2006年12月27日

「若者に活字読ませたい」とR25編集長が語る

 全国商工団体連合会が発行する「全国商工新聞」の新春特別号(1月1日、8日合併号)に「R25」編集長の藤井大輔さんが「話題のあの人に聞く!」のコーナーで取り上げられています。 

 創刊から2年。M1世代(25歳〜34歳)をターゲットにした「R25」が単なる広告情報誌ではなく、読み物として支持を受けているのは「若者に活字を読ませたい」という編集側の姿勢とそのマーケティング力。新聞を読み解くスキルを提供するような企画や構成を心がけているという33歳の編集長、藤井さんの話しはオモシロイ。  
(以下に引用)  
−(R25の発刊について)成功すると思ったのか  
 若い男性向けの雑誌は今まであらゆる出版社ができなかったので、99%失敗するだろうと思っていました。でも、新聞や雑誌が読まれていないのは、インターネットが発達しているからという定義がありましたが、そうではない。ネットと新聞や雑誌で得たい情報は質が違うのではないかと。   

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2006年12月22日

世界中で同時進行するインターネット時代の新聞の行方は?

朝日総研リポート.jpg
 
朝日総研リポート AIR21 (198)
発行:朝日新聞ジャーナリスト学校(朝日新聞社)600円
 
 朝日新聞が毎月発行しているリポート集。新聞のみならずジャーナリズム関連や広告分野まで幅広く最新の総合研究の内容が資料とともに記されている書籍。※一般書店では販売していないので年間契約を申し込む。
 
 この本を手にした目的は「新聞はどう読まれているのか?−web2.0時代の新聞媒体力−」について朝日新聞ジャーナリスト学校メディア研究班の荒田茂夫氏と佐藤日出夫氏の論文を読もうと思ったからなのだが、清華大学大学院生の研究論文も相当な読み応えのあるものだった。
 中国のマスコミのデジタル化が予想以上に進んでいることを伝え、インターネット時代の新聞広告とデジタル放送の新たなビジネスモデルの2本が掲載されている。同大学博士課程の何威(フー・ウェイ)さんは「中国新聞業界のデジタル化戦略」と題し、具体的なビジネスモデルを提案している。
 中国のインターネット利用者は1億人を超えたが、その65%がニュースの閲覧を主な目的としておりネットでニュースを知ることが人々の習慣になっているという。これは新聞にとっての危機ではあるが「ニュースの生産者・提供者」である新聞業界が市場の変化に対応し、優位な立場を利用してネット事業に乗り出さないのだ折るかと疑問を投げかける。
 
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posted by 今だけ委員長 at 01:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2006年12月21日

総付景品の制限緩和 公述人は賛成8、反対2

 最近、生活環境の変化を理由にブログの更新をサボってました。ちょっとだけ落ち着いてきたので緩やかに再開していこうと思います。 
  
「総付景品提供の制限改正の公聴会を傍聴」 
 12月20日、公正取引委員会(公取委)大会議室で開かれた「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限の一部改正(案)」の公聴会を傍聴してきました。公述人は10名で傍聴者は50名以上来ていたと思います。 
 「一般消費者に対する景品類…」余計にややこしくなるので『総付景品』と言いますが、消費者に対して懸賞(消費者の応募など)ではなく商品を買ったときにプレゼントするノベルティグッズや開店記念セールなどに商品を買わなくとも来場した消費者に対して差し上げる景品のことを指します。今回、公正取引委員会がその総付景品の制限を引き上げる内容で改正しようと12月1日付の官報に公告、公聴会の開催となったわけです。 
  
 改正の内容は、現行は取引価格が1,000円以上の場合は10分の1の金額(1000円未満は100円)に上限が決められていました。それを今回の改正案は『取引価格が1,000円以上の場合は10分の2(1,000円未満は200円)へと2倍に引き上げる内容です。(10月上旬には3倍という案もあった) 
つまり10,000円のスーツを買ったらこれまでは1,000円以内の景品(例:靴下)をプレゼントしていたのが、2,000円以内の景品(例:ワイシャツ)までプレゼントしてもよいということ。あとは、「初売り」の時に配られる粗品もこれまで100円以内の景品(例:ハンカチ)だったのが、200円以内の景品(例:スポーツタオル)までOKということなのです。 
  
