2010年02月25日

日経電子版が3月23日からサービス開始

 発表から約1年。いよいよ日本経済新聞電子版(WEB版)がスタートします。


 日本経済新聞社は24日、インターネットでニュースを提供する有料の「日本経済新聞 電子版」(Web刊)を3月23日に創刊すると発表した。
 すべての情報が無料だった「NIKKEI NET(日経ネット)」を見直し、一部の情報は購読料を払った会員のみが閲覧できるようにする。日経は「デジタル分野の強化で収益を上げていくことが不可欠だ」(喜多恒雄社長)と、紙の新聞以外の収益源にしていきたい考えだ。
 料金は、電子版のみの購読者が月額4,000円、日経新聞の購読者は月額1,000円。有料会員は、朝夕刊や速報用のすべての記事やコラムなどが見られる。
 約300万部の新聞を発行している日経は、電子版でも早期に約30万人の読者を獲得したいとしている。
(2010年2月25日  読売新聞)

 きのう行われた記者会見では、日経の喜多恒雄社長が「パソコンや携帯電話などデジタル機器に親しんでいる方々にも電子版を通じて良質なジャーナリズムを提供する」と語り、時事通信社も「(日経電子版が)活字離れが進む若年層などの需要を掘り起こし、業績が低迷する新聞業界の再生モデルとなるか注目される」と報じています。
 米国ではWSJ(ウォールストリートジャーナル)を追いかけるように、経営に窮する新聞社がオンラインニュースの課金システムを導入し、しのぎを削っています。「紙」そのものをやめてウェブ新聞へシフトする新聞社も出てきているのですから、日本のビジネスモデルとは大きく違うとはいえ、米国の新聞産業界の状況もも全く無視はできないかもしれません。

 さて、今回日経がスタートさせる電子版はビジネスモデルとしてどうか。ツイッターなどのメディアに書きこまれる反応はというと、「ひと月4,000円は高すぎる(新聞を購読していればプラス1,000円)」という意見が大半を占めているようです。日本人に「情報への課金」がどの程度浸透するのか興味のあるところですが、日経は電子版契約者のターゲット(いわゆる上流階級?)を絞っているので、フツーの生活者がどうこう騒いだところで「そんなの関係ない」といったところでしょうか。それでなくとも15年以上値上げしていない新聞社が企業資産(データベース)をデジタル化して「客単価をあげる」ことは、今後の新聞社の経営にとっても必要不可欠なことだと思います。

 「高い、安い」の論だけでなく、それに見合ったコンテンツが盛り込まれているのかどうか注視したいと思います。私も日経を購読しているので「プラス1,000円」をとりあえず申し込もうと思います。

 ツイッターではこんな“つぶやき”も・・・。

ume_maru.jpgume_maru 日経のWEB版が大分話題になってるようですが、既存の新聞社も既に記事検索データベースという課金モデルのベースは持っていますよね。産経アプリのようなものをイメージしてると高く感じますが、データベースを利用できると言う付加価値で考えれば決して高い料金では無い。



▽日本経済新聞電子版広報部サイト
http://pr.nikkei.com/
▽「メディア企業も技術を重視すべき」日経電子版でブロガーらが討論(日経ITPRO)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100225/345031/


追記】
▽「日本経済新聞 電子版」発表で感じる発想転換の難しさ(大西宏のマーケティング・エッセンス)
http://ohnishi.livedoor.biz/archives/51044738.html
日本経済新聞電子版の価格設定から透けて見える日経のホンネA Successful Failure
http://d.hatena.ne.jp/LM-7/20100224/1267021310

posted by 今だけ委員長 at 19:18 | Comment(2) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2010年02月22日

とうとう… 電通「2009年日本の広告費」がリリース

 電通が22日、恒例の「2009年の日本の広告費」を発表しました。

 総広告費は5兆9,222億円で前年比11.5%減。注目すべきはこの不況下でもインターネット広告が前年比1.2%増の7,069億円と微増したことなのですが、予想していたこととはいえ新聞広告が6,739億円(前年比81.4%)と大きく落ち込み、ネット広告に追い越されました。
 マスコミ四媒体(5年連続前年比マイナス)のなかでも新聞広告の落ち込みは最も大きく、長年君臨してきた2位の座をネット広告に明け渡す格好になったわけです。

 電通の分析によると「広告収入の落ち込みは新聞社の経営にも大きな影響を与えており、相次ぐ夕刊廃止や新聞社刊の編集・印刷・輸送面での相互提携、ウェブや電子版の有料化、購読料の値上げなど、既存の枠組みを超えた合従連衡やコンテンツの有料化戦略など、業界全体として課題に積極的に取り組む動きが目立った」とありますが、先行している新聞社が取り組み始めたばかりで、全体的な動きにはなっていません。
 一方、インターネット広告費は、媒体費5,448億円の前年比117.0%(モバイル1031億円、検索連動(PC)1,710億円)、インターネット広告制作費1,621億円の前年比100.7%で、7,069億円(前年比101.2%)となりました。ツイッター効果も影響しているようです。


▽ネット向け広告費が新聞上回る 09年、全体の下げ幅過去最悪(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010022201000452.html

