2012年04月26日

なぜか新聞販売店の押し紙訴訟は滋賀県で起こる…?

 地域メディアの中にあって、どっしりと存在感のある県紙の普及率が高い地域に比べ、県紙がない地域は全国紙や隣県の地方紙が部数伸長のためにせめぎ合うもの。こういう地区では競争(というか乱売)が激高し、裁判沙汰になるケースが後を絶たないものです。

 26日の朝刊各紙(第二社会面あたり)に掲載された共同配信のベタ記事ですが、「押し紙訴訟」が京都で起きているようです。NHK滋賀県ニュースのサイトではアップされていたようですが、現在はクローズ。そのほか、ネットには登場していません。


(ここから引用)
「販売押しつけ」京都新聞を提訴 元経営者
 購読者数を上回る部数の新聞を押しつけられ廃業に追い込まれたとして、京都新聞社の販売店の男性元経営者が同社に約1億880万円の損害賠償を求める訴訟を大津地裁に起こしたことが25日、訴訟関係者への取材で分かった。
 訴状によると、元経営者は1988年から販売店を経営。昨年8月に廃業するまで同社と契約を結んでいた。近年、購読者が減少したが、同社が圧力をかけ必要以上の部数の新聞を送り続けたため、代金を回収できず経営が悪化したと主張。「負担に耐えられなくなり廃業した」としている。
 京都新聞グループの松山和義広報担当は「訴状がまだ届いていない。事実関係については、今後明らかにしていきたい」とコメントしている。
(引用終わり)

 廃業を決断するまでは新聞社との契約もあって、「モノを言えない」のが新聞販売店(経営者)の現状です。ぜひ、この記事を掲載した新聞社は、ことのいく末をしっかり報じてもらいたいものです。提訴だけなら大したニュースではないはず。新聞社と販売店のそのような関係を司法がどのように判断するのか―。追いかけてもらうことを期待しています。

posted by 今だけ委員長 at 22:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年04月24日

ワンコイン応援メッセージ第12弾は南相馬市エリアで発行!

 ワンコイン応援メッセージプロジェクトも取り組みからちょうど1年。当初から被災3県で発行したいと考えていたのですが、今回やっと福島県(南相馬市)の販売店さんへ折り込んでいただくことになりました。また、今回はリコーさんから印刷用紙2,000枚の寄付もいただきました。
  ワンコイン応援メッセージ 南相馬編1面.jpeg ワンコイン応援メッセージ 南相馬編2面.jpeg

 南相馬市エリア(旧原町)で発行するワンコイン応援メッセージ第12弾は、福島民友、福島民報の地元紙を中心に27日、6,500部の新聞各紙へ折り込まれます。
 福島県折込広告社の担当者からは、「福島県内は原発問題など難しい状況なので(メッセージの)表現には注意願います」と言われました。それだけ、避難されている方は厳しい状況に置かれているのだろうとあらためて感じました。
 2面には、私も参加している「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の福島支部からのお知らせを掲載しました。

 引き続き、ワンコイン応援メッセージプロジェクトに取り組んでまいります。ワンコイン(500円)で被災地に住む方へ応援メッセージを送ってみませんか?被災した新聞販売店への支援にもつながります。皆さまのご支援をよろしくお願いします。
 ワンコイン応援メッセージプロジェクトへの問い合わせは、
koseki.k@gmail.com まで!

