2005年11月30日

耐震強度偽造問題 薄利多売方式に品質責任が負えるはずなし

 一連のマンション、ホテルの耐震強度偽造問題で、昨日、衆議院国土交通省委員会が開かれた。参考人として建築主、施工者、指定確認検査機関などが出席し、姉歯秀次一級建築士(参考人招致は欠席)の偽装が隠ぺいが発見されていたことが明らかになった。構造上の計算などがずさんとの指摘があったにもかかわらず、「検査機構が認めた」という担保があれば“取りあえず建てちゃう”方式がまかり通っていたのだろう。

 よくマンションなどの建設作業現場の表示を見ると「○○JV」と書かれている。共同企業体(Joint Venture) を示すのだが、ようは仕事の分業化である。建物が大きくなればなるほどさまざまな業者が出入りをして、自分の担当の作業をこなす。出来上がりなんて気にするはずもない。クレームさえなければOK。ただでさえ値段を叩かれ、下請け孫受けとマージンだけは吸い取られて、実際に作業をする業者さんにはわずかの手間賃しか支払われない。昔の大工のような責任を持つ職人さんなんていません。棟梁の一声でやり直しをさせていた時代ではないのだ。

 いまの時代はすべてが価格破壊。安けりゃ『安全性』まで見逃すのだろうか。ブランド=信用というヨーロッパの文化と大量生産大量消費のアメリカ文化。アメリカ属国の日本は「無駄が金を生むシステム」にすっかり染まってしまったのだろうか。
posted by 今だけ委員長 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2005年11月22日

新聞販売店従業員のレベル向上は新聞社販売政策の重要事項

 先日、宮城県の地方紙県内版に新聞販売店従業員の窃盗事件が掲載された。内容は以下の通り。

新聞配達中に盗み 終了後、岩沼所逮捕  容疑者「残り配らせて」
 岩沼署は20日、新聞配達中に顧客の乗用車から財布を盗んだとして、盗みの疑いで新聞配達員でトラック運転手(30歳)を逮捕した。
調べでは、容疑者は20日午前4時ごろ、岩沼市中央4丁目の会社員男性宅の駐車場で、鍵がかかっていなかった乗用車から現金数千円が入った財布を盗んだ疑い。男性は以前にも乗用車から物を盗まれており、見張っていたところ、同容疑者の犯行現場を見つけ、取り押さえた。同容疑者は「申し訳ない」と認め、「残りの新聞を配達させてほしい」と頼み込んだ。配達を終えてから現場に戻り、午前7時頃、岩沼署に引き渡された。

 この記事で感じることは、車上荒らしという窃盗事件にしては(許される行為ではないが)、紙面での取り上げ方が同レベルの事件より扱いが大きい。しかし、読んでみると容疑者の「読者に新聞を届ける使命感」をにじませてあるように感じる。これも「己の業界の恥部は隠す」という新聞社批判への対応策か…?

 昨年、新聞販売従業員による「奈良幼児誘拐殺人事件」以降も新聞販売従業員の不祥事が相次ぎ、同レベルの事件よりも大きく扱われるケースが多い。ただし、掲載するのは他新聞社の販売店ネタであって、自らが取引をする販売店の問題は覆い隠す向きがほとんどだ。新聞紙面の問題と販売側の問題は、読者からすると重なって映るものだ。早急な信頼回復に努めなければならないと思っている。
 新聞販売店従業員に対する『教育』も新聞社が積極的に行わなければ、従業員レベルの改善も図られないだろう。家業を継ぐ次世代店主もがんばっているが、優秀な人材が「新聞販売店に就職したい」と願い出るケースは皆無だ。新聞社の販売店政策に「労働条件の向上」(最低限労基法は守らせよう)もあるのだろうが、「従業員への教育」にも積極的に取り組むべきだ。まずその前に「景品付販売」や「押し紙」などの取引関係を改善しなければならないのだが…。