▽電通広報部が配信したプレスリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2010/pdf/2010020-0222.pdf

posted by 今だけ委員長 at 23:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

ツイッター活用法「誰をフォローするか」がポイント

 このところ、いろいろな情報を得るのにツイッターがとても役立っています。

 これまでお気に入りのブログはRSS機能で更新を確認したり、グーグルのキーワードを入れると1日1回情報を送ってもらうアラート機能などでその都度チェックしていましたが、ツイッターはタイムリーにさまざまな人や組織の発信を得ることができる優れモノ。やっとツイッターの素晴らしさがわかってきたような気がします。
 大きなポイントは「誰をフォローするか」ということ。私は四六時中ツイッターを眺められる状況ではないので、フォローする人数を100人までとしています。もっと使い方をマスターして自分なりの“心地よい”ツールにしていきたいと思います。最初は「暇つぶしツール」だと思っていましたが、オモシロイものです。


 そのツイッターで知ったネタを2本アップします。おそらく、このブログは新聞産業の内側にいる人の訪問が多いと思いますが、新聞社に勤めている人はSNS(mixiなど)やツイッターの利用頻度が相当低いので意外と知らないネタかもしれません。「耳が痛い」ネタもあると思いますが、人間は誰もが1日24時間しか与えられていないので、その中で優良な情報をキャッチすることが大切だと思います。
 私は備忘録としてもブログを書いているわけですが、ある意味、優良な無料情報をもお知らせするボランティア活動もしているのかなぁと勝手に思い込んでいます。失礼しました。

▽政治家とマスコミの愚、公認会計士が直言(Blog vs. Media時評)
http://blog.dandoweb.com/?eid=89184
 鳩山首相と小沢民主幹事長の政治献金問題。会計の観点からすると、鳩山総理の政治資金規正法違反が真っ黒なのに対して、小沢幹事長は限りなく真っ白に近いと言います。新聞記者はもう少し会計の基礎知識を勉強して報道した方がよいという苦言も…。


▽断末魔の新聞とテレビ(坪田知己のメディア転生:第7回)
http://ow.ly/19HM9
 このブログでも何度か紹介している坪田さんが先週発売の週刊東洋経済が特集した「再生か破滅か 新聞・テレビ断末魔」について言及。「新聞経営者の浅知恵に唖然とする。委託印刷、共同配送、共同通信への再加盟・・・こんなのは小手先のとりつくろいに過ぎない」と言い切ります。「経営学の基本を学んでください」、「経営陣の若返りが急務だ」と、とても切れがよいコラムです。新聞経営者には耳が痛いかもしれませんが…。

posted by 今だけ委員長 at 20:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年02月20日

とうとうパンドラの箱が開いた「朝日新聞 新入生応援 学割キャンペーン」

 「どこの新聞社が最初にやってくるか」。新聞業界(販売)の内側にいる人間からすると、とても興味があった購読料の「学割」に朝日新聞が乗り出しました。今回は産経新聞じゃなかったですね。


 一部業界紙では今週あたりから紹介さていますが、すでに昨年4月から弘前大学(学生生協を通じて)で実験的にスタートし、40部程度の申し込みがあったということです。その成果を受けて今回は全国(西部本社を除く)の45の大学生協とタイアップして大々的にキャンペーンを打ったというところでしょうか。

 業界紙等によると「朝日新聞 新入生応援 学割キャンペーン」は、(東京本社管内は)首都圏19大学の新入生を対象に、セット価格(月ぎめ)3,925円を2,500円で販売(朝日新聞社が価格設定)とし、販売店への原価補てんとして1契約1カ月あたり850円(税抜き)を奨励金として支給するというもの。原価補てんについては、3,925円で販売した際と同じ比率の利益をASAに保証するためのもので原価の変更は行わないとのこと。統合版については2,000円の価格設定がされたようです。キャンペーン期間は3月1日から4月30日まで(当然延長されると思いますが)。
 申し込みの条件は、あくまでの提携した大学生協の受付によるもので、現在朝日新聞を購読している学生は対象外(親と同居でも構わない)とのこと。現読者がキャンペーン中に購読を解約して学割料金で申し込むことは不可。契約は12カ月のみ(年縛り)で途中解約も不可。購読料の支払いは新入生本人の口座振替もしくはカード決済限定で、夏休み等で帰省する際の「中止め」があっても減額は認めない(販売店が保管し後日お届け)。もちろん拡材の提供もなし。セット地区では朝単希望でも2,500円の価格設定は変わらないとのこと。


 大学生協扱いの申し込みハガキによる受付ということなので、新入生の入学説明会や入学式で配布される資料へ封入してレスポンスを待つということでしょうか。対象となる大学の学生であるかどうかの確認については、大学側も個人情報保護の観点から新聞社側(実務は朝日トップス)からの照会に応じるわけはないので本人確認はグレーゾーンも想定されますが、販売店からすれば「原価補てん」があるので申込者が増えれば結果オーライ。でもカード料が1件につき7,500円発生する(朝日トップスに)ので、850円の補てんから625円(7,500円÷12カ月)を差し引くとひと月225円のあがりしかない。
 「拡材を使わないだけイイだろう」と担当員からゴリ押しされているようですが、実は配達料も捻出できないというのが実情のようです。

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posted by 今だけ委員長 at 02:01 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2010年02月17日

