹介されました!

 8月27日付けの神戸新聞・第4面(オピニオンコーナー)にワンコイン応援メッセージプロジェクトの取り組みが紹介されました。ご執筆いただいたのは同新聞社編集委員の長沼隆之さん。
神戸新聞コラム.jpg 過分な紹介に恐縮しつつ、「兵庫からも、被災者に情報を送り届ける販売店の復興を支援したい」というあたたかいお言葉に、心の底から「ありがとうございます」という気持ちがわき出ました。


 ワンコイン応援メッセージプロジェクトはこれからも、地道にコツコツと「販売店支援+地域への情報発信」を続けて行きます。折込チラシの“チカラ”を信じながら…
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ワンコイン応援メッセージプロジェクト第17弾 ご協力のお願い!
 ワンコイン応援メッセージプロジェクトは、被災した新聞販売店への支援と被災エリアへの情報提供を目的に折込チラシを発行するプロジェクトです。
@発行エリア:名取市エリア
A折込部数:3000部程度
B折込日:2012年9月20日頃
Cメッセージ受付締切:9月10日
D支援金の振込先:ゆうちょ銀行・店番818・普通口座3265931
 名義:コセキカツヤ
 ※1口500円でお振り込みください。
Eその他:メッセージは140字以内でお願いします。チラシへ表記するお名前(ニックネーム可)、所属、居住地も一緒にコメント欄へ入力してください。

2012年08月29日

書き、記録し続けること…地方紙記者はこうありたい


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悲から生をつむぐ
著者 寺島英弥(講談社)1500円

 「この本…読んでみたけど、とってもいいね」。
 11年連れ添った相方が「ポツリ」とひと言。「そういえば寺島さんが書かれた『悲から生をつむぐ』をブログで紹介することを忘れてた」ということで、発行から半年近く経ってしまいましたが紹介させていただきます。

 著者の寺島英弥さんは、小ブログでも何度か紹介をさせていただきましたが、「シビックジャーナリズムの挑戦」など著書もある河北新報社・編集委員の方です。東日本大震災以降、被災地で復興に尽力する人を取り上げた連載「ふんばる」や「余震の中で新聞を作る」というブログで紙面では収容しきれないさまざまな情報を発信されています。この連載やブログのファンは多く、今だけ委員長も被災地で活動していると「河北新報の『ふんばる』っていう連載イイネ!」と声をかけられることもあるくらいです。

 本書は寺島さんが自分の足で被災地を回り、取材を通じて出会った被災者、避難者との「これから」について丁寧に書かれています。寺島さんは「あとがき」にこう記しています。「その場にとどまり、当事者と同じ時間を生きる。それが地方紙記者の仕事の本質なのです。解決すべき問題も、それを考える道筋も、必要とされる支援も、新たに生きる場づくりとしての復興も、いま最も苦しい渦中にある人々こそが、その答えと力(他人をも勇気づける)を持っています」と。


 じつは、今だけ委員長の相方は1年半経った今でも津波被害を受けたエリアへ行くことができないでいます。まだ現実を受け入れることができなのだと思います。無理をして足を運ぶ必要もないし、毎週のように沿岸部へ向かう旦那に対して文句も言わずに送り出してくれるだけで満足なのですが、この本を読んで少し気持ちが変わったというのです。そんな気持ちにさせてくれる、地元にいるからこそ見えてくることがいっぱい詰まった1冊です。
 新聞紙面でも本書のように取材の経過まで掲載されればいいなぁと思う反面、限りある紙面スペースへの掲載はこういう地道な取材活動を凝縮したもの―と感じ取れます。ぜひご一読を!

posted by 今だけ委員長 at 15:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2012年08月17日

