2008年06月29日

梅雨時期の新聞配達とY紙の購読支援デリバリーサービス

 梅雨時期の新聞配達はとても体力を使うものです。バイクでの配達とはいえカッパを着て動き回るとたちまちサウナ状態。体中びしょ濡れでカッパは剣道の防具のような臭いとなって、不快感がいっそう気力も体力も消耗させます。
新聞配達に従事されている皆さまには体調など崩されないようにこのつらい時期を乗り越えていただきたいと思います。

 最近では雨天時に新聞が濡れないようラッピングフィルム(ビニル)に新聞を1部ずつ包み込む機械が登場し、雨濡れのクレームはだいぶ減りましたが、販売店にとってはかなりの経費負担になっています。高騰する原油高でガソリン代はもとよりラッピングフィルム代も値上がり傾向…。配達スタッフにも過剰なラッピング使用はプラごみを増やすことになると注意喚起をするのですが、一度ラッピングされた新聞を届けた読者宅からは、チョットの雨濡れでもクレームが来るのでやめられないというスパイラルに…
 ドライヤーで新聞を乾かす家はもうないのかもしれませんね。「すぐに交換に来い!」というパワーカスタマーの時代なのですから。

  
 懸賞ハガキ2.jpg   懸賞ハガキ1.jpg
 きのう、自宅のポストにY紙の懸賞応募ハガキが投函されていました。夏休みシーズンは独り暮らしの学生さんが帰省するため、販売店にとっては1カ月分の購読料が回収できない読者が増える厳しい時期。高校野球(夏は朝日新聞主催ですね)も夏場の販売戦略上で仕掛けられた事業だと何かの本で読んだことありますが、夏場はギョーカイ的に苦難の時期(最近は毎月ですが…)なのです。
 話を戻すと「夏休みお出かけサマーキャンペーン」という銘打たれたこの企画は、日帰り旅行券やタオルセットなどが当たるオープン懸賞(Y紙を購読していなくても応募できる)。プレゼント商品の内容もあまり目新しいものはないのですが、アンケートの内容に注目しました。「Q1 新聞販売店にあったら嬉しいデリバリーは? a.水 b.米 c.トイレットペーパー d.灯油 f.その他( )」という項目です。察するところ、購読率が高い高齢者向けデリバリーサービスの準備というところでしょうか。販売店が新聞購読の付加価値として日用品(それも重い商品)のデリバリーサービスに乗り出そうとリサーチしているのではないかと感じます。さらに「Q4 平成20年6月1日から、住宅用火災報知機の設置が法律によって義務づけられましたがご存知ですか? a.知っています。設置しました。 b.知っていますが設置していません。 c.知りませんでした。」という質問。火災報知機を拡材にするのか業者へ斡旋するのか分かりませんが、これも売れるデータの収集ですね。

 顧客データを活用した販売戦略はマーケティングの基本。今まさに遅れをとっている新聞販売店の顧客データベース化にY紙が着手しはじめたと考えられます。

 購読料の値上げだけじゃなく、こういう取り組みをマネすればいいのになぁ。

posted by 今だけ委員長 at 23:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

「ローカルの創造性」=メディアとのつながり方を考える

 きょうは、せんだいメディアテークで開かれている「カルチュラルタイフーン2008in仙台」へ行ってきました。
 会社以外で一日7時間も同じ場所にいるなんて珍しいことなんですが、内容が盛りだくさんのイベントなので飽きることなく、セッションや展示作品、映画(国道20号線)を観てきました。
17.jpg  
 メインセッション第1部は「ローカルの創造性」について、地元で活躍している鹿野護さん(映像クリエイター)、タノタイガさん(美術家)と北海道に住み世界的な活動をしている五十嵐淳さん(建築家)からの講演と東北大学教授(建築、メディア)らによるディスカッション。皆さん味わいのあるお話で興味深く拝聴させていただきました。
 有能なアーティストはその拠点を都市圏へ移してしまいます。それは発表する場所が少なかったり、文化、芸術への興味・関心がある人口そのものが少ないなどの問題から、“食うため”に拠点を移らざるを得ないという提起もありました。しかし、講演者からは「大きな船に乗るより、小さな船をつくることが大切で、本当に良いものは大きな声を上げなくても“つぶやき”で届くもの」(鹿野さん)、「街の活性化、文化、芸術そして経済の発展も地元のメディアとどうつながるかが問題」(タノタイガさん)という弁。