自己保身のために社畜になり下がる人が多い企業はいずれ崩壊する

 けさの各紙朝刊にトヨタ自動車のお詫び広告(全面)が掲載されました。
 14日のエントリーで「トヨタの対応…」について書きましたが、ようやく重い腰をあげたようです。


皆様に大変なご迷惑とご心配をおかけしましたことを
    心からお詫び申し上げます。

私どもトヨタ自動車株式会社は、国内で販売しておりますプリウス、プリウスPHV、SAI、レクサスHS250hの4車種のリコール届出を2月9日に国土交通省に提出いたしました。一日も早く全車改修を完了できるよう全力で取り組んでまいります。(一部引用)
トヨタ全面広告.jpg 昨年6月23日に開かれた同社株主総会で社長へ就任した豊田章男氏(53歳)は、創業家のDNAを受け継いだ、言わば殿さま。一連のリコール問題に際し取り巻き連中が経営トップに気を使いすぎた結果(事態の隠ぺい体質)が、社長会見が後手に回ってことや、リコール届出から1週間たって各メディアへお詫び広告を掲載するという対応の遅れが露呈してしまったように感じます。

 でもトヨタには頑張ってほしい。トヨタの「カイゼン」の精神は、時に命を預かる自動車産業には欠かせないものです。トヨタ系列の企業に勤める知人は皆素晴らしい方ばかりだし、経営陣の対応の遅れによって懸命に働いている人たちまで信頼を失うようなことはあってはなりません。

 「同族経営というか、オーナー企業によくありがちなこと」と連絡をくれた森内豊四さんは、「気う使うべきは、トップに対してでなく顧客に対してですが、取り巻きはよく間違うもの」と指摘します。

 誰に気を使い、誰を向いて仕事をするのか…。

 評論家の佐高信氏は著書の中で、「自己保身のために社畜になり下がる人が多い企業はいずれ崩壊する…」と評します。
 この言葉をかみしめたいと思います。
posted by 今だけ委員長 at 07:21 | Comment(3) | TrackBack(0) | 日記

2010年02月16日

久しぶりの訪問者の“変わりよう”

 このところ、新聞社の経営状況が厳しいからなのか新聞拡張員(その行為自体も)もめっきり減ったように感じます。

 これまで新聞社の調整弁となってきた「拡張維持費」は大幅に削られ、どこもかしこも経費削減(節減)で何とか“いま”をしのごうとしています。採算無視の「オマケ付き」販売はまだしも、新勧(注1)を取らないことにはどうしようもありません。いくら経費削減をして経営をしのいでも営業部門が収入を維持もしくは向上させていかないと企業は断末魔(東洋経済チックかな?)

 きのうの夕方、久しぶりにY系の方の訪問がありました。ジャンパーをはおった20代青年(もしかすると奨学生)がインターフォン越しに「お届けものに来ました」とひと言。
 いつもなら話を聞くのですが、娘のオムツを交換中で、「ゴメンナサイ、ちょっと手が離せないんだけど何か御用ですか?」と返答したところ、「近くのY新聞なんですけど、よかったらこれに応募してください。ポストに入れておきますんで…」とセールストークもなしにそそくさと帰ってしまいました。
 そしてポストに投函されていたのがこのA6サイズよりも小さいチラシ。

 YCチラシ表面.jpg  YCチラシ裏面.jpg

 拡張行為も穏やかんなってきたのか、たまたまその青年が寒空の下で意気消沈していたのか定かではありませんが、昨年の「創刊130周年大拡張作戦」から一転して訪問者の“変わりよう”を感じました。
 でも、チラシには「※この企画はあくまで訪問の御礼であり、新聞購読の有無とは一切関係ありません」と記載されています。訪問の御礼でプレゼントが当たるなんて企画は余計に怪しい気もしますが…。


 顧客情報を集めるためのアプローチなのかその真意は分かりませんが、販売店もさまざまな収入施策にチャレンジしていかないと、これから時代に立ち行かなくなります。
 “座して死を待つ”なんて綺麗ごと言ってられませんからね。

注1:新勧とは「新規契約」の略。今まで購読したことのない方が新しく勧誘するということを「新勧カード」と新聞業界では呼んでいます。これは、別の販売店のエリアで××新聞を何年も購読していても、該当販売店のエリアでの購読履歴が無ければ、その方の購読契約は「新勧」となります。(新聞の定期購読を考える会HPより引用)

posted by 今だけ委員長 at 23:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年02月15日

とうとう断末魔… 

  東洋経済「新聞・テレビ断末魔」.jpg
週刊東洋経済2/20「新聞・テレビ断末魔 再生か破滅か」
東洋経済新報社(690円)

 輪転機で刷られる新聞がどこか懐かしいような雰囲気を漂わせるセピア色の表紙。注視書きには「かつて高速輪転機は速報のための武器だった。が、今では重たい負の遺産へと変質しつつある」と…

 週刊東洋経済が新聞(テレビ)業界を1年1カ月ぶりに特集した今号は、前回の「テレビ・新聞陥落」以降、延べ53頁の特集に目を通して「この1年間でいろいろな動きがあったなぁ」と思わずうなずきながら、新聞産業で起こった出来事をしっかり取材してあるなぁという印象を持ちました。前回の特集は「立ち読みレベル」(ゴメンナサイ)と評させていただきましたが、今号はしっかりしてます。

