新聞販売店従業員による不祥事が後を絶ちません。とても不幸なことであり真面目に新聞販売業をされている方や新聞産業全体のイメージダウンは必至。そのようなイメージが先行して「新聞を購読しない」という方々も着実に増えています。
販売店の不祥事に対して、新聞社のコメントは「当社取引先の販売店員がこうした容疑で逮捕されたことは遺憾だ」という決まり文句しか報じず、新聞社名(専売店のみ)をあぶりだすかのような狙い撃ち的報道のあり方に違和感を覚えます。
これまでも新聞販売店従業員による傷害や横領など刑事事件はそこそこあって、最近になって増えたということではありません。しかし、紙面には登場しなかっただけで24時間体制と記事量の制約がないネットニュース時代では「えっこんなことまで掲載するの?」という軽犯罪までがニュースとして流れてきます。それは新聞販売店の不祥事を報道する一方で、その販売店を管理監督する側の新聞社のイメージダウンを狙った報道姿勢としか感じられません。この場におよんで業界内での足の引っ張り合いをする編集姿勢にはとことん嫌気がさします。
毎日新聞販売店の不祥事を朝日新聞が叩き、逆に朝日新聞販売店の不祥事を毎日が執拗に報じる―。これを“競争”っていうのでしょうか?単なる足の引っ張り合いですよね。情けない…
けさのMSN産経ニュースでこんな記事を見つけました。
新聞購読者から集金した現金約4万5000円を着服したとして、磯子署は7日、業務上横領の疑いで、住所不定、無職の五十嵐正美容疑者(44)を逮捕した。
調べでは、五十嵐容疑者は平成18年11月下旬〜同年12月上旬、以前勤務していた横浜市磯子区磯子の新聞販売店「朝日新聞サービスアンカー ASA磯子」で、購読者十数人から集めた購読料4万5000円を着服した疑い。
五十嵐容疑者は着服した現金を、実績をあげるために結んだ架空契約の穴埋めにあてていたという。
後段の「架空契約の穴埋めに…」という記事を新聞販売労働者はどんな気持ちで読んだのだろうか。そして、取材した記者は何を読者に伝えたくて書いたのか…
末期的状況に確実に近づいている―そんな感じです。