 アーティストの方のみならず、仙台から優秀な人材が離れていってしまう理由にその地域での活動の限界があります。いくらネットで全世界へ発信できる環境が整ったとしても、地域の中で活動できるためには文化や芸術に光をあてる地道な努力も必要ですが、地元のメディアがもっと積極的に地元で活動するアーティストを取り上げることも大切なのだと感じました。これは文化芸術の部門だけではなく経済活動においてもそうなのでしょう。地域を活性化させる役割を地元マスメディアは担っているのです。
18.jpg 
「タノニマス」タノタイガさん

 大きすぎず、小さすぎず、古すぎず、新しすぎない。「すきま」、「あいだ」の都市仙台。「空/間」をテーマに掲げたカルチュラルタイフーン2008in仙台は、自分たちの住む街を考え直す良い機会になると思います。
 29日も10時から19時まで開催されています。ぜひ足を運んでみては!
posted by 今だけ委員長 at 01:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | こせきかつや通信

2008年06月24日

義援金袋が職場に回ってきた

 岩手・宮城内陸地震で被災された皆さま、心からお見舞い申し上げます。
 私が勤める河北仙販では全従業員へ義援金の協力を呼びかけています。気持ちだけでも被災された方々にお役にたてればと思っています。
19.jpg
 できるところからコツコツと・・・ですね。
posted by 今だけ委員長 at 18:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | こせきかつや通信

2008年06月23日

DON×3 がばい 佐賀へ

 きのう、おとといと佐賀へ行ってきました。19日の豪雨で冠水の被害が心配されましたが、交通網は平常通りで難なく佐賀へ到着。

 佐賀新聞社へ夕方4時までに来ること−と言われていたので、少し市内散策。佐賀城址跡と佐賀城本丸歴史館を見学してきました。
20.jpg
 佐賀城のうんちく:佐賀の地は龍造寺氏が村中城を築き、龍造寺氏代々が支配していたところであった。戦国時代に入って、龍造寺隆信は北九州一円に君臨したが、天正12年(1584)隆信は有馬氏と島津氏の連合軍に敗れて戦死。実権は家臣の鍋島直茂に移り、直茂は蓮池城を本拠に佐賀地方を支配するまでに実力を伸ばしていった。
 その後も龍造寺氏は政家、高房と続くが、慶長12年(1607)高房が死去すると、鍋島直茂は翌慶長13年(1608)から龍造寺氏の居城であった村中城の拡張、大修築工事に着手。直茂の子である鍋島勝茂がその後を引き継いで、慶長16年(1611)近世城郭を完成させた。これが佐賀城である。
 本丸と二の丸は幅80mの大堀で囲み、本丸には五層の天守が築かれ、堀を隔てて三の丸・西の丸・武家屋敷群を配する広大な城であった。
 以後、佐賀城は鍋島氏12代36万石の居城として明治維新を迎える万石の居城として明治維新を迎えるて明治維新を迎える万石の居城として明治維新を迎えるが、中でも十一代藩主鍋島閑叟(かんそう)は幕末の名君として有名で、西洋の文明を積極的に採り入れて殖産工業を奨励し、長崎に砲台や反射炉を築くなど富国強兵策を推進した。
 なお、廃藩置県後の明治7年に江藤新平が引き起こした「佐賀の乱」で、惜しくも佐賀城の大部分が焼失してしまった。
21.jpg
 本丸歴史館も素晴らしかったですね。ここは入館料が基本的になく、拝観者による「寄付」というカタチを取っています。その寄付金で運営しているのでボランティアの方がたくさんいらっしゃいました。素晴らしいですね。思わず1千円寄付しちゃいました。

 焼き物で有名な佐賀ですが、おみやげはB嫁からのリクエストで長崎カステラ?
posted by 今だけ委員長 at 15:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | こせきかつや通信

歯止めきかない新聞広告/新聞社の底力が発揮されない理由

 新聞社の広告収入の落ち込みに歯止めがかかりません。
 このブログでも何度か紹介している森内豊四氏(元日経広告研究所専務理事)から、最近の新聞広告事情に関して感想をいただきました。