 WSJジャパンの北尾吉孝代表やクロスオーナーシップを問題視した原口一博総務相のインタ記事は、もうひと突っ込みを入れてほしかった気もしますが読んでおくべき、クリス・アンダーソンの「無料経済で新聞経営は大きく変わる」はイマイチという感じでしょうか。
 ほとんどの記事が見開き2ページの読み切りで、係数資料も豊富でわかりやすい。さらに、全国紙だけを取り上げるのではなく、「地方紙のサバイバル戦略」として7つの新聞社の取り組みを紹介するなど、「これは業界人も読んでおいたほうがよいのでは?」と思う記事が盛りだくさんですね。
 あとは、相変わらず日本経済新聞を持ち上げる感じが伝わってきますが、日経が3月からサービスを開始する日経新聞電子版の全容が明かされています。昨年末で日経を退社された坪田知己さん(日経デジタルコア所長)も「日経電子版の成功条件」を寄稿されています。

 「再生か破滅か」とおどおどしい副題に、「こんなもの!」と強がって見せても、隠密に購入している新聞経営者も少なくないと思います。意外と内部にいる人は自分たちの産業がどの方向へ動こうとしているのか理解していない人が多いように感じます。周りの意見を聞かずに“自分が決めるのだ”と思っている人の方が大多数でしょうから…。でもこれって“読者の声を聞かない”ことの裏返しなのだということをもう一度考えてみてはどうでしょうか。

東洋経済中吊り.jpg

posted by 今だけ委員長 at 23:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2010年02月14日

プリウスリコール問題 マスコミは大スポンサーに腰が引けてはいないか

 トヨタプリウスのリコール問題について、各メディア(特に新聞)の取り上げ方について考えてみたいと思います。

 実は!今だけ委員長もプリウス(2007年式)のユーザー。エコ減税などなかった時に少々割高だったけれど燃費のよさに惹かれて購入しました。ディーラーの担当者も親切な方で、いまでも快適に生活の足にとして活躍しています。

 米国では大騒ぎになっているリコール問題。米国では集団訴訟にまで発展する様相ですが、日本のメディアの報じ方は「販売台数世界一になったトヨタ(日本企業)へのやっかみ」だとか、「マクドナルドのコーヒーでやけどしたことで訴訟するような米国人(訴訟社会の米国)」、「部品も現地調達なので品質に問題」など、「トヨタは悪くない」と印象付けるものがほとんどだと感じていました。
 そして日本でも新型プリウスのブレーキ制御部分のトラブルで、リコール問題へと発展しているのは周知の通りです。


 何となく、プリウスのリコール問題についてマスコミの突っこみが甘いように感じています。「腰が引けてはいないか」と。
 新聞やテレビの大口スポンサーだから「突っこみはほどほどに…」と電通あたりから指示が出ているのではないかと思うくらいです。

 以前にもありましたね、元経団連会長を務めた奥田碩氏のマスコミに対する問題発言。


 元日本経団連会長で、トヨタ自動車取締役相談役の奥田碩氏の発言が波紋を呼んでいる。12日に開かれた同氏が座長を務める「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」で、マスコミの厚生労働省批判に言及。特にテレビに対し「個人的」としながらも「あれだけ厚労省が叩かれるのは、ちょっと異常な話」「正直言ってマスコミに報復してやろうか。スポンサーでも降りてやろうか」と発言した。
▽トヨタ奥田氏 何様か!(九州企業特報より)
 
http://www.data-max.co.jp/2008/11/post_3419.html

 これまでも当ブログで紹介させていただいた日本経済新聞社出身で日本広告学会常任理事の森内豊四さんからもプリウス問題に関するご意見を頂戴しました。とても示唆に富み問題点を的確に指摘されているので、引用します。

 ご存じの通り、トヨタは今、不具合に発するリコール問題で苦心惨憺しています。同社は、アメリカではお詫びの新聞広告を出すとともに、テレビCMでリコールについての説明も流し、懸命に信頼回復に努めているようです。原因がトヨタにあるとはいえ、アメリカのメディアや産業界には、世界1の座を奪われたことへのやっかみや報復もうかがわれ、トヨタパッシングには苦々しく思っておりました。
 しかし、国内でのプリウスのリコールにまで飛火し、なおそこに至っても国内では何の説明をする広告も打たないことについて、いま不信感にとらわれております。

 トヨタは2年前、同社の赤字を報じる記事に、「広告を減らすぞ」というかたちでマスコミに反撃を加えました。また昨年、新聞協会とアドバタイジング協会とが共同開催したシンポジウムでも、朝日の広告局長を謝らせたことがあったと思います。それは企業として最低のやり口で、日本一の多額の広告費を使ってきたことへの驕りがありありと見えます。みな口にこそ出さないまでも腹の中では忌々しく思っているはずです。
 