販売店の個人情報管理も重要です!
posted by 今だけ委員長 at 00:00 | Comment(4) | TrackBack(1) | 日記

2005年11月21日

宮城県警報償費 執行停止を解除

 10月23日の宮城県知事選で当選した村井嘉浩知事が、11月21日に就任の記者会見を行った。今年6月に前浅野史郎知事が県警への報償費停止を決めてから、わずか5カ月でその執行停止が解除。確かに村井氏の選挙公約で「県警の報償費問題は捜査に支障をきたす」としてきたが、多くの県民の疑問は拭えないままに就任当日に「執行停止解除」が発表された。

 仙台市民オンブズマンが県警の報償費問題をめぐり「情報公開」を求めたのは2001年4月。同年9月に前年(2000年)の報償費に不正支出があるとし、仙台地裁に提訴したのがこの問題の始まりであり、県警と県政の問答が県民の大きな関心を呼んだ。

 県警側は「捜査協力者への報償は事件の情報収集など捜査に欠かせない」と一貫して監査内容を公開せず、県政の要請を断じてきた。そこに北海道警の裏金疑惑問題も浮上し、県警への不信感は増大したのだが、県民による「運動」にまでは発展しなかった。また地元マスコミもこの問題については、積極的な原因解明を展開できなかった。報償費停止に取り組んだ前浅野知事も8月には次回の知事選不出馬を早々に発表。この報償費問題は一気にトーンダウン。

 公職において不透明な部分は「それなり」の納得しうる説明責任はあって当然のことだ。しかし、チェックが甘いと「なあなあ」の前例踏襲がまかり通ってしまう。そのチェックが出来ないマスコミも記者クラブなどの温床に漬かった馴れ合い集団へ化したと思わざるを得ない。
不透明な問題を暴こうと闘う記者は、新聞社という組織を離れてフリーで活躍する人も多い。商業主義へと大きく傾く新聞社。市民(読者)の期待感とはなんだろう。新聞社は単なる情報の垂れ流しではないはずだ。
posted by 今だけ委員長 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2005年11月20日

経営破綻は労働組合の責任だ!と愚痴った新聞経営者

新聞千一夜.jpg
新聞千一夜
著者 小林 啓善(東京ライフ社)250円

 これもかなり古く、1957年11月発行の一冊。千葉新聞社の経営者であった著者が、全国紙と地方紙との条件的比較をしながら販売内容や記者の資質までも中央と地方とを比べる論調で書かれている。
 しかし、ある意味で本当の新聞販売の実態などは記されておらず、読者向け(ある意味新聞協会の発表)のキレイごとが綴られている。経営者同士の「傷の舐めあい」とも捉えられる。

 著者は千葉新聞社が廃刊になった時の社長を務めており「千葉新聞社が廃刊に追い込まれた理由は、労働組合がストライキを起こし新聞発行が妨げられ会社が潰れた」とおもむろに書いている。1955年、当時は全国紙の専売店へ地方紙が配達・販売を委託していた時代に千葉新聞は朝日、毎日、読売の3社から「千葉新聞の不買の決議」をされ、専売店を急造せざるを得なかった。そのためには当然資金もかかり、労働者の賃金の遅払いなどで組合が激怒。経営側も人員の整理などを敢行し、労使関係は悪化の一途を辿り、ついには休刊へと進む。著者はストを指導した人物として、当時の新聞労連副委員長であった水口謙一氏(西日本新聞出身)を敵視し、「千葉県民から県民の新聞を奪った英雄」と痛烈に批判している。

 千葉新聞社の破綻後、千葉日報社として生まれ変わるが、労働運動の華々しき運動の歴史を考察するには、まだまだ労使双方の言い分を聞かなければまとまらない。
posted by 今だけ委員長 at 18:16 | Comment(4) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2005年11月19日