石巻・渡波栄田エリアの夏まつりを応援/ワンコイン応援メッセージ第16弾

 東日本大震災から1年5ヵ月が経過しました。被災地(沿岸部の津波被害を受けた地域)ではお墓参りに行きたくとも墓石が流されてしまい、お墓があった場所を特定するのも困難なくらい被害の大きかったところもあります。
お墓.jpg 今だけ委員長の父方の実家(仙台市若林区井戸地区)もお墓ごと流されましたが、何とか墓石は見つかり先祖さまが眠っている場所へ墓石を立てて、2年ぶりに墓前へ手を合わせることができました。お墓の周りには流された墓石が今も積まれたまま。お墓を整備する余裕はまだありません。生きている人のことで精一杯なのです。
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 ワンコイン応援メッセージ第16弾は先月に引き続き、石巻市渡波エリアで発行します。約3000枚のチラシを石巻・小笠原新聞店の万石、鹿妻の両販売店へ来週18日の朝刊折込でお願いしました。
 ワンコイン石巻編第3弾 2012-8-19.jpeg  ワンコイン石巻編 さだえだ夏まつり2012.jpeg
 2面には今月26日に開催される「さかえだ夏まつり2012」のお知らせを掲載。同エリアの区長さんたちが実行委員会を立ち上げて催す「住民による、住民のための」イベントです。私が所属する「ふんばろう東日本支援プロジェクト宮城支部」でも少しだけお手伝いをさせていただく予定です。

 先日、うれしいお知らせがありました。ワンコイン応援メッセージのチラシがきっかけで、福島県南相馬市の被災された方(みなし仮設在住)から支援要請の手紙をもらったというのです。仮設団地とみなし仮設に住む方との間に生じる支援格差については難しい問題ですが、被災された方がチラシを見てレスポンスをくれたことで、対応するボランティアの次なる動きができてくると思います。

 ワンコイン応援メッセージは、今後も継続していきます。皆さまのご協力をお願いします。
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ワンコイン応援メッセージプロジェクト第17弾 ご協力のお願い!
 ワンコイン応援メッセージプロジェクトは、被災した新聞販売店への支援と被災エリアへの情報提供を目的に折込チラシを発行するプロジェクトです。
@発行エリア:名取市エリア
A折込部数:3000部程度
B折込日:2012年9月20日頃
Cメッセージ受付締切:9月10日
D支援金の振込先:ゆうちょ銀行・店番818・普通口座3265931
 名義:コセキカツヤ
 ※1口500円でお振り込みください。
Eその他:メッセージは140字以内でお願いします。チラシへ表記するお名前(ニックネーム可)、所属、居住地も一緒にコメント欄へ入力してください。

2012年08月08日

時間と空間が不可欠な民主主義のシステム

 久しぶりの出張です!「第17回NIE全国大会(7/30〜31)」(日本新聞協会主催)へ参加するため、気温37度を超す福井県へ行ってきました。
 社業で知りえたことを個人ブログへ掲載するといろいろ面倒なので、出張目的のNIE関連のことはスルーして、大会で記念講演を行った反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さんの心に響いた話を紹介します。

268379_3683507084140_1030282875_n.jpg 湯浅さんの父親は元日本経済新聞の記者、母親は教員という家庭環境に育ったといいます。福井新聞でも連載を持っている湯浅さんの話は、いじめや貧困、格差社会の問題を民主主義の基礎となる「考える時間と意見を交わす場」が減っていることが原因だと解説します。湯浅さんになりきって私のメモを起こしてみました。
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【いじめの問題】
 学校内でのいじめ問題が取り沙汰されているが、いじめる人、いじめられる人のほかにその周りにいる人のことの方が心配だ。先生にいじめの事実を話せば、次は自分がいじめられるかもしれないと知らないふりをしてしまう。でも気持ちが“ざわざわ”して悩むわけだ。でもだんだんといじめられている人に問題があるからいじめられているのだと思うようになってしまう。「普通にしていればこうならないだろう」と。ホームレスの人たちもこのような目で見られているが、同じ社会のメンバーからその人を切り離すことで“ざわざわ”する気持ちを忘れようとしてしまうのだ。