2012年04月23日

組織の人間だからわかるだろう… ジャーナリズムの譲れないもの

 
  真実 新聞が警察に跪いた日.jpg
真 実
 ―新聞が警察に跪いた日―
著者 高田昌幸(柏書房)1,900円

 以前にも小ブログで書きましたが、著者の高田昌幸さんと初めてお会いしたのは2004年初夏。当時、日本新聞労働組合連合主催の産業研究会で知り合った若手労組員たちが「SNS(mixi)を使った情報交換を」と、立ち上げたコミュニティ「ローカルメディアネットワーク」のオフサイトミーティングでの会場でした。高田さんの講演(そのほか湯川鶴章さん寺島秀弥さんも講師として参加)を聞き、その夜の懇親会で「学生時代は新聞奨学生として販売店へ勤務していた」という話から、いろいろとご相談をさせていただくようになりました。

 本書は、北海道新聞(道警裏金取材班)が北海道警察の裏金疑惑を暴き、その一連の取材に対して新聞協会賞などを受賞。その後、新聞報道とは別に著書「警察幹部を逮捕せよ!」(旬報社)、「追及・北海道警『裏金』疑惑」(講談社)の4カ所の記述に対して道警の元総務部長である佐々木友善氏が、名誉棄損で高田さん、佐藤一さん、道新、出版社を訴え、昨年6月の最高裁への上告棄却による結審を迎えるまでの間で繰り広げられた「組織の命を受けた人たちの動き」が描かれています。高田さんいわく「僕の目線」で書いた総括本とのことですが、虚飾なくこの問題の真実がまとめられています。
 文中に時折登場する「高田君、あなたも組織の人間ならわかるだろう」という会社上層部のもの言いは、権力監視をする新聞社(そう願っていますが)という組織をダメにしていくのだと思います。そこで抗えるかどうか―。いまの新聞社に働く方々を見ていると「抗う要件」をも個別バラバラになっているように感じます。組織の人間だから“わかる人たち”が組織の中枢に君臨する新聞社って、どうなのかなぁと…。いろいろな考えを巡らせながら、飛ばし読みができない1冊でした。

▽高知へ行ってきました
高知新聞社.jpg 「南海トラフ(浅い海溝)で起こる巨大地震で34メートルの津波が予測されているのに会社の準備が遅れている」。
 高知新聞労働組合(中屋守委員長)と新聞労連四国地連(村川信佐委員長)の共催による「震災学習会」が20日、高知新聞社会議室で開催されました。会場には約70名の組合員や編集局長などの役職者も参加されました。
 岩手日報大船渡支局の鹿糠(かぬか)敏和さんと小関勝也がそれぞれ60分ずつ東日本大震災での経験をもとにした留意点などを報告しました。小関は「新聞販売現場から見た東日本大震災の課題」と「震災時の初動」というテーマで、「有事の際の新聞社と販売店の関係(販売店経営のサポート態勢)」「配達スタッフの使命感に感謝」「配達エリアの安全が確認されないうちは人を送り出さない」などの話をさせていただきました。また、高知労組の計らいで、ボランティア活動支援のためのリストバンド(1個300円)の販売も行っていただき、持ち込んだ100個すべてを完売していただきました。


▽「やりたいことはたくさんある」 高田さんとの再会
 学習会の後、1時間程度時間が空いたので、4月から高知新聞社へ中途入社された高田昌幸さんを訪ねました。「いまは試用期間中なので」といつもと変わらぬ笑顔で対応してくれた高田さん。近況を報告しながら、地元紙、本記とサイド記事、新聞デザイン、新聞産業問題、福島第一原発―などのキーワードでいろいろな話をさせていただきました。

 これまでも多くの知人が新聞社を辞め、活躍している人たちも少なくありません。その方々は口をそろえて「新聞社は肥大化する組織にがんじがらめになって何もできないよ」と言います。でも、新聞社(新聞産業)を何でもチャレンジできるような組織に変えていくことも大事。外圧でもって変革を求めるよりも内側から変えていく人たちの方がカッコいいと思っているので、高田さんの再就職に「いいね!」です。

posted by 今だけ委員長 at 23:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2012年04月13日

ワンコイン応援メッセージプロジェクトが道新で紹介されました!