 数年前、松下(当時)は欠陥石油ストーブの回収のために年間300億円とも言われる宣伝費を、これでもかこれでもかと使い続けました。その愚直さが却って消費者の好感を呼び、イメージ修復のみならず同社の業績回復へとつなげることになりました。
 トヨタはそこから何も学んでいなかったのでしょうか。社会面の半2段程度のお報せでいいものでしょうか。それさえ出していませんが。
 これはあまりにも国内メディア軽視というか見くびりすぎです。そんなことを進言する人もいないとみえて、メディアも広告関係者も一切口をつぐんでじっと逼塞しています。

 しかしそれが本当にトヨタのためになるかどうか。

 トヨタは日本を代表する企業ですから、応援したい気持ちはやまやまです。しかし、これではどうしようもないのではと思います。遅れれば遅れるほど、名誉挽回は遠のき、ずるずる後退することを何よりもトヨタのために懼れるものです。同時に、メディアは自らのレゾンデートルのためにも、トヨタの傲岸に批判のひとつも加えるべきではないでしょうか。


 民主党小沢幹事長や朝青龍には私刑をつきつけるけれども、大手スポンサーのトヨタには腰が引けているというのでは「オイ!」というしかありませんね。そんなところを読者はもう見抜いているのですから。
posted by 今だけ委員長 at 02:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年02月12日

新聞奨学生の実態…すべて新聞社が悪いとの結論にもっていきたいようです

 週刊ダイヤモンドを発行するダイヤモンド社が運営するオンラインサイト「ダイヤモンド・オンライン」に『格差社会の中心で、友愛を叫ぶ』というコーナーがあります。とても興味深いリポートがあげられているので愛読しています。

 きょうアップされた記事はこれ!
▽苦学生をうつに追い込む!? 不況で希望者殺到「新聞奨学生」の実態
http://diamond.jp/series/yuuai/10011/

 フリーライターの西川敦子さんが書かれたものです。昨今の経済不況から入学金の工面や在学中の仕送りが厳しい状況のなか、これまで不人気だった新聞奨学生への希望者が増えているという背景を受けて、まだまだ劣悪な労働環境に置かれている新聞奨学生の生活実態や仕事内容についてレポートされています。
 西川さんは新聞販売店が総じて劣悪な労働委環境に置かれ、そこで働く新聞奨学生もひどい仕打ちを受けているということを印象づける記事構成になっています。確かに労基法も守られていないような販売店も多く存在しているし、必然的にそこで働く人たちのレベルは言わずもがなで販売店を転々とする人たちも少なくありません。そのような人たちに頼らざるを得ないのも事実でスパイラル化しているのも事実。


 「新聞配達は最後の砦だ」。以前、新聞販売労働組合の大先輩サワダオサム氏が「どんなルンペンでも最後は新聞配達の仕事を頼って生きてきた。だからこの仕事(産業)は守らなきゃいけない」という話しをしていたのを思い出します。
 でも新聞配達も「配りすればよい」という時代ではなくなってきました。不配をしないことや配達時間を守ることはもちろんのこと、雨の日には必ずビニル袋へ入れて配達する家を把握し、出張などで一時配達を休止する読者など顧客ニーズが多様化してきているのです。そのような細かな要望に対応しないと、いとも簡単に購読をやめられてしまいます。
 「大雪が降ったのだから配達が遅れても仕方ないねぇ」という読者は間違いなく減っている。これは社会全体が世知辛くなっているからではないかと感じています。


 で、何を言いたいのかというと、新聞奨学生制度自体は悪いものではありません。その制度を運用する(奨学生が就労している)所長(店主)の人間性によって、残念にも今回の記事で紹介されている新聞奨学生(OBの方)のような方がいるということです。氷山の一角だとも思っています。
 回りまわれば、そのような人材を登用している新聞社にも少なからず責任がないとは言えませんが、フリーランスの方に多い「新聞社は悪」という起点でその事象を書かれることは、本当の真実を伝えていない(押し紙の問題はうなずけますが)と感じました。

 私も10年近く現場から離れていますが、当時同じ販売所で働いた奨学生の方からは感謝されたし、今でも賀状のやり取りをしています。新聞販売店で働く人は悪人ばかりではないと思いますよ。

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タダ・ガンガン・バビョーン…これってauハッピーな広告なのかなぁ

 「最近、au(KDDI)のCMがひどくない?若者をターゲットにしているのはわかるけど品がないよね」という話を耳にしました。
 歌手の土屋アンナさんがノリノリで「ピン子もビックリ!au×3」と吠えるテレビCMをご覧になった方も多いはず。とりあえず張り付けておきます。
     

 ケータイ業界も王者ドコモが苦戦を強いるなか、iphoneとホワイトプラン(犬のお父さんCM効果も)で躍進するソフトバンク、「基本料金390円」の学割プランで猛追するauが熾烈な春商戦を繰り広げています。
 広告によりインパクトを求めるのは当然のことですが、どうでしょうねぇ…。あのノリについていけないオヤジには関係ないことなのかなぁ。


 ところで、けさの紙面を見ていたらauの『ガンガン学割』の全面広告とラテ版の全5段広告が掲載されていました
au.jpg 土屋アンナさんが色っぽく描写されていて、泉ピン子さんとアルプスの少女ハイジに「バビョーン!」という吹き出しが…。
 あと、ラテ版の21時から1時までがオレンジ色で塗りつぶしてあったので「おやっ」と思ったら、下段の広告に「↑21時〜深夜1時の4時間。ケータイ通話のゴールデンタイムも、auはタダでガンガン話せる。バビョーン!」とありました。