 「オマケが高価になれば消費者サービスになるじゃん」。一般論で言えばそうでしょうが、公正取引委員会がなぜ総付景品の上限を定めているかというと「景品のウエイトが大きくなると景品が消費者の購買心理に強い影響を与えやすくなり、景品以外の要素を考慮しないで商品を選ぶようになると商品そのものの選択結果が分かりづらくなるため、その商品の競争が有効に働かず、消費者の利益が損なわれる恐れがある」ということで規制してきたのです。「いまこの○○を買うと△△がもらえます」といった宣伝広告を大々的に展開すると○○よりも企業努力によって品質が高い●●が売れなくなる。同じような商品なのだから△△がもらえるなら○○を買おうということになる。また、○○をA小売店では△△の景品を付けるけれど、B小売店では▲▲のダサい景品だとなれば△△欲しさにA小売店まで買いに行くという二重の構図があるので、過剰な景品提供の競争が果たして消費者の利益につながるのかという問題があるのです。 
  
 公聴会では10名の公述人(大学教授、百貨店協会、公正取引協議会、広告労協、消費者団体、婦人団体など)が発言しました。公述した10名のうち改正賛成は8名、反対は社団法人日本新聞販売協会とNPO東京都地域婦人団体連盟の2名のみ。 
 賛成派の法政大学小川教授は「これまでの規制は消費者とメーカーの情報格差に起因して定めているものでネットの普及によって消費者も情報を得られやすくなった。企業のサービス努力が消費者から見てもその差異が明確であり、企業間の競争によって消費者の利益はあがる。たとえ景品の規制を引き上げても購入、非購入は最終的に消費者が決めることであってマーケットが活性化する」。百貨店協会の小豆澤理事は「市場では現行の景品規定では対応できなくなっている。正月営業など来場者全員に配るものは100円では用意できない。また百貨店などではこの上限規制では顧客サービスが不十分だとしてポイントカードによる顧客サービスが主流になっている。20%でも低いくらいだ」と主張。一方、反対派の同連盟の飛田副部長は、子供に大きな影響が及ぶとの観点から「いかに商品を買わせようとメーカーは景品(オマケ)を流行らせるよう過剰な競争をあおることになる。『ビックリマンチョコ』のオマケのシール(全種類を集める)が欲しくてケースごと買い込みチョコ自体は捨てている問題も起きている。さらにシールの売買がオークションで行われたり学校ではイジメも起こっている。規制緩和は子供を利用する商法を拡大させることであり、不要なごみ(景品)を増やすことにつながる。世界の動向を見据えて検討するべき」と訴えました。 
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posted by 今だけ委員長 at 18:29 | Comment(5) | TrackBack(0) | 日記

2006年12月05日

5カ月で消えた「みんなの滋賀新聞」の従業員組合が残した足跡…

5カ月で消えた新聞.jpg
 
五カ月で消えた新聞−「みんなの滋賀新聞」記録と検証
著者:新聞労連近畿地連・みんなの滋賀新聞労働組合(フジイ企画)
 
2006年11月26日に開催された第2回定期大会を持って労働組合を解散した「みんなの滋賀新聞労働組合」の記録をつづった組合の記録。
 
2003年9月1日に地元経済界の出資で設立された「みんなで作る新聞社」は、県紙のない滋賀県で市民を巻き込んだ新聞が発刊するということで、業界内はもとよりセンセーショナルなニュースとして注目された。しかし、新聞経営については素人集団ということも影響し、通信社からの配信を受けず、新聞協会にも加盟できないという向かい風が強い中で創刊を迎える。印刷や販売店による宅配をすべてアウトソーシングをし2005年4月29日の創刊号発刊から、わずか40日足らずの6月8日には社長から突然の休刊宣言が出されるという状況下で、6月12日に従業員十数人で「みんなの滋賀新聞労働組合」を結成。9月17日の休刊以降も労働委員会への残業代未払い分の斡旋や組合員の再就職支援など労働組合は12月一杯まで奔走した記録が記録されている。
 
残念ながら「みんなの滋賀新聞」は休刊、労働組合も解散したものの闘いの記録は新聞労働運動の中に刻まれるだろう。 
 
posted by 今だけ委員長 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介
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