2011年10月22日

新聞社のネット展開 金儲けだけの話じゃない気がするのですが…

 新聞社が「紙か、ネットか」という力の入れ方を選択すること自体ナンセンスで、「(事業として)両方やる」ことが必要だと小ブログでも書いてきました。
 「ニュースコンテンツの発信方法の違いで右往左往するよりも、読まれる記事を提供すれば読者は購読料を払う」という基本的な考えに変わりはないのですが、新聞はパッケージ商品として価格が設定されているため、「価格差」と「ネット環境」、そして「それぞれのメディアからのロイヤルティ(付加価値付与)」によって、消費者の選択肢はいろいろと広がっているようです。


 ライフメディアが行った「新聞に関する調査(11/21プレスリリース)」によると、今回の調査で以下の内容がその主だった特徴と分析されています。


■新聞(紙媒体)を「ほぼ毎日読んでいる」人は48%。若年層は「ほぼ毎日読んでいる」人が少ない傾向がみられる。
■新聞を読んでいる人の89%が「定期購読(自宅)」で購入していると回答。
■新聞の定期購読は88%が「1紙」と回答。
■59%が最初に目を通すのは「一面」と回答。
■新聞を読んでいない理由は「インターネットのニュースで十分だから」「テレビのニュースで十分だから」が上位に。
■新聞の電子版、10%近くが「現在利用している」。「58%は「利用してみたい」と回答。
※調査結果:有効回答数1200件、調査期間:2011/10/1〜10/6、対象者:10代から60代の全国男女

 新聞を購読していない理由(購読していない人336人の回答)のなかで、「インターネットのニュースで十分」が560.%、「テレビのニュースで十分」47.3%、「価格・購読料が高い」36.3%、「新聞を読む習慣がない」31.3%と続いています。トップの「インターネット…」は各新聞社やポータルサイトのトップページにある無料配信されているコンテンツを指し、3番目の理由にあがっている「価格・購読料…」も含めると情報収集に対して支払う費用が縮小もしくは、その効果が費用以上に表れないため無料のもので間に合わせているという印象を受けます。世間ではケータイ電話よりも毎月の利用料が高めの「スマフォ」の利用者が増えていることからすると、NHK受信料なども含めた1世帯(1個人)あたりの情報通信メディアに使われる費用は、総収入の低下傾向を反映して「絞り込み」に入っていると思われます。

【新聞社の次なる収益拡大策は紙か、ネットか】
 ポータルサイトへ配信されているニュースコンテンツはその多くが新聞社によって提供されているわけですが、広告モデルで成長してきた(無料)ポータルサイトへの配信料を引き上げることは至難の業。ということで、日本経済新聞社(2010/3〜)、朝日新聞社(11/5〜)は有料「電子新聞」を創刊し、「紙」の購読者へ配慮した形で価格設定を行い、ニュースコンテンツの購入者拡大に取り組んでいます。

 そのなかで、読売新聞社の動向が業界内でも注目されているわけですが、「月刊FACTA」11月号に読売の電子新聞に関する見通しが掲載されています。読売へ一定程度の取材はしたようですが、その全容はまだベールに包まれたまま(記事では2012年3月から有料電子版を創刊する方針を固めたと観測表記になっています)。読売ほどの大新聞社ですからシステム構築などは既にできあがっていると思われますが、現状の新聞社の経営基盤を支えている「紙」の読者を下支えするために、ネットを活用するという読売のスタンスに変わりはないようです。
 読売は3・11大震災で一時的に1千万部(ABC部数)を割ったものの、また復元させてきたところを見ると(販売店へかなり強硬に押してるみたいですが)「紙」に特化した企業戦略は当面続くようです。

▽正体あらわす読売の「電子新聞」(FACTA 2011年11月号)
「紙の1千万部死守」が至上命題。料金は日経、朝日の半分以下か。新聞購読者にのみ電子版ニュースを配信する構想。(全文読むには会員登録が必要)
http://facta.co.jp/article/201111018.html

※追記(10/24)
jazzcupさんからのRT「特に地域に由来するメディアにとっては、まず非営利の分野でどれだけ実績を残せるかが重要です。ビジネスはその先の話です

posted by 今だけ委員長 at 06:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2011年10月16日

調査報道を支えるのは「志」、「志」を支えるのは上層部の強い意志だ

  権力vs調査報道.jpg
権力VS.調査報道
編著 高田昌幸・小黒純(旬報社)2,100円

 元北海道新聞記者で道警裏金問題を追及した高田昌幸さんから、ページをめくるのがワクワクする著書を謹呈いただきました。睡魔に襲われることなく、久しぶりに一気に読めた一冊です。