 残念ながら企画としては「イマイチ」。以前、産経新聞が「ウェブ面」を新設した時のドワンゴ企画は「ニコニコ動画」の番組枠を追加して、ものすごくインパクトのある広告に仕上がったと感じましたが、色を塗るだけではあまりメッセージは伝わってきません。
 おそらく、「広告のためにラテ面の一部分だけ色を塗る」ことに新聞社内では相当な反発があったのだろうし、担当された方はご苦労されたと思いますが、読者にも広告主にも中途半端な印象を与えてしまったように感じます。


 夕刊がない日祝日や休刊日前の新聞は閲覧時間が多いものです。もっと効果的にデザインされるよう期待します!

posted by 今だけ委員長 at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年02月11日

朝日新聞が佐賀、大分の夕刊廃止 1日2回のインフラがなくなると…

 朝日新聞西部本社が佐賀、大分県内で発行している同紙夕刊を3月いっぱいで廃止するとの社告が10日付朝刊に掲載されました。きのう昼過ぎに連絡が入っていたのですがアップするのが遅れました。

 社告によると「読者のライフスタイルや要望の変化」に伴う対応ということですが、採算が取れない地域は切り捨てられるという構図は、まさに市場原理なのでしょう。地方紙が完全セット販売をしていない地域では、夕刊の配達コストが大きな負担になります。あまりあてになりませんが昨年12月の日本ABC協会発表によると、佐賀765部(前年比▲83部・90.2%)、大分4,679部(前年比▲226部・95.4%)と、ほとんど採算ラインを割っています。購読層もおそらく市内中心部の官庁や企業関係で占められていると思います。
 これで朝日新聞西部本社管内の朝・夕刊セット版発行地域は、山口県(下関市)と福岡県、それに沖縄県(沖縄は福岡、東京から空輸するため、配達は13時ごろ)ということになります。


 これまで印刷拠点の建設とともに販路拡大を行ってきた朝毎読の全国紙(九州地区でば西日本新聞)。右肩上がりの時代では少々採算が合わなくても拡大路線を続けられましたが、ここ数年の夕刊廃止を分析すると(現在の形態では)すでに夕刊発行はビジネスとして成り立たなくなっていると言い切ってよいのではないでしょうか。


 個人的には、これからの新聞には速報性よりもニュースの解説などが求められてくると思うので、朝刊をやめて夕刊一本にしてはどうかと思うのですが、まだまだ日本人は「朝ポストから新聞を取って…」という習慣が強いのでムリかなぁ。折込チラシも「きょう10時から特売!」など速報性を求めるスーパー系チラシも多いので、やっぱりNGですね。


 販売店からすると夕刊の配達員をリストラしなくちゃいけないという問題もありますが、これまで早朝と夕方の2回(それも毎日)決まった時間帯にエリア内を(新聞配達で)巡回するというインフラがなくなることは、宅配(物流)網を生かした事業展開を進めづらくなると感じます。


▽朝日新聞、大分と佐賀で夕刊廃止へ(読売新聞 2月10日付)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100210-OYT1T00650.htm
▽朝日新聞、大分と佐賀で夕刊廃止 3月31日付で(47NEWS 2月10日付)
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010021001000422.html

posted by 今だけ委員長 at 13:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2010年02月08日

いい新聞社にいい配達人あり

 佐賀新聞の仲間から「神戸新聞のサイトを読め」とのメッセージが届きました。このような伝達もネット時代ならでは…。


>神戸新聞のページにドラマの感想が載ってますね。
>放送から4日で約560人の方からメールが届いたそうです。
>すごい!
>そして感想が熱い!
http://www.kobe-np.co.jp/rentoku/bunka/201001kobe7days-message/
>ぜひまだの方はご一読ください。
※ドラマとは、1月16日にフジテレビ系で放送された『阪神・淡路大震災から15年 神戸新聞の7日間〜命と向き合った被災記者たちの戦い〜』のこと。

 『神戸新聞の7日間』へのメッセージには、5つのカテゴリごとに149人分の感想が掲載されています(▽忘れない=51▽震災を追体験=24▽ありがとう=51▽作品について=13▽新聞人=10)。
 おおむね、「感動した」という感想が寄せられていますが、「まるで神戸新聞だけ震災の時、頑張っていたような、新聞社に働くのだからこんなこと当たり前だと思います」、「ドラマはCMが多く残念でした」という意見も。
 もちろん私も見たのですが、ほぼ同じ感想を伝えた方がいらっしゃいました。その方からのメッセージはこれです。「新聞は、テレビやラジオみたいに速報することはできませんが、写真や活字で夢や希望を与えられる重要なメディアだと思いました」うん。