「広告と経済」という業界誌があります。その6月11日号を見てびっくりしました。
大手広告会社9社の今年1〜4月の売上高です。「新聞」は前年比で90.6%、4月は80.9%となっています。

広告_edited.jpg

昨年の大幅なマイナスに続き、下げ幅を一段と加速しているのです。これは「後退」などといった生易しいものでなく、「崩落」ないし「崩壊」です。

広告衰退の底流に何があるかをもっと真剣に考えなければなりません。
山形新聞の購読料値上げを知りましたが、全国紙を含め、大きな課題になってきました。発行部数低落のなか、また読者の生活防衛が続くなか、そういう経営が本当に許されるのかどうか。「あの時は、そうするしかなかった」というエクスキューズなど聞きたくないですね。

森内豊四


 広告会社(代理店)を経由した紙面広告の販売手法はそろそろ限界に達してきたのかもしれません。地方紙はそのエリアの商店単位(エリア・マーケティングの発想)にまで入り込んで(いわゆるドブ板営業)、ほかの広告媒体と比べて勝っているものを強調し、売り込んでいかなければならない状況にあるのではないかと感じています。新聞は宅配網という機能を持っていますが、あまり活用されていないというのが実情。「販売店は言うことを聞かない…」とかよく聞きますが、自社の利益だけを考えるから販売店からの協力も得られないわけで…きちんとした利益分配をして地域活性化のためのアクションプラン(編集から販売店まで)を構築する必要があると思っています。

 新聞だけではありませんが、縦割りの組織運営による弊害が新聞産業の底力を削いでいる理由なのかもしれません。

posted by 今だけ委員長 at 07:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2008年06月22日

新聞配達もメディア研究の題材へ…

 6月19日に日経メディアラボ(坪田知己所長)が「オートロックマンション、新聞配達と防犯の両立めざす――三井不動産レジデンシャルが新システム」というインタビュー記事を同社HPへアップしました。
 日経メディアラボは、日本経済新聞社がメディア全般の研究のために設立された組織。これまでもメディアを取り巻く環境の変化を伝えてきましたが、新聞の宅配に関連するリリースは初めてではないかと思われます。

 新聞を届ける(宅配する)というアナログ的な分野についても、日経メディアラボは「メディアを浸透させる大切な手段」として捉えているのかもしれません。ネット時代のメディア論はあらゆるマーケティングやリテラシィ―の理論、インタラクティブ、ジャーナリズムなどのカテゴリーで研究されていますが、このようなアナログネタも重要なのです。

 顧客のニーズに答えるのがメーカー(新聞社)やディーラー(販売店)の努め。「オートロックマンションが増えたから部数が落ちた・・・」という言いわけをする前に、なぜ新聞配達スタッフが不審者扱いされてしまうのかを考えなければいけないですね。


 三井不動産レジデンシャルの取り組みは5月8日にプレスリリースされ、今月から都内の同社分譲物件で始まっています。
 インタビューに答えた同社都市開発事業部開発室主任の久松壮氏は、「当社がマンション販売後に実施する入居者アンケートでは、必ず『新聞は読みたいけれど、集合ポストまで取りに行くのは…』といった意見が出てくる」、「セキュリティーを考えながら各戸への新聞配達ができれば、これも売り物できる」と顧客のニーズとセキュリティの両面を商品化し“マンションの売り”にするというもの。

 新聞業界がこのようなシステムの費用負担も含めてマンションデベロッパーへリーチしていく必要性を感じます。
 紙新聞の将来を憂う前に、まだ手をつけていない課題がたくさんあるのです。

posted by 今だけ委員長 at 23:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2008年06月19日

山新が7月から購読料値上げ/我慢比べも限界か…

 山形新聞が7月から購読料を値上げすると今日付けの紙面で発表しました。上げ幅は293円(税込)で14年6カ月ぶりの改定です。

山新値上げ.jpg

 用紙代をはじめとした原材料費の高騰と広告費の落ち込みをその理由に掲げていますが、全国紙、地方紙を問わずどこの新聞社も厳しい経営環境にさらされているのは間違いありません。

 「いま値上げをしたら読者が大幅に減る」という危惧感から、どこの新聞社も我慢比べを続けて14年6カ月。「どこが先に値上げするか」と業界内では興味津々だったことでしょう。今回の山形新聞の値上げで読者がどんな反応を示すか、全国紙の攻勢はどうなのか―その結果を踏まえてまたぞろ一斉値上げが行われるかもしれません。また批判が飛び交うのだろうなぁ…