北海道新聞 2012年4月6日付.jpg 「新聞発行のアンカーたち」という素晴らしい表題を記してもらいました。

 北海道新聞4月6日付けの「かわら版」(デスク持ち回りのコラム)にワンコイン応援メッセージプロジェクトの取り組みが紹介されました。書いていただいたのは同社旭川支社・嵯峨仁朗さん。
 嵯峨さんは応援メッセージにも賛同してもらい、少しでもこのプロジェクトが広がってくれればとご協力をいただきました。


 4月は福島県南相馬市(旧原町)の指定エリアで発行の予定です(応援メッセージの受付は締め切りました)。現在はソーシャルメディア(ツイッターとフェイスブック)で告知をして、問い合わせをいただいたから方へご案内を送る仕組みですが、その広がりについてはいまひとつ…(私の告知能力に原因アリ)。
 引き続き、皆さまのご支援ご協力をお願いします。ワンコイン応援メッセージへの問い合わせは、
koseki.k@gmail.comまで。


ツイッター(@kose_k)でのツイート
ワンコイン応援メッセージ第12弾発行へご協力ください。4/22折込予定でエリアは福島県南相馬市(旧原町市)。メッセは4/12までDM。1口500円を「ゆうちょ銀行・店番818・3265931・コセキカツヤ」へ振込。よろしくお願いします。
http://bit.ly/yiVJJt (4/5ツイート)


 

2012年04月12日

新聞折込広告でサンプル配布も可能に

 仙台市内の一部地域を対象にチョッと変わった新聞折込チラシ(最近はフライヤーと呼ぶらしい)が折り込まれました。

ソフトイン1 1面.jpg「ソフトインワンなら朝が変わります!うれしいサンプル付き!」と記されたその広告は、ライオンのシャンプー「Soft in 1(ソフトインワン)」の試供品(10ml×2ヶ入り)が“のり付け”されたチラシ(B3変形)で、春らしいスカイブルーを基調にしたデザインで3人の読者モデルさんが登場するフライヤー。4月10日の朝刊折込。

 販売店からすると、折込丁合機で作業ができないため手組となり配達作業も大変なのですが、読者からすると「おやっ」と注目されること間違いなしです。今のところ破損による液もれなどの連絡もなく、新聞購読者へきちんと届けられました。

ソフトイン1 中面.jpg 今回のようなサンプルを新聞に折り込んで配布するという広告手法もさることながら、読者に対しては付加価値の提供ともなり得るので一石二鳥だと思うのですが…。

 新聞配達のインフラに『モノを乗っける』というビジネスも開拓の余地があると思います。販売店ももっと間口を広げて宅配網を活用していきたいものです。

試供品.jpg
  試供品はコレ↑

posted by 今だけ委員長 at 18:14 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2012年04月06日

新聞をヨム日 春の新聞週間がはじまりました!

 例年のことですが、4月6日は「新聞をヨム日」。春の新聞週間がはじまりました。
 昨年は東日本大震災ですべての仕掛けがキャンセルになってしまいましたが、今年は各系統販売店が協力をして新聞のPRに取り組みました。
  P1140776.JPG  P1140778.JPG
 新聞業界のPR作戦はいつものように早朝から展開されました。写真は仙台市内で最も世帯数が多い高層マンションのエントランスでのPR。朝6時から試読紙を180部(各紙30部)を設置したものがお昼頃には品切れになっていました。

 もう一つの取り組みが「朝マック with ニュースペーパー」。朝マックを注文した方へ新聞も一緒にサービスするというもので、全国の47都道府県の各1店舗で展開されました。いつもはケータイを見ながら“朝マック”している人たちが、ところ狭しと店内で新聞を広げている様子は何故かタイムスリップしたようにも感じました。
▽「朝マックで若者に新聞提供 春の新聞週間始まる」(47ニュース)
http://www.47news.jp/news/2012/04/post_20120406144755.html

 全国各地で同様の取り組みが展開されていると思いますが、ぜひ「これはすごい!」という情報をお寄せください。
posted by 今だけ委員長 at 22:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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