 新聞配達に関連するメッセージも見つけました。以下に引用します。
▽仕事に誇りを持って頑張ろう (札幌市 女性 新聞配達員 Mさん 45)
 あの日の朝TVを付けた時の衝撃は忘れられません。「どこ? え、神戸? え、日本?」それからしばらく動けませんでした。
 自分が新聞配達をする時、仲間たちと[配達の人間がいなかったら全部無駄になるんだから、自分たちが一番偉いんだ」なんていつも冗談で言っているのですが、取材し、原稿を書き、印刷し、配送し、配達する、何一つかけても新聞は用が足せません。一晩たってもまだこのHPを観ているだけで泣きそうな気持ちですが、情報を伝達すると言う仕事に誇りを持ってこれからも頑張ろうと心に誓いました。
 あの震災を体験された方の心の傷は一生消えることはないと思いますが、神戸の方々の明るい未来の為にこれからも頑張ってください。本当にありがとうございました。


▽いい新聞社にいい配達人あり (神戸市東灘区 男性 会社員 ねむすけ 49)
 番組の後半、配達所の方が配達する家がなくなり、新聞社の人たちが懸命に作った新聞を「読んでください」と道行く車の運転手の方々に配っていたシーン。
 感動しました。
 いい新聞社にいい配達人あり。チーム一丸として苦難を乗り切った神戸新聞社グループ。これからもがんばれ。地元神戸の誇りです。

 業界のこちら側にいる人へのご褒美ですね。このように思ってくれる読者のために頑張らないと!

posted by 今だけ委員長 at 19:54 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2010年02月05日

「夕刊を見た」とスタッフへ声をかけるとステッカーがもらえます

 唐突ですが、皆さん「パタゴニア」というブランド知ってますか?
 アウトドア用品の専門店で、結構高価なんですがウェアなどは洗練された素材で着心地がとてもGoodなんです。
 私も1着ウィンドブレーカーを持っています。もう10年着てるのですがまだまだイケます。
http://www.patagonia.com/web/jp/home?slc=jp_JP&sct=JP
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 そのパタゴニア仙台店がきのうの夕刊に広告を出していました。
 「夕刊見た」とスタッフへ声をかけていただけるとステッカーがもらえるという企画です。パタゴニアファンにはたまりません。今週末、広瀬通りの商店街へ繰りだすという方は、ぜひ足を運んでみてください。
その際に「夕刊見た」と言っていただけるとうれしいです。
posted by 今だけ委員長 at 17:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | こせきかつや通信

今シーズンは何試合観戦できるかなぁ

 きのう届きました。
 楽天イーグルスのファンクラブグッズ(ゴールド会員)!

 ブラウン監督に代わって心機一転。ノムさんが宿したチーム力を新監督がどこまで伸ばせるかに期待ですね。もちろん、昨年に続きクライマックスシリーズに勝ち上がるのは当然ですよね。
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 今年は何試合行けるかなぁ。B嫁も今のうちから“うずうず”しているようだし、観戦より娘の子守りをする回数の方が多そうです(涙)
posted by 今だけ委員長 at 16:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | こせきかつや通信

2010年02月03日

読売新聞の企画「坪田×湯川 元記者が見るメディアの未来」

 読売新聞に勤める仲間が企画した「元日経メディアラボ所長の坪田さんと元時事通信社編集委員の湯川さんの対談」が1月28日と2月2日の本紙に掲載され、YOMIURI ONLINEへもアップしたとの案内をいただきました。

▽「坪田×湯川 元記者が見るメディアの未来」(前編)
http://www.yomiuri.co.jp/net/report/20100128-OYT8T00770.htm
▽「坪田×湯川 元記者が見るメディアの未来」(後編)
http://www.yomiuri.co.jp/net/report/20100129-OYT8T00880.htm


 このブログでも両氏が描く将来のメディア環境について触れてきましたが、新聞とネットメディアの関わりについて業界をリードしてきた両氏。今回の対談では、常に彼らと(ブログなどで)接している業界の内側の人間には目新しいものはありませんが、この記事が紙面に掲載され多くの人の目に触れることは有意義なことだと思います。
 この両氏の対談を実現させ紙面化したエネルギーは相当なものだったのだろうと感心します。

 こういうコンテンツは読みたい思いますね。ネットだと繰り返しロングテールで読めますが、「紙」だと予告編(初回は)がないので見逃してししまうこともあります。この辺の相互補完も必要だとあらためて感じました。

 両氏が語ったキーワードを紹介すると、
湯川氏:(新聞経営者に対して)ネットをあまり利用せず、どちらかといえば好ましく思っていない人たちを核に新規事業を立ち上げるのはかなり難しい。会議室で僕一人だけ周囲と意見が違うことがよくあった。「お前は先を進みすぎている。会社の速度まで落とさないと、会社は動かない」とよく言われた。

坪田氏:プロとは何か。「新聞社の社員だからプロ」というわけではない。レポーター(記者)ではなく、価値判断をしない単なる情報のポーター(運び屋)では、今後は残れないだろう。「この人が書く記事は絶対読みたい」と思わせるような人がどれだけいるかが重要だ。

posted by 今だけ委員長 at 07:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年02月01日

ターゲットに合わせて具体的な活用方法を示すことが必要

 きのう、フジテレビ系列「エチカの鏡ココロにキクTV」で、ヨコミネ式教育方法の特集が放送されていました。
 幼児教育の第一人者として紹介されていた横峯吉文氏は女子プロゴルファー横峯さくらさんの叔父さんだそうで、「天才は10歳までにつくられる」との教育方針から、読み書き、計算、体操を取り入れた「ヨコミネ式」幼児教育を自ら理事長を務める保育園で実践されています。