新聞と新聞労働者の歴史は凄まじい

新聞太平記.jpg
新聞太平記
著者 赤沼 三郎(雄鶏社)百六十円

 1950年発行の大正末期(関東大震災)から昭和(戦中戦後)にかけての新聞界の裏表史。特に新聞社の覇権争い等を詳しく掲載されており、販売問題や記者クラブ、新聞労働組合の結成まで当時の様子が克明に記されている。「読売赤色騒動」(敗戦後の社内の共産主義傾向について)では当時の過激な労働運動(暴力スト)や廃刊まで決意する読売労組の闘いが印象深い。
 新聞販売については、明治時代から「押し紙、積み紙、赤紙」の共通単語が存在し、乱売合戦の歴史は新聞が誕生してからずっと続いているものだ。当時は景品ではなく値引きが主流である。大正末期から進められた「販売店の専売制」が定着化するまでは、新聞社より販売店の方が力を有し、有力販売店が団結をして新聞を非売することもありえた。関東大震災後、打撃を受けた当時の報知新聞、時事新報等に対する、大阪系紙の攻勢は凄まじく「販売店に金をばら撒き在京紙の配達を止める工作」まで行っている。戦後はプロ野球などの興行で一躍新聞産業が肥大化していく様も詳しく書かれている。
 記者クラブについては「不思議な存在」と称し、戦中の大本営発表の温床を指摘、クラブ員即ちメッセンジャーボーイと結んでいる。
 戦後、すべての産業部門に先んじて新聞労働組合は結成された。印刷部門より報道部門の労働者が活発に活動を展開している。当時の組合が求めた民主化運動は、旧幹部の追放や自主的な紙面づくり。共産党色が強かった「新聞単一」の三役は聽潯克巳中央執行委員長(朝日)、鈴木東民副委員長(読売)、牧野純夫書記長(毎日)で構成。しかし、赤色支配は成功せず、読売の脱退を皮切りに労働戦線問題は離合集散を重ね、1950年6月に共産党幹部などの追放、赤色支配から手を切って、日本新聞労働組合連合が結成される。新聞労連結成当時は過去の苦い経験から個人加入を排した連合組織であった。結成当時の三役は三浦武雄委員長(読売)、長谷川直美副委員長(朝日)、竹中英太郎副委員長(山梨日日)、大谷恭市副委員長(島根)、岩本秀次書記長(毎日)。加盟組合は15労組、組合員数10,950名だった。
posted by 今だけ委員長 at 00:00 | Comment(1) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2005年11月13日

新聞社の販売政策は販売店からの搾取構造が根底にある

崩壊期に立つ巨大新聞.jpg
崩壊期に立つ巨大新聞
著者 渡辺 渉(山崎書房)480円

 1973年発行の新聞記者による内部告発本。今から30年前、世の中は高度成長を続ける日本において、新聞の紙面広告が大きく伸びた時代である。第1章は「爆発する新聞への不満」として、読者の新聞への不満が書かれている、内容は新聞に対する意識調査の資料をあげて信頼低下の理由を「広告が多すぎる」点と「広告の内容が信用できない」という不満が蔓延していると分析されている。本来の新聞の使命であるジャーナリズムが、広告主の影響で「ペンが曲がる」のではないかと指摘された時代だったことが伺える。当然この頃から、新聞社の収入構造が販売収入と広告収入の逆転という形で変わっていった。

 続けて、「国民をあざむく記事」のいろいろと題し、本田技研(ホンダ自動車)の欠陥車問題、サリドマイド児をめぐる報道、アリナミンに見る新聞の黒い実態、でっち上げ記事−などなど。当時の様子が伺える。

 新聞の恥部―販売政策のからくりの章では、「販売正常化」が出来ない新聞社の体質。狐と狸の化かし合いをやっているようなものだと程度の低い新聞社の販売政策に苦言を呈している。さらに、販売店を食い物にする販売政策。新聞販売を過当競争に追い込む原因は新聞社の販売政策そのものととし、巨大新聞社が専売制を敷いた背景も克明に記されている。割当部数、しょい紙、積み紙を赤字ギリギリになるまで販売店に押し付ける政策は、安い労働力で経費を浮かせなければならず、必然的に新聞少年を無保証のまま雇用する状況を生み出していく。使えなくなったり、異を唱える店主に対しては「改廃権」を行使し、切り捨てる。そのような販売政策を押し付ける新聞社に「言論の自由」などない。ここでも読者からいずれ見放されるとも記されてある。

 この本にも書かれているが、当時、労基法を守っている販売店は全体の3%程度だという。30年かけて最低限の労働条件をクリアできる販売店が10倍に増えたが、今も約70%は週休も取得できないほどの劣悪な労働条件なのだ。