※地方紙レベルでは、下野新聞(栃木)がおととしの6月に142円値上げ(2,950円へ)をして、大幅な部数減には至らなかったと聞いています。下野新聞は専売店を持っていません。

購読料改定のお願い―7月から3300円に―

 山形新聞社は、七月一日から本紙の月極め購読料を現在の三千七円(消費税込み)から三千三百円(同)に改定させていただくことにしました。一九九四年一月以来十四年六カ月ぶり(消費税のアップを除く)の改定となります。読者の皆様にご負担をおかけするのは心苦しい限りですが、ご理解をたまわり引き続きご愛読くださいますようお願い申し上げます。
 今年四月から製紙メーカーがそろって新聞用紙代を値上げしたほか、原油高に伴う印刷材料費のアップなど新聞製作のコストは上昇を続けています。加えて近年、新聞経営を支えてきた広告収入が大幅に落ち込み、経営環境は厳しさを増しています。合理化と経費節減に努めてきましたが、それも限界に達しました。
 今回のアップ率は9.74%ですが、朝、夕刊セットで一日当たり約十円の負担増をお願いすることになります。一部売りの料金は朝刊が現在の百円から百十円とし、夕刊は五十円で変わりません。
読者に「週間テレビガイド」
 山形新聞は今春から十二段組みに体裁を変更、文字を拡大して読みやすくしましたが、今月二十六日からは一週間分のテレビ番組を紹介する週間テレビガイド「山新てれナビ」を毎週発行、新たなサービスとして全読者にお届けします。
 タブロイド判(十六n、カラー)で、番組は映画やドラマ、スポーツなどジャンル別に色分けして見やすくするほか、QRコードから携帯電話で番組情報サイトに接続できる「TVプラス」を全国で初めて採用します。着メロのプレゼントもあります。話題のドラマや番組の解説も豊富です。お手元に置き、ご活用ください。
 山形新聞社(6月19日付:1面)

posted by 今だけ委員長 at 12:14 | Comment(1) | TrackBack(0) | 時事ニュース

ぜひ読んでいただきたい1冊

 ここのところ、何かとせわしなくしてまして日記を書くのをサボってました。

 きょうは明日発刊される本のはなし。
 私が勤める会社の広報紙『ひまわりクラブ』(毎月最終日曜日の河北新報へ折込)に連載されている「仙台万華鏡」が書籍としてデビューしました。
1.jpg 
「七月十日は灰の町」著者:石澤友隆
A5判250ページ 定価1,575円(税込)
あらすじ:昭和二十年七月十日未明、仙台上空にB29が現れた。またたく間に炎に包まれ焦土と化した仙台の町。太平洋戦争当時の市民の暮らし、社会、空襲の証言を記録する。

 楽しい時も、苦しい時も・・・まちの歴史を理解しておくと視野が広がるものです。お勧めの1冊です。
posted by 今だけ委員長 at 10:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | こせきかつや通信

2008年06月18日

道新が電子新聞の実験…財力がないとできないよなぁ

 北海道新聞が電子新聞の実験に取り組むというニュース。電子ペーパー端末「iLiad」を活用して“紙面を映し出す”仕様だそうです。
 見た目もアマゾンのキンドルと一緒ですね。「新聞を読む」というより書籍を読むのに適しているように感じますが…

  sk_iliad.jpg
 いずれにしても電子チラシ(シュフー)やショッピングモール(物流は販売店が担ってます)など、次代への対応が素早い北海道新聞。財力のあるうちに次なる新聞ビジネスモデルを見出してもらいたいものです。

ITmediaニュースより
 北海道新聞社とイーストは、洞爺湖サミットにあわせて電子新聞の配信実験を共同で行う。携帯型の電子ペーパー端末「iLiad」にサミット関連記事を配信し、一般ユーザーに使用感などを試してもらう。