【民主主義は面倒くさくて疲れるシステム】
 この国は民主主義国家だ。しかし、民主主義は面倒なもので、自分たちで物事を決めていくことは大変なものだ。いろいろな異なる意見を持つ人と意見の調整をする、合意するというのは相当の労力が必要なのだが、民主主義の主権者である私たち国民はそこから降りるわけにはいかないのだ。国民一人ひとりがすべての問題を背負わないと(引き受けないと)成り立たないシステムが民主主義といってもよい。その民主主義を引き受けるための条件として、時間(分担)と空間(議論)が必要になってくるわけだが、いまの社会は忙しすぎて時間も空間も確保できない状況にある。親の介護で大変な人は介護の話し合いに参加することも、考えることすらできない。子育てに追われている人は子育ての会合で議論することもできないのが現状だ。こういう人たちが増えると参加型の民主主義は成り立たない。

【教員もマスコミ関係者も既得権を振りかざしてはいないか】
P1020639.jpg 「既得権益を手放さない」。教員もマスコミ関係者もそう言われている。既得権とは一度レッテルを張ってしまうと楽になる。開き直れるのだ。現状の仕事や役割(忙しさ)を盾にして古臭い制度を守る。そういう何もしない人をやっつけてくれるヒーローが求められている。これを「水戸黄門型民主主義」(小泉純一郎元首相もそうだった)と呼んでいるが、何かアクションを起こしてもまた他の問題が生じる。この繰り返しだ。根本的な問題はやはり時間と空間が作られていないということ。

【格差社会と無縁社会】
 いまは金持ちほど働いている。格差社会とは競争社会であるから、そもそも余裕のある人からも時間と空間を奪ってしまうことになる。義務教育のメリットは時間と空間が確保されているということ。あえてデメリットを言えば受験のための競争が優先されてしまい格差を生み出す温床となっていること。また、社会生活に必要なコミュニケーションも薄れていると感じる。「考える人になれ」と言っても難しい社会だ。
 家族には「血縁」、地域では「地縁」という人間同士の結びつきがある。高度経済成長期以降は特に男性には「社縁」(同じ会社員同士のつながり)という結びつきが強くなっていく。いま、東日本大震災の被災地の仮設団地で問題になっているのは、中高年の男性が自分の居場所がなくなってしまっているということだ。血縁も社縁も失った人たちはやることもなくパチンコ屋へ行ってしまう。「仕事をしろ!」「そのような人たちが働ける仕事を作れ!」と多くの人は言う。でもそれは誰もがわかっていることだ。時間と空間がないために何の問題も解決しないのに職業訓練など同じことばかりやっている。無縁化していく中高年男性の問題は格差社会が生んだ歪なのかもしれない。

【信頼関係がないと問題は解決しない】
 「足湯ボランティア」の目的は単に気持ちよくなってもらうことではない。15分程度の時間で面と向かって話ができる空間づくりがその目的なのだ。あかの他人とつながるのが社会であるとおり、そもそも社会とは無縁なものだ。いじめを受けている子どもに「困ったことがあったら相談して」といっても信頼関係がなければ「大丈夫…」としか言わないものだ。「言っても解決してくれないだろう」と思うからだ。人と向き合うということは難しいものだ。仮設団地の自治会長さんたちは無縁の人を結びつける努力をしている。とても大変な苦労だと思う。

【民主主義と生産性は対立しない】
 教員とマスコミ労働者は民主主義を支えていくために必要な仕事をしている。いわば民主主義に参加するための時間と空間が確保されている。そのアドバンテージを活用して民主主義を支える時間と空間をより多くの人が確保できるような社会、考える子どもたちへの教育に取り組んでもらいたい。
いま起きている社会の問題は時間と空間を作れなかったことが原因だと思っている。そもそも民主主義と生産性は対立しないものだ。そのあたりの役割をしっかりやってもらえば、既得権者とは呼ばれなくなるだろう。

NIE福井大会、湯浅誠氏が記念講演 考える土壌は学校に 「時間と空間」見直そう(福井新聞 8/2付)
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nie/36103.html

posted by 今だけ委員長 at 08:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年08月02日