 新聞奨学生の問題についても触れ、労働組合的な組織が出来たのは勤労学生たちの活動からだと述べている。全臨労(全国臨時労働組合)は全国的な拡がりを見せ、配達を放棄する動きも起こり始めたという。当時の奨学生の労働力は首都圏では何と90%。全国平均でも50%の占めていたのだから、一斉にストライキが起これば全国の新聞がストップするまでに拡がったのだが…。しかし、新聞社の搾取の構造を正すまでには行かなかった。

 著者は「半封建的な組織に乗る販売制度、低賃金と過剰労働を基盤とする戸別配達、販売店を不合理な過当競争に追い込む紙の半強制的な割当制、低利潤と低賃金をつくり出すための補助金政策…、それらを革命的に改革することは、今の新聞社にはなし得る事ではない。そして、それがなし得ない限り、販売店の格差は解消されないし、したがって労務問題の根本的解決もあり得ない」と訴える。

 現状と何も変わっていない販売店の実態。巨大新聞社に追従する業界構造がある限り改善への道は程遠い。
posted by 今だけ委員長 at 12:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2005年11月12日

新聞の特殊指定見直し問題【続々報】

 ライブドアのパブリックジャーナリストの小田 光康氏が、「新聞の再販制度と特殊指定はホントウに必要か?」と題し、PJニュースを発信した。
 小田氏は自由価格競争の世の中で、なぜ新聞だけに限って定価販売が必要なのだろうかーという視点から@新聞業界全体の経営・財務状況についての説明がないA新聞価格の自由競争を促すことが宅配制度の崩壊と直結する理由の明確化B多くの国民が毎日、決まった時間に、同じ価格で、届けられることを望んでいるのか―という3点について、疑問を呈している。そもそも情報伝達メディアとしての紙媒体の役割はとっくに終わっていると主張する小田氏の主張に販売店労働者として反論してみたい。

@新聞業界全体の経営・財務状況についての説明がない
 新聞社の経営は深く存じないが、販売店の財務状況は分かりやすい。収入は購読料収入(発行本社との委託販売契約なので増紙目標を達成すると補助金、報奨金がある)と折込収入のみ。一方、支出は新聞原価(購読料の約7割は新聞社に支払う)と人件費。その他配達(ガソリン)に掛かる経費や読者への挨拶物品等の経費も掛かる。ただし、小田氏が指摘する洗剤等の類は新聞社が大量買いをして販売店に安価で斡旋するため経費的な負担は少ない。
 家族的な経営をしている販売店も全体の約3割以上で、株式会社登録をしている販売店はごく少数。そのような販売会社も新聞社が資本を加えており、実質的な経営は新聞社が行っている。言いたいことは新聞の販売店の多くは零細な経営をしているということだ。
 小田氏の認識からすると「零細な弱者は競争自体から去れ」と言いたいのかもしれないが、特殊指定や再販制度が無くなれば新聞販売店は間違いなく潰れる。競争社会だからと言って販売店に勤める人間の生活を無視すると言う考えであれば理解できない。
 