 実験は、6月19〜21日に開かれる「北海道洞爺湖サミット記念環境総合展2008」(札幌ドーム)と、7月7〜9日に道新プラザ(札幌市中央区大通西3の道新本社1階)で行う。iLiadにワイヤレスで道新のサミット関連記事を1日2回配信し、ユーザーに使用感などのアンケートに答えてもらう。
 iLiadは、オランダRoyal Phillips ElectronicsからスピンオフしたiRex Technologiesが販売する電子書籍端末。8.1インチ(768×1024ピクセル、160dpi)のE ink電子ペーパーを搭載する。


参考資料:iLiadはフィリップスからのスピンオフで、オランダをベースにするベンチャー企業、iRex Technologiesが製造、販売している電子書籍端末だ。モノクロ16階調で8.1インチ、768×1024ドット(160dpi)の電子ペーパーディスプレイを搭載。ワコム製のタッチスクリーンを採用し、読むだけでなく、メモや図を書き込むこともできる。IEEE802.11 b/gを搭載するほか、外部デバイスとしてUSBメモリ、MMC/CFカードなどが使える。対応する文書・画像フォーマットは、PDF、HTML、TXT、JPG、BMP、PNG、PRCなどでRSSコンテンツを読み込むこともできる。PRCというのはモビポケット(Mobipocket)と呼ばれる電子書籍専用フォーマットで、現時点でも約4万点の書籍をオンラインで入手できる。

posted by 今だけ委員長 at 12:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2008年06月17日

21世紀はインタレスト型メディアが主流…

  グーグル.jpg
グーグルに勝つ広告モデル―マスメディアは必要か―
著者 岡本一郎(光文社新書)720円


 マスメディア4媒体の低迷がいわれて久しいのですが、インターネット技術によってそれぞれの価値観や生活様式の多様化は目覚ましいものがあります。
 著者はマーケティングの観点から、これまでのアテンション(大衆の関心)へ訴求する20世紀型マスメディアから、21世紀はインタレスト(能動的な興味・関心)型のビジネスモデルへと変化することを指摘。ともにネットを利用した検索サービスのヤフーとグーグルをそれに当てはめると、ヤフーは情報の流通経路にネットを使っているだけで、依拠しているのはアテンション・エコノミー。人が集まるトップページにバナー広告を張って収入を上げる20世紀型メディア(新聞をはじめとしたマスメディアもこれに属す)で、グーグルは一番人が集まるトップページに何の広告も出さず、アテンションの一歩先のインタレストに絞っているため、広告主にとって「購買までのステップが短い」効率的な広告効果が期待できる21世紀型メディアと定義しています。
 また、さまざまなメディアに回せる潜在量は一日平均5時間との分析結果をもとに、これからはその日に生成されたコンテンツと過去のストックされたコンテンツとが競合し、日々の生活におけるマスメディアのシェアは減少するとを宿命的な流れだと指摘します。
 そのほか、マス4媒体の(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)現状と可能性について著者の見解が記されています。新聞についてはあまり目新しいものを見つけだすことはできませんでしたが、宅配網(インフラ)を生かしたビジネスの可能性を示されています。あと、ラジオに関する考察は目を見張るものでした。


 ともあれ、マスメディアを取り巻く環境の変化を指摘するこの手の書籍が近年数多く発刊されていますが、これまでは建設的な提言を読み取れるものは少なく、一種の「マスコミいじめ」のようなものばかり…マスコミ関係者の高慢ぶりや高い賃金へのアジテーションを発することで「真のジャーナリスト」になった気でいる著者も見受けられます。そのような中で、本書はマスメディアとマーケティングの未来を本質的なメカニズムを考察する一冊だと思います。

posted by 今だけ委員長 at 23:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2008年06月15日

一夜明けて…

 今回の岩手・宮城内陸地震で被災された方々、心からお見舞い申し上げます。

 おとといから東京へ出張(都内でもかなり揺れました)だったので、自宅と会社へ電話をかけまくりましたが通じず、嫁からのメールで無事を確認しました。

 仙台市内はさほど被害はなかったようですが、けさの新聞、テレビから伝わってくる被災状況は自然の猛威と安全神話がもろくも崩れた現実を指しました。

 復旧にむけて全力を尽くしていただきたいと願います。
posted by 今だけ委員長 at 11:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | こせきかつや通信

