公益財団法人新聞通信調査会が2009年9月11日から30日までに実施した「第2回 メディアに関する全国世論調査」の集約結果が公開(1月21日にプレス発表、29日HP公開)されました。
▽2009年メディアに関する世論調査結果
http://www.chosakai.gr.jp/notification/pdf/report2.pdf
ちなみに2008年メディアに関する世論調査結果はこちら↓
http://www.chosakai.gr.jp/notification/pdf/report.pdf
今回の調査を行った新聞通信調査会とは、現在の共同通信社と時事通信社の前身だった同盟通信社(1945年に解散)の資料と調査研究部門を引き継いだ「通信社史刊行会」が1960年に現在の新聞通信調査会として改称した組織。ジャーナリズム及びマスコミュニケーションの調査研究、これに関する図書・資料の刊行、講演会・研究会等の事業を軸として活動しています。でも業界関係者以外にはあまり知られていません。
今回の世論調査の方法を見ると、住民基本台帳の閲覧用リストを用いて無作為に全国各地の18歳以上のサンプル5000人を対象として調査員が直接訪問して集めた調査結果だけに、インターネットを使えない方の意見が省かれがちな最近のデータ集約結果よりその信ぴょう性は高いと思います。
集約結果を大まかに分析してみると、「情報の信頼度について」では、新聞が08年の調査時に72.0ポイントだったものが、09年は70.9ポイントで1.1ポイント下がりました。インターネットは58.2ポイント。「新聞の印象について」では、08年が@信頼できる(67.2)A教養を高めるのに役に立つ(63.1)B情報源として欠かせない(59.3)C社会的影響力がある(58.7)D情報が正確である(56.9)との結果に対し、09年は@情報が信頼できる(62.1)A社会的影響力がある(59.4)B情報源として欠かせない(57.8)C情報が役に立つ(54.8)D手軽に見聞きできる(51.5)となっています。
まだまだ新聞の情報の信頼度は高く、約6割の人が情報源として欠かせないメディアであると答えています。この結果にあぐらをかくことなく、「信頼」に答えていかなければなりません。
新聞広告と折込チラシについての信頼性については、次のように解説されています。30代以下では折込チラシへの信頼感が高いのに対して、50代以上では低くなってくるというのも興味深いデータです。(以下一部引用)
新聞広告、新聞折込について、全面的に信頼している場合は10点、全く信頼していない場合は1点として点数化したところ、「新聞広告」は5.7点、「折込広告」は5.6点となっている。また、6〜10点を信頼している層、1〜5点を信頼していない層に分けてみると、「信頼している」層は「新聞広告」45.2%、「新聞折込」43.0%とともに半数を下回っており、信頼感は不足していると言えそうである。
年代別にみると、30代以下では、「新聞広告」の方が「新聞折込」より信頼感は高いが、50代以上では、「新聞広告」の方が信頼感が高くなっている。
言うまでもなく、新聞の生命線は信頼なのですから、それを損ねるような問題があるとすれば解消していかなくてはいけません。
新聞社を退職された方が「販売のブラックボックス」などと暴露本を出版して儲けているようですが、現役時代には口をつぐみ、「その時の立場では言えなかった」という言いわけをして、退職してから「(押し紙問題など)これはおかしい」というのもどうかなぁと。在職中は黙っていることで地位を高め、退職後は暴露することで儲けるという、おいしい思いの二重取りには憤りを感じますね。なんだかなぁと。
余談ですが、最近よく歌うカラオケを紹介します。「スタートライン」。同じような思いの人がいたら、がんばりましょう!
▽新聞、NHKの“信頼度”70点台 ネットは58点(産経新聞:1月22日)
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/media/100122/med1001221533002-n1.htm
▽将来の新聞の役割についてどう思う? 世代によって違い(Business Media 誠:1月28日)
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1001/28/news012.html