A新聞価格の自由競争を促すことが宅配制度の崩壊と直結する理由の明確化
 新聞社と販売店はそれぞれ独立した経営に形上は成り立っているが、契約内容の実態を知っている方は少ない。現状は直接売買契約を結んで特殊指定の網をかけられているのではなく、その多くが販売委託契約になっている。また、新聞社が販売店へ卸す新聞原価も異なっているのだ。
 だから同じ新聞を取り扱う販売店同士が被さらないように新聞社がテリトリーを設定している。小田氏の指摘する「販売店間の実質的な競争」とは薬局やスーパーなどで見られる同一商品の価格競争を指しているのだろうが、新聞は宅配料まで含んだ料金設定になっており店頭販売のような流通コストの削減を最大限に活かすために効率の良いテリトリーを設けている。
 「非価格競争」に値する景品類を使用した拡販競争は、景品表示法に定める購読料の6カ月分の8%の上限枠を超えた読者勧誘が行われているのではないかという指摘には、弁明の余地はない。ただし、地方紙というよりは巨大資本を有する大手紙2社がその実態であり、読者の信用をなくしていると考える。また、販売店はそのような「新聞社の販売政策」を受け入れざるを得ない状況がある(委託販売契約が故)。拡張団と呼ばれる質の悪い勧誘員の直接雇用は新聞社であり、新聞社の販売局が部数引き上げのためにそれぞれの販売店で営業行為をさせているのが実態だ。ただし、新聞を読まない世帯が増える昨今、一人でも多くの方に新聞を購読してもらいたいと営業活動をするのは当然のことであり、販売店同士も無購読者に対しては「紙面の内容を理解してもらった上で定期購読をしてもらう」よう試読紙(毎月10日から20日の間に7回を上限に無料で配達)などを活用しそれぞれ拡販競争を行っている。
 日米の新聞価格の比較については、米国は売店での一部売りがほとんどであり新聞価格の自由競争で宅配制度も共存しているとは思えない。現在、新聞を郵政公社に配達してもらうと月極め購読料で3,007円が4,747円。第3種郵便扱いで安価に設定されていてもこの価格になる。いかに配達経費にコストが掛かるかという事を理解してもらいたい。現在の新聞販売店従業員、配達アルバイトの賃金を熟知した上で高いと言われるのならばその根拠を伺いたいが、深夜労働に従事する業態と比較をしても高くはない労働条件になっている。

B多くの国民が毎日、決まった時間に、同じ価格で、届けられることを望んでいるのか
 この疑問については、新聞を読む人と読まない人との価値観の違いだと考える。国内の人口比率を見ても団塊世代以上のウエイトは約4割弱とすれば、60歳以上の多くは新聞の定期購読者であり、新聞を決まった時間に、同じ価格で、届けられることを望んでいることに間違いない。小田氏が主張する「テレビの一般化やネットによる情報発信で紙媒体の役割はとっくに終わった」ということは、新聞業界も現状の問題を改善して行かなければ指摘の通りに進むかもしれない。だが、実際に新聞販売店で労働をしてみると分かるが、ライブドアよりもヤフーよりも生まれ育ってから目にしている新聞への信頼は高いし、地域密着型の新聞販売店と読者とのパイプは深いものだ。

 小田氏の主張に対して個人的な意見(同文をライブドア小田氏宛に送り返答を待っている)を述べたが、特殊指定や再販制度は新聞社よりも販売店への影響が大きいということである。新聞社への不満をぶっける矛先は、特殊指定や再販制度を変えることが目的ではなくもっと別な問題に起因する点を改めさせるべきではないだろうか―と思っている。
 小田氏の指摘する「新聞社の談合体質」や「財務状況の明確化、説明責任」、「紙面の質の問題」には賛同できる点もある。新聞社がさまざまな分野から敵視されることは当然。マスコミの中でも一番重要な責任を負っており、記者クラブ問題なども含めた既得権を有しているからだ。だから、きちんと襟を正さなければならない。小田氏の質問に対して新聞労働者や新聞経営者はどのような答弁をするだろうか。
  
posted by 今だけ委員長 at 17:30 | Comment(5) | TrackBack(1) | 特殊指定

2005年11月10日

新聞の特殊指定見直し問題【続報】

11月2日に公正取引委員会が打ち出した「特殊指定」の見直しの件は、新聞販売労働者にとって今後大きな問題になることが予想される。公取委は長期購読者や集金作業の軽減になる自動振替、一括支払いなどの読者に対して、値引き等のサービスは商習慣上一般的である―としているが、本当の狙いは上限を超える景品の提供以上に蔓延する「無代紙」を合法化させることだと思われる。値引きといっても毎月の購読料に格差をつけて回収することは実質的に不可能に近い。そうであれば1年間で11カ月分の購読料を回収し、1カ月分を値引きに相当する無代紙をあてがうというのが、事実上の「長期固定読者への値引き」のからくりだ。

公取委からすると販売店に対する「押し紙」の活用もでき一石二鳥とでも言いたいのだろうが、販売店の収入は大幅に減ることは間違いない。また、残紙率の低い地方紙の販売店では経営自体成り立たない状況に陥り、新聞の戸別配達網は崩壊する。