 私はこの番組ではじめて「ヨコミネ式」を知ったのですが、嫁からは「この番組でヨコミネ式を特集するのは今回で4回目。幼い子を持つ親の間で話題になっているんだよ」とのこと。


 番組では子供たちが新聞を見ながら何やら書き写している場面が。新聞から興味や関心を持った記事をノートに書き写すことで簡単な文字から覚え始め、卒園する頃には小学低学年程度の漢字をマスターするのだとか。書き写しながら分からない言葉があると辞書でその意味を調べます。そして新聞紙面を通じて社会の動きを理解していくというのです。


 究極のNIE教育ではないでしょうか?新聞の活用のされ方って意外とあるものですね。それを業界の人たちは知らないし、活用しきれていないのかもしれません。

 2011年度から小学校の新学習指導要領に新聞の活用が取り入れられます(中学校は2012年度)が、新聞を読むことが言葉の意味を理解させ社会の動きを知ることにつながるのだと思います。それも個々が所有するタブレット型の電子メディアではなく、家族で読み回せる「紙」の新聞にこそ価値がるのではないかなぁと。
 何の根拠も示さずに「新聞はためになる」ということだけで購読を勧めてもなかなか響かないもの。しっかりターゲットを絞って(ヨコミネ式のような)その活用法を説明することが重要なのだと思います。


 テレビで放映された横峯氏へのインタビュー(育児教育/幼児教育blogより引用)


▽なぜ新聞を教材として使っているのか?
横峯
「小学校では学年ごとに覚える漢字が決まっている。あれは大人が勝手に決めたことなんですよね。子供のことを考えていないんですよ。子供達はもっと学びたいんです。30分の書写を毎日続けていく事で1年間に5〜600個の言葉を自分の力で身に付けていってます」
▽新聞の書き写しは子供の成長にどう影響するのか?
横峯
「新聞を書写することで今、日本や世界で起きている環境問題、社会問題、国際問題とかいろんな情報が子供に入ってきますよね。少しずつ社会を知っていってるんですね。だから小さい頃は『ウルトラマンになりたい!』とか言っていた子供も徐々に世の中に即した将来の夢を自分で考えられるようになっていくんですね」
▽将来の夢は?(子供たちへインタビュー)
子供
「日本の医者は少ないとか医者不足になっているのを聞いて、医者になって人をいっぱい助けたいです」
子供「助産師です。自分が生まれる時たくさんの人達や助産師さんに励まされて生まれてきた事を知って、自分も生命の誕生に立ち会う仕事に就きたいと思いました」
子供「保健師。(何故?)人を助ける仕事をしたいから…(何で?)おばあちゃんが亡くなった時に何もしてあげられなかったから…」

 昨年5月に放送された「ヨコミネ式教育」の第1回特集

posted by 今だけ委員長 at 21:18 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

TOKIOが「新!宅急便」宣言

 けさの新聞紙面にヤマト急便が今月からスタートする「宅急便受取指定」サービスの全面広告が掲載されていました。

宅急便.jpg 「宅配から個配を目指す」というこのサービスは、「荷物は家族ではなく自分に渡してほしい」という要望を受けて、宅急便を配達する前に受取人あてにメールで配送予定を通知。ユーザーは希望の受け取り日時と、受け取り場所を自宅やヤマトの直営店、勤務先などから指定できるというもの。日中留守にしている単身世帯などでは、近隣の宅急便取扱コンビニエンスストアに荷物を転送するように指定し、深夜に受け取ることができるそうです。このサービスを利用するためには、受取人が「クロネコメンバーズ」の登録会員であることが条件。

 「宅急便受け取り指定」サービスは、同社が刷新した情報システム「次世代NEKOシステム」による取り組みの第1弾ということですが、宅配ドライバーが持つポータブル端末も運賃と包装資材代の支払いが電子マネー(nanaco・Edy・WAON等)で支払えるシステムを導入するなど、顧客ニーズへの対応とデータベース化に向けて、業界内でも抜きんでたシステム構築(かなり投資したと思います)が進んでいると感じます。


 よく考えれば、このようなシステムを導入することはユーザー重視だけではなく、これまで受取人に会えるまで何度も訪問するという非効率だったドライバーさんの作業の解消にも役立ちます。ドライバーさんの賃金は基本給プラス歩合給なので、管理する側もさほど労働時間(時間外手当が発生しない)を気にしていないのかもしれませんが、ヤマト運輸の従業員の平均勤続年数が、男性6.8年、女性6年という状況からすれば、労働条件の整備(労働時間の短縮)も課題となっていることでしょうし、その辺の改善も視野に入れたシステムなのかなぁと。

 この「宅配から個配」というキーワードは、メディア界でも以前から言われている「マスメディアから個メディア(ソーシャルメディア)」にも通じることかもしれませんね。


▽ヤマト運輸、第7世代システムに300億円投資--木川社長、IT投資ためらわない(ZD NetJapan)
http://japan.zdnet.com/news/ir/story/0,2000056187,20407665,00.htm
▽「宅配から“個配”へ」 ヤマト運輸、受取人が日時と方法を指定できる新サービス(ITmediaNews)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1001/28/news011.html

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posted by 今だけ委員長 at 19:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース
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