 まえがきには、「本書は権力監視型調査報道の取材プロセスを明らかにし、共通項や問題点を探りだすことが狙いである」として、リクルート報道で政治権力に斬りこんだ山本博(元朝日新聞記者)、地位協定関連文書のスクープにより外交機密をえぐり出した前泊博盛(前琉球新報論説委員・沖縄国際大学教授)、高知県闇融資問題で地方権力に挑んだ佐光隆明(元高知新聞社会部長・朝日新聞特別報道センター長)、特捜検事による証拠改ざんで捜査当局の闇を暴いた板橋洋佳(元下野新聞記者・朝日新聞記者)の4氏への取材(インタビュー)で構成されています。
 最近の新聞記事やテレビなどとは違い、シナリオのない取材は“しつこい”と思うくらい徹底されていて、新聞記者の取材ってこういうものなのか(高田さんがそのような取材をしてきたのだと思いますが)と、4氏の“次の言葉”をワクワクしながら読み進められます。
 特に、調査報道の金字塔と言われるリクルート報道(山本氏への取材)では、一連のリクルートコスモス社の未公開株の賄賂をめぐって3-4人の記者が警察の捜査打ち切り後も丹念に取材し、大物政治家の不正を暴いていく報じ方は読んでいてグッとくるものがあります。さらに山本氏は、「調査報道は3つの要素がないと成り立たない」とし、第一にそのニュースが社会的に深い意味を持っているか、第二にそのニュースに国民の幅広い共感が得られるか、第三にそのニュースによってどんな効果がもたらされるか―と断言します。
 熟練記者からすると「そんなことあたり前だ」と返ってきそうですが、発表ものが紙面の多くを占めている現状からすると“もっと調査報道に徹して権力側にうごめく闇を暴いてもらいたい”と思っている読者は少なくないはず。その声にもっと応えるよう期待したいと思います。


 本書で紹介されている4氏が取り組んだ調査報道は、社会的にも大きな関心があった「大スクープ」と称されますが、地道に取材を重ねている全国紙、地方紙の記者もたくさんいます。高田さんがすごいのは「日本の現場・地方紙で読む」を発行し、日の目は浴びないけれども、ふんばっている記事(記者)も丹念に取り上げているところにある…。そのような高田さんの思いを感じながら読ませていただきました。

▽日本の現場・地方紙で読む
地方紙の存在を改めて市民に知ってもらうために世に送りだされた一冊!
http://minihanroblog.seesaa.net/article/160868372.html
posted by 今だけ委員長 at 23:21 | Comment(2) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2011年10月13日

このブランケット版を使ったPR特集はANY連合の仕掛け?

 きょう、仙台市内中心部のマンションなどにポスティングされていた日本経済新聞の「ガイド版・東北復興特集(非売品)」(8ページ)を見てビックリ。
朝日新聞PR版.jpg じつは先月も同じようなブランケット版を使った朝日新聞の「PR版」(12ページ)が新聞の読みどころをプッシュ(オマケじゃなくて新聞紙面を売る)するPR新聞を配っていたので、「これは同じ仕掛けか…」と驚いてしまいました。これに読売新聞の「PR版」が加わると、間違いなくANYでアイディアを出してこしらえた“赤ペン”連合PR版となりますね。

 両紙とも赤や緑のマーカーを使って記事の「見出し」、「リード」などを解説し、新聞の読み方のコツをアピールしています。ヘタなパンフレットを作るよりよっぽど効果的だと感じました。


日本経済新聞 ガイド版・東北復興特集.jpg これまで、読者獲得のための販促チラシ系は販売局が主体となって制作してきましたが、編集部門が積極的に紙面のPRに乗り出してきた(遅いくらいですが)という印象を受けます。他紙ながらあっぱれ!

 オマケじゃないんですよ新聞を生活必需品のひとつとして、長く購読してもらうということは…。

posted by 今だけ委員長 at 20:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | きょうの喜怒哀楽

2011年10月11日

ワンコイン応援メッセージ第6弾は東松島市です!

 東日本大震災から、きょうで7カ月。
 国会では平成23年度第三次補正予算、復興財源の取りまとめに与野党間でダラダラと…。でも、厚労省が仮設住宅に入居している被災者に対して石油ストーブとこたつを補助するとのニュースが飛び込んできました。
▽仮設住宅の石油ストーブ・こたつに補助 厚労省(朝日新聞10/8付)
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201110070673.html
 行政側が管理しやすい仮設住宅入居者(避難者)が対象となるようですが、自宅が床上浸水し2階に居住している在宅避難世帯についてもその対象にしていただきたいと思います。


 6回目となるワンコイン応援メッセージ。今回は東松島市エリアの新聞販売店4店舗へ7450部を願いしました。毎月11日の朝刊各紙へ折り込んでいたのですが、今月は11日が休刊日なので12日(水)の朝刊へ折り込みます。ご賛同をいただいた皆さま、どうもありがとうございました。

ワンコイン 東松島編 1面.jpg  ワンコイン 東松島編 2面.jpg

 2面には東松島市でボランティア団体「SAVE東松島」の尾形 功太郎さん(ふんばろう東日本支援プロジェクトにも参加)にお手伝いをいただき、同市で震災による被害を受けながら復興を目指し、営業を再開されている「お店」のPR面として活用していただきました。
 地域経済の復興はとても重要なことです。ぜひ、東松島市へお越しの際は地元の「お店」をご利用いただければと思います。
■SAVE東松島 (東松島有志ボアンティア) 
http://save-hm.org/
■東松島市 地震 津波 宮戸 野蒜 現地情報 http://higashimatsushima.blog69.fc2.com/

 引き続き、ワンコイン応援メッセージプロジェクトは3・11大震災で多くの被害を受けたエリアの新聞販売店の支援と、地域住民への情報発信を目的に発行してまいります。皆さまのご支援をよろしくお願いします。
 ワンコイン応援メッセージプロジェクトへの問い合わせは、koseki.k@gmail.com まで!

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