2008年06月07日

人間の欲望を成し遂げてきたイノベーションへの規制

 有害サイトから青少年を守るための対策新法案が6日の衆院本会議で全会一致で可決されました。与野党もほぼ同一見解なので参議院を経て週明けには法律化される見込みです。

 特定のサイトの閲覧を制限する「フィルタリングサービス」の導入を携帯各社に義務付けることが今回の法案の目玉なのですが、その基準について国が関与するのか否かについてケータイ会社やマスコミ(温度差はありますが)、ISP事業者、ネットユーザーなどが反対表明をしてきました。要は有害情報の基準を国が定めるとなると、ひいては国家権力による言論規制につながる―というものです。
 一方、「楽しい・面白い」サイトを運営している業者はどうでしょう。人間の欲望に迫るギリギリ感を提供している業者にとっては死活問題でしょうが、また別な手口を見つけてくるでしょう。頭イイですからね…


 今回上程されている法案には基準作りは民間の第三者機関に委ねるとしていますが、その第三者機関は「国への登録義務」が必要であることや国がきちんと関与すべきだとの意見が与党議員に根強いため、成立後にさまざまな運用がされるのでは?と業界側も牽制しています。

 読売新聞社の6月7日付社説「
ネット規制 有害情報から子供を守れ」では、第三者機関への責任の重要性を問う一方、映画界や放送界では自主規制機関が一定の成果を上げていることへも言及しています。この問題は教育問題やメディアリテラシィーと簡単に片づけられない問題ですね。今後の動きに注視したいと思います。

有害サイト審査に国が関与の余地 - 日本新聞協会がネット規制法案を批判

 日本新聞協会は6日、同日衆議院本会議で可決された有害サイト規制法案に関し、「憲法21条が保障する表現の自由を侵す可能性がある」とした声明を発表した。
 同法案の正式名称は、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案」。
 同法案は、ISPや携帯電話事業者に対し、親が解除を申し出た場合を除き、18歳未満の青少年が有害サイトを閲覧できないようにするフィルタリングサービスを義務付け。パソコンメーカーに対しても、フィルタリングソフトのプレインストールなど「フィルタリングの利用を容易にする措置」を義務付けている。
 有害情報については、明確に定義はしなかったものの、以下のように例示。
・犯罪若しくは刑罰法令に触れる行為を直接的かつ明示的に請け負い、仲介し、若しくは誘引し、又は自殺を直接的かつ明示的に誘引する情報
・人の性行為又は性器等のわいせつな描写その他の著しく性欲を興奮させ又は刺激する情報
・殺人、処刑、虐待等の場面の陰惨な描写その他の著しく残虐な内容の情報
 また、Webサイトの有害性を判定する第三者機関について、国の直接関与は避けたものの、これらの機関が一定の要件を満たし登録を希望する場合は、「国に登録することが可能」としている。
 日本新聞協会が問題視しているのは、法案における有害情報の「例示」と第三者機関の「国への登録」の部分。例示に関しては、「例示といえども、有害情報がいったん法律で規定されれば、事実上の情報規制を招く根拠となりかねない」と指摘。
 その上で、「有害情報かどうかの定義・判断については、憲法21条が保障する表現の自由の観点から、直接、間接を問わず国は関与すべきではない」とし、法律で有害情報を例示することにより、国が間接的に関与することにつながると批判している。
 また、第三者機関の国への登録については、「有害情報を実質的に判断するフィルタリング推進機関を国への登録制とすることについても、公的関与を残す懸念がある」と批判。
 「青少年を有害情報から守り、適切なインターネット利用推進を促進するための対策は、民間による自主的な取り組みを尊重すべきである」と表明し、公的関与の余地を残す有害サイトの例示と第三者機関の国への登録の規定をなくすよう呼びかけている。
 同法案は、10日にも参議院で審議入りする予定。自民党だけでなく民主党も共同提案している法案のため、新聞協会の声明が受け入れられるかは予断を許さない状況だ。(マイコミジャーナル6/6付)