今回の公取委の動きに対して、毎日新聞以外の全国紙の動きが全く見えないことも問題だ。販売の正常化、発行本社と販売店の取引関係の正常化が一向に進まない状況下で、全国紙(朝日・読売)対地方紙の生き残りをかけた熾烈な戦いが始まろうとしている。読者無視の業界内のゴタゴタ劇が相変わらず繰り広げられようとしているのだ。こんなカニバリを続けていていられる新聞業界は、やっぱりオモシロイとしか言いようがない。
posted by 今だけ委員長 at 18:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 特殊指定

株式会社みんなで作る新聞社が破産を決定

 今年9月17日付で休刊した「みんなの滋賀新聞」を発行する株式会社みんなで作る新聞社(滋賀県天津市、小林徹社長)は、11月7日、会社清算(破産手続き)を決定した。
 10月13日に会社都合によって全従業員解雇通告後も「残業未払い分の支払い」などを勝ち取るため「みんなの滋賀新聞労働組合」は、労働委員会で斡旋申請の交渉に取り組んでいる。同労働組合は4月29日の創刊後、6月12日に労働組合を結成した。理由は発行後2カ月足らずの6月8日に開かれた社員総会で「今月末で休刊すると」と社長が発言したことに端を発する。その後「支援の目処がついた」と休刊撤回をしたものの、販売部数は伸び悩み資金繰りはひっ迫。労働者への希望退職募集や給与カットなど会社からの一方的な攻撃は止まらなかった。そして9月13日の社員総会で休刊宣言と全社員の解雇を一方的に通告。解雇撤回と発行の継続を求めて、新聞労連・近畿地連に加盟するなど運動を展開してきたが、会社破産という暴挙に組合も怒りをあらわにしている。
滋賀新聞.jpg
 組合員は訴える「そもそも、いくら部数が伸びなかったとは言え、せっかく新しく創刊した新聞をこんな短い期間でやめてしまって良いのでしょうか。例えば会社が苦戦の理由の一つに挙げていた記者クラブへの未加盟にかかわることも、実際はクラブ加盟社とほぼ同様に行政や警察などから情報提供を受けて紙面を作っていました。これは報道機関にしか認められていない特権です。滋賀県民の知る権利に応える義務を負っていたとも言える」と…。
  
posted by 今だけ委員長 at 01:56 | Comment(0) | TrackBack(2) | 時事ニュース

2005年11月09日

新聞社の虚報はなぜ起こるのか…

新聞の裏が分かる本.jpg
「新聞」のウラの裏がわかる本
著者 久留米 郁(ぴいぷる社)1,140円

 特ダネと誤報・虚報は紙一重=一流紙記者が明かす新聞づくりの舞台裏…まずはじめに一流紙記者ってずいぶん偉そうに…と思いながら読み始めたが、内容はすんなり読めて一流紙記者は朝日の方だとすぐに判明。
 虚報の検証では朝日新聞のサンゴ損傷・捏造事件(1990年4月20日付朝日新聞夕刊)が14ページに渡って、カメラマン(朝日新聞社員)が犯した捏造行為の始終が詳しく報告、読者からの投書や社内の動きなどが詳細に記されている。また、かつて毎日新聞で起こった「西山事件」にも触れ、その問題点を厳しく指摘している。
 記事づくりの楽屋裏の章では、記者の取材活動の原点をサツ(警察)回りとして、「夜討ち朝駆け」をして事件の裏を取らず、警察の「発表もの」だけを書いていればすむ、サラリーマン記者の増加に警告する。また、記者クラブについても閉鎖性を指摘、発表記事に頼りすぎ記者クラブに入れる特権ある一部の記者によるニュースの独占には見直す必要があると述べながら、新聞社間のチェック機能(競争意識)の必要性については否定しない。
 さらに新聞記者の特徴を分析。政治部記者の権威主義、事件で勝負する社会部記者、情報化時代のエース経済部記者、外信部記者は語学力が基本、学芸部記者は専門職、なんでも屋の地方部記者、論説委員と編集委員の違いーなど新聞社の仕組みが分かりやすく述べられている。
 新聞アラカルトの章では、全国の新聞社の特徴なども評論的に書かれている。また「新聞販売競争は仁義なき戦い」として、新聞配達員の労働条件の低さや悪質勧誘によって読者からのイメージを新聞社自らが作っていることなども綴られている。著者も販売問題については「おかしい」と指摘しながらも手を付けられなかったのは残念だ!