「明るい未来のため」原発の早期導入に積極的だったのは日本の旧財閥系企業

 ―昨年3月の福島第一原発事故以後、このような問いがよく発せられるようになった。「原爆の被害国である日本はなぜ原発を受け入れるようになったのか」。

 毎週末、総理官邸前で行われている「原発再稼働反対!」のデモ活動の輪が広がりを見せるなか、今だけ委員長もこの疑問をずっと引きずっていました。その答えがようやく判明しました。それも何げなく読んでいた東京新聞夕刊記事(7/31付)というマニアック?な紙メディアからの発見でした(共同通信の配信かもしれません)。

 「原爆と原発」を新聞に寄稿した有馬哲夫氏(早稲田大教授・メディア論)の考察は、著書「原発・正力・CIA」ビデオニュース・第532回(2011年06月25日)でも配信されていますが、記事を読み進めてみると米国の反対をよそに日本の旧財閥系企業が原発を積極導入しようと動いた歴史が見えてきます。それも、その旗頭を担っていたのが(当時)読売新聞社主の正力松太郎氏だったというのですから、びっくり仰天。


1304880744.jpg 有馬氏の寄稿を要約すると、1955年にシドニー・イェーツ議員が米国下院へ@米国政府は日本政府と協力し、日本における事業用電力増産のために発電用原子炉建設に着手すべきA広島が世界の原爆の洗礼を受けた土地であることを鑑み、米国政府は同地を原子力平和利用の中心とするよう助言すべき―を提案。しかし、このイェーツ案は当時のアイゼンハワー政権幹部から支持を受けることはなかった。その理由としてⓐ日本に原発を与えれば、それはプルトニウムを産出するが、これは核兵器の原料となるⓑ広島原発で産出されたプルトニウムは、米国に返還されることになるが、そうすると広島で造られたプルトニウムから米国が核兵器を製造することになり、日本に対して心理的に大きな問題を生む―というものだった。米国務省文書には、広島に原発を建設することではなく、同地にある原爆傷害調査委員会を改組することにあったのだが、広島市の指導者たちが原発を歓迎していることで急きょ、医療用の原子炉を広島へ建設することを外務省へ申し出ることに…。しかし、米国政府が申し出た小型の実験炉では満足できない日本の旧財閥系企業が本格的な原発を導入しようと動き始めており、その旗頭になったのが当時の日本テレビ社長にして読売新聞社主の正力松太郎氏。56年に原子力委員長となった正力氏は原発の早期導入を目指し、その後、正力氏は英国から原発を輸入することを決定する。日本が米国から原発を輸入するようになるのは、「(原発の輸出を)禁止しても日本は他国から買うだけだ」と思い知らされたからだという。日本は原発を結果として受け入れたというより、米国の反対にもかかわらず「明るい未来のため」に自ら求めたという。(一部原文を引用)


 このような歴史的事実をしっかり残していくことが新聞に求められていると思います。有馬氏の考察が「事実とは言い難い」のであれば、両論を掲載してより多くの読者の議論を呼びかけるべきです。また、このような検証記事を新聞社によって「書かない」「書けない」ということが一番の問題。がんばれ新聞労働者!
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ワンコイン応援メッセージプロジェクトご協力のお願い!
 ワンコイン応援メッセージプロジェクトは、
被災した新聞販売店への支援と被災エリアへの情報提供を目的に折込チラシを発行するプロジェクトです。
@発行エリア:宮城県石巻エリア(前回に引き続き石巻エリアで発行。エリアは検討中)
A折込部数:3000部程度
B折込日:2012年8月20日頃
Cメッセージ受付締切:8月10日
D支援金の振込先:ゆうちょ銀行・店番818・普通口座3265931
 名義:コセキカツヤ
 ※1口500円でお振り込みください。
Eその他:メッセージは140字以内でお願いします。チラシへ表記する
 お名前(ニックネーム可)、所属、居住地も一緒にコメント欄へ入力し
 てください。

posted by 今だけ委員長 at 05:45 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記
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