 
2008年6月6日

「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案」
に対する日本新聞協会メディア開発委員会の声明

社団法人日本新聞協会
メディア開発委員会
委員長 山田哲郎


 インターネット上のいわゆる有害情報から青少年を守ることを目的に掲げた、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案」が、6月6日、衆議院青少年問題に関する特別委員会に提出され、同日の衆院本会議で可決された。
 有害情報かどうかの定義。判断については、憲法21条が保障する表現の自由の観点から、直接、間接を問わず国は関与すべきではない。「例示」といえども、有害情報がいったん法律で規定されれば事実上の情報規制を招く根拠ともなりかねない。また、有害情報を実質的に判断するフィルタリング推進機関を国への「登録制」にすることについても、公的関与の余地を残す懸念がある。
 青少年のためにインターネット上の情報について何らかの対策が必要だとしても、それが法規制によって行われなければ、表現の自由を損なうことにつながりかねないと危惧する。青少年を有害情報から守り、適切なインターネット利用を推進するための対策は、民間による自主的取り組みを尊重すべきである。

以上
続きを読む
posted by 今だけ委員長 at 07:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

なんとかしなきゃ新聞業界… 若者の方がしっかり考えてます

 5日、6日の両日、日本新聞労働組合連合(新聞労連)青年女性部主催の全国学習集会「なんとかしなきゃ 〜今すること、できること〜」が横浜市で開かれました。全国の新聞社や印刷センターに働く労働組合員(30代前半の方が大半)約100名が参加する大規模な集会です。
 私は「販売問題と新聞を考える」という分科会の講師として参加してきました。

 初日は「
新聞がなくなる日」の著者、歌川令三氏(元毎日新聞社取締役編集局長、多摩大学大学院客員教授)が、「メディア界の『それから』−新聞業界の将来を論ずるー」と題して講演。
 インターネット時代のマスメディアのあり方については「広告を取ることによって媒体が存在する。勝負は広告を稼ぐこと…」という私見を展開。米国の新聞モデルを日本の新聞業界にあてはめるのはどうかと私個人はかなり違和感を覚えました。メディア論は日々変化しているわけですからわからなくもないのですが、広告を稼ぐといってもこれまで日本の大企業(ナショナルクライアント)が個人消費(内需)を促進させるべくマスメディアを使った広告を展開してきたのに対し、いまや大企業のターゲットは海外(外需)に向かっているのです。車や電機だけではなく食品や日用品といったこれまでの内需型企業もしかりですね。流通大手のイオンでさえ国内の約4分の1を閉鎖して「マーケットはアジア全体」という戦略です。
 そうするといくらインターネットは全世界で…といっても、例えば日本のメディアが韓国の住民に対してトヨタの新車の広告を打つというのが現実的なものか、ネット時代だからといってもマスメディア企業の活動がすべてが広告費で賄われるというのは無理でしょう。では米国モデルはなぜ賄いきれてるのか?賄いきれていないから買収が頻発しているのであって、新聞社は広告費だけで企業活動をすることはおそらく無理なのだと思います。フリーペーパーのように記事はどうでもよく広告だけと割り切れば話は別ですが…

続きを読む
posted by 今だけ委員長 at 01:56 | Comment(0) | TrackBack(1) | 日記

2008年06月01日

しろつめくさ(クローバー)の花が満開ですね!

 きょうから衣替え。昨夜の雨から一転、きょうは20度近くまで気温が上がり洗たく2回戦と狭い庭の草むしり。天気が良いと気持ちも晴々しますね!

 午後からはB嫁とともに野球観戦。最後の追い上げはあったものの、昨日と打って変わって攻撃にムラがありました。最終回の1点ビハインドの攻撃なのにリック・ショート選手(退場はやり切れませんが)も横川選手も見逃し三振…。打とう!という気迫はあまり感じられずフォアボール狙いなの?と疑われてしまいますよあれじゃぁ。明後日からはセ・リーグトップの阪神戦です。気持ちを切り替えていきましょう。
6.jpg
 球場へはいつも二人で20分くらい掛けて歩いていくのですが、薬師堂の西側の空き地(旧聖和学園)にしろつめくさ(白詰草)がいっぱい咲いていました。しろつめくさと聞くと「あらいぐまラスカル」のテーマソングの歌いだしを連想してしまうのですが、しろつめくさを検索してみると花瓶などの割れものを運ぶ際に箱へ敷き詰めるために用いたのがしろつめくさ(クローバーをパッキン代りに使っていたのでしょう)と呼ばれるようになったということです。
 クローバーの花というよりもしろつめくさの花の方が可愛らしい感じがしますね。久しぶりにあらいぐまラスカル聴いてみました!

posted by 今だけ委員長 at 21:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | こせきかつや通信
ツイート