 今年に入って朝日新聞や埼玉新聞の虚報問題が起こったが、記者の資質だけでは済まない新聞社の内部事情がチョットだけ理解できる一冊だ。
posted by 今だけ委員長 at 01:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2005年11月07日

またか! 許されない虚偽報道と犯罪記者へと追い込む社内体質

 埼玉新聞の虚偽報道とNHK記者による連続放火…酷いものです。もうマスコミは信じられない―と読者や視聴者から見捨てられて当然ですよこれじゃ。朝日新聞の虚報事件(記者がでっちあげた記事を掲載)から、新聞社(記者)は何の反省もしていないことを非常に残念に思っています。

 埼玉新聞社は、10月22日の朝刊の地域面で「杉村町民体育祭」が雨で中止になったにもかかわらず、『開催された』という記事を掲載。記事内容も毎年開かれているイベントだから同じよう内容で、写真も昨年のものを使用。忙しいから「やっつけ仕事」になったのでしょうけれど、地方紙が生きる道というか役割って言うのは「小さな街ネタ」を拾って、自分たちが住みやすい街づくりや地域住民の活動を紹介して感動を伝えることが、全国紙とは違う地方紙の存在意義だと思うんです。
 販売店にも「こんな情報あるんだけど紙面で取り上げてもらえないですか」という要請は結構あるものです。何せ新聞はその地方の顔ですからね!でも今回に限らず新聞社内の裏側(ネタ拾いも出来ない人員不足、読者を向いていない自己満足報道、最低限の情報発信のチェックすら出来ない社内体質の欠落など)が透けてきた感があります。
 新聞社の根幹が崩れ始めているから「ブログジャーナリズム」的な動きが映えるんでしょうね。何とかしましょう新聞屋さん!責任を取って辞められても何も解決されません。


 滋賀県大津市で起きた「NHKの記者による連続放火事件」は言語道断!残念だけどNHKの社会的信用はもう取り戻せない(受信料の不払い運動も増えるでしょう)ところまで行ってるんじゃないかなと感じます。一生懸命にNHKで働いている職員にまで企業(組織)の失態を被せて見ちゃうのは辛いんですが、労働組合の皆さんの頑張りも視聴者からは全く見えてこないのでなおさら残念です。。
 事情聴取に際して「上司からの叱責などでストレスが溜まった」と述べているようですが、だから放火?は許されることではありません。上司や同僚ともコミュニケーション取れなかったのでしょうね。厳しい就職戦線でNHKという狭き門に入った若者が…何でなのかなぁ。優秀な人材を確保するためにマスコミ業界は労働条件も一般レベルよりも高く整備されているのにね〜。世の中おかしくなってますよ。
posted by 今だけ委員長 at 13:03 | Comment(1) | TrackBack(5) | 時事ニュース

2005年11月04日

メディアのワンマン経営者とブロガーの違いとは!

新聞が消えた.jpg
新聞が消えた!
著者:谷口明生(風媒社)1,400円

 1986年12月31日付けの朝刊発行を最後に、愛媛県の日刊新愛媛新聞が消えた。日刊新愛媛新聞は25万部という四国最大の部数を誇りながらも、カリスマ性の強い経営者(社主:坪内寿夫氏)の編集権介入による異常な紙面づくりで紙面は私物化され、それが前代未聞の行政権力による「取材拒否」を誘発、最後は非常な企業の理論によって「廃刊」となるまでを同社で26年間同新聞社で新聞づくりに従事してきた著者が手記としてまとめた一冊。
 1976年、高知新聞社資本の「新愛媛新聞」は、経営不振から坪内寿夫氏を頂点とする「来島グループ」の傘下に組み入れられ、「日刊新愛媛新聞」と社名、題号を変更。なりふり構わぬ部数拡張へと進む。来島グループの拡張作戦は凄まじいもので、販売店ではなくグループ会社の社員がノルマの部数を達成させるため休日出勤は当たり前だったという。「部数は力なり」四国最大の部数を誇ると坪井氏の気に入らない財界人や知事を対象に誹謗中傷、過剰な個人攻撃が紙面で展開される。ワンマン経営がゆえに紙面に異を唱えるものは首を切られ、社内では坪内崇拝者しか生きて行けぬ状況になった。不安に陥った社員は労働組合を再建するも時既に遅しである。最後は日債銀の思うがままに廃刊に追いやられてしまう様が、生々しく描かれている。

 新聞社の役割とは何か?ジャーナリズムの役割を担っていると自負するならば、ワンマン経営をチェックするのがジャーナリストを自負する社員の責任であり、労働組合の役割である。働く人間がジャーナリズムの精神を忘れてしまったら、その新聞社は同新聞社のような結末を迎えるのだと思う。いくら部数が増えようと読者の心まで権力でねじ伏せることは出来ない。

 ブログでさまざまな情報を発信するブロガーも絶えず主張性のバランスをチェックをしてくれる機能を持たせなければジャーナリストとは言えない。だから新聞社への期待は大きいのだ。
posted by 今だけ委員長 at 20:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2005年11月03日

いよいよ特殊指定問題も本格議論に入る!

11月2日、公取委の上杉事務総長の定例記者会見のなかで、特殊指定の見直しについて記者会見が開かれました。それによると、独占禁止法の特殊指定対象業種のすべてにおいて廃止も含めて見直しをすると言うこと。これは現行特殊指定を認めないということではなく、特殊指定でなくても独禁法の一般指定で足りるのではないか、現行特殊指定の内容が時代に合っていないのではないか、それによって過剰な規制になっているのではないか、と言う考えのようです。見直しについては、当該の業界も含めて有識者の意見を広く聴いて進めるとしています。見直しの日程は名言はしていませんが、公取りの人事異動の6月末をめどに形にしていきたいということで、それまでの期間に順次見直しを進めていくということです。

 新聞の特殊指定については、具体的に第2項 販売店による差別対価の禁止を見直すと明言しています。また、一応再販の見直しについては考えていないとの答弁をしていますが、これから本格的な議論になるであろう消費税率の引き上げなどを機に再燃する可能性は十分にあります。
 新聞協会も声明文を出しましたが、このような主張を読者が納得するとは到底思えません。これだけ新聞の販売問題が取り立たされているのに「知らぬふり」は続けられないと思うし、もっと業界内にある問題を直視すべきです。

 販売労働者側の視点(読者との一般商取引の現状)からすると、唯一大きな景気の影響(広告のような)も受けず、新聞を読んでくれる読者から得る『購読料収入』が大きく揺らぐことになる。いまの商取引上(新聞勧誘)でも景品という形(一部は無代紙)で、一部の読者にだけ金銭的サービスを付けているという現状は誰しもが知っていること。さらに「読者はオマケを付けなければ読まない」と思っているのは新聞社の勝手な思い込みだと思うんです。こんな部数獲得競争をやっていられるのは、特殊指定や再販に守られているからなんです。その法規制が無くなろうとしているんだから、否が応でもダンピング競争になっていくことは必至です。宅配網への経費も(配達スタッフへの賃金)もこれ以上は下げられないし、郵政公社が新聞を配る日も近いのではないだろうか…と危惧してしまいます。
posted by 今だけ委員長 at 01:57 | Comment(0) | TrackBack(1) | 特殊指定

2005年11月01日

ブログの内容をチョイト弄ります!

コツコツとこのブログを立ち上げてから3カ月。SNSもやっているものだから、チョイト硬派チックに自分が身を置く新聞業界の話などを書いてきましたが、少々詰まり気味になってきました。操作的にも大分慣れてきたので、ちょいとカテゴリーを変えて「もっと自分らしさ」を発信して行こうと…。
これからもヨロシクです!
posted by 今だけ委員長 at 00:00 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記
ツイート