2005年09月30日

日本の総広告費の25%が新聞広告?全国紙の広告需要と代理店の仕業

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新聞広告読本
著者 朝日新聞社広告局編(朝日新聞社)1,750円

 1991年に発行された新聞広告の流れが、フローチャートにまとめられたという印象を持った1冊。今だけ委員長はジャーナリズムの話より、販売の実態と広告の実情にはじめに関心を持ったため、広告に関する書籍が多い。
 電通の掌に実は新聞も含めたメディアが乗っかっている。だから電通のいわば言いなりになってしまう。広告業界の発展が生み出したものは、日本の大量消費型生活となる。無駄が金を生むシステムになってしまった日本。
 この書で「新聞の広告だから信頼を受けている」という記述があるが、もうすでにその化けの皮は剥がされた。水増し部数のからくりを指摘するブログジャーナリストも増えているなかで、新聞は何を持って国民から信頼を得ようとするのか?
 新聞の広告収入が年々下がっている。原因はネット広告にその大半を奪われているからだが、広告主が紙媒体を活用しなくなったのではなくて、広告代理店が予算の振り分けを変えているということを新聞経営者は気づいていないのだろう。
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2005年09月28日

日本の新聞は2030年になくなる!

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新聞がなくなる日
著者 歌川 令三(草思社)1,470円

 今月の15日に出版されたばかりの新刊。久しぶりに現実味のある新聞業界関連書。
 新聞の個別宅配が2030年に無くなると断言する著者。ネットの普及によって世界が変わっていく中で、日本の大新聞社経営陣はその対策を何も講じようともしていない。いや何も講じられない。
 これまでの「20世紀型モデル」の経営は@部数増加と戸別宅配網の確立A月極め購読料の徴収で販売合戦が激化。拡張のためにオマケ付販売や増ページを展開B輪転機の導入Cカラー印刷などの設備投資D新聞紙面広告の拡大(電通の誕生)E新聞社の文化的事業の参入―。
 韓国のネットジャーナリズムの現状についても紹介されている。韓国の状況を見ればこれからの日本の新聞がどうなって行くのかが垣間見れる。オーマイニュースについても触れている。新聞人の「読み」の甘さを鋭く指摘!若年層の新聞離れのスピードや新聞とネットとの閲覧時間の逆転現象などを挙げながら、新聞があと25年後には姿を消すと結論付けている。
 自分もこの業界に身をおいているが、働いていながらも著者の捉え方、予想には同感させられる。信じたくはないが、おそらくこの書籍に書いてあることが現実のものになるだろう。著者の予測よりもっと早い時期に…。
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2005年09月26日

ナベツネの独裁政権は読売新聞にとってプラス?マイナス?

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渡邉恒雄回顧録
著者 伊藤 隆・御厨 貴・飯尾 潤(中央公論新社)2,300円

 本書は「中央公論」1998年11月〜1999年6月までに連載された「渡邉恒雄 政治記者一代記」と1999年8月号に連載された「我が実践的ジャーナリズム論」をまとめたもの。
 ナベツネの半生が記してある。日本共産党入党と除名に至るまでの話。東京大学哲学科での心境などは当時の学生とそう大差は無い。しかし、新聞記者への道を志し始める頃から、政治との密接な関係が芽生えてくる。田中角栄、中曽根康弘らとの関係・・・。ナベツネのジャーナリズム論は報道面での客観報道と社説などに関する問題は「はっきり」と新聞社の姿勢を主張するべきだと述べている。
 読売新聞が10年前に社説で取り上げた「改憲論」は、1979年にナベツネが論説委員になってから自立国家にふさわしい憲法に変えるべきだ−との一貫した主張そのものが読売新聞の大勢になったことなどは、新聞記者のエゴを通り越して独裁者としか言いようが無い。
 ナベツネは政治評論家、プロ野球団オーナー、新聞人、世界一の発行部数を誇る新聞社の経営者という顔を併せ持っている。読売新聞の主筆までも・・・。読売新聞社におけるナベツネ時代はいつ終焉を迎えるのか。
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商売人とマスコミ人の狭間で・・・読売新聞の販売戦略が新聞過当競争を生んだ!

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闘魂の人−人間務臺と読売新聞−
著者 松本 一朗(竹井出版)1,236円

 務台光雄。読売新聞の販売の神様として、今日の読売新聞販売網を創り上げたといわれている。
 東京紙から全国紙へと大阪、九州への販売部数拡大の道こそが、務台氏の情熱であったと描かれている。
 報知新聞へ1923年2月に入社。販売第一線の道を歩み始め、新聞勧誘の仕事も相当実践してきた叩き上げ。関東大震災の被災時の新聞発行の経緯なども詳細に記されている。
 読売新聞の販売を取り仕切る「白紙でも売ってみせる」というセリフが有名だが、新聞という商品を売る、部数を拡大させるというエネルギーだけは見事。新聞社以外の経営者であれば賞賛されるだろうが、新聞という商品が「オマケ付」で売られることが当たり前になった販売手法を築いたのも同氏であることに間違いは無い。
posted by 今だけ委員長 at 14:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2005年09月22日

地方紙が追い求めるのは所詮『大新聞社』の背中なのか

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地方紙の時代か!
著者 新聞労連新聞研究部編(晩聲社)1,300円

1980年発行の書籍だから四半世紀前の1冊。ジャーナリズムの問題は今とほとんど論点が変わりなく、ネットという単語以外はすべて現代に通用する内容だ。現在コメンテェーターとして活躍している毎日新聞社出身の岩見隆夫氏なども寄稿している。故新井直之氏も「地ダネとは何か」と題して寄稿している。大状況を伝えるために取材網を拡大させたものの読者と直接関係ない過剰報道がマスコミ離れを起こした原因と指摘するや、小状況(地ダネ)も扱い方次第では大状況に発展すると述べている。また、読者が新聞にもっとも期待するのは「読んでものを考える資料にしたい」からだと分析。世論を起こす記事と大状況と小状況を結ぶ記事の必要性を訴えている。
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2005年09月19日

言論・表現・出版の自由は分かるが「知る権利」まで業界が押し付けられる必要はない!

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本と新聞−再販制度を考える−
著者:原 寿雄・内橋克人・四十物文夫・安江良介(岩波ブックレット384)400円

新聞労連と出版労連が主催した「緊急シンポジウム 再販制度の尊属を考える!」の記録。
再販制度とは多くの商品は、メーカー(生産者)がディーラー(小売店)に対して販売価格を決定することが、独占禁止法で禁じられている。販売価格は本来ディーラーが決めるべきものであり、同じ商品でもその店によって値段が違うというのが当たり前になっている。しかし、本や新聞(著作物というが)は出版社や新聞社がディーラー(販売店)に対して販売価格を指定することが独禁法で認められている。これを再販制度(再販売価格維持制度)という。
しかし、公取委は政府がアメリカから推し進められる規制緩和政策の中で、著作物の再販制度の廃止、見直しを余儀なくされている。この書籍は1995年に発刊され、新聞や出版業界がこぞって「文化を守るため」と再販制度撤廃論を阻止しようとしていた最中のシンポジウムである。現在は2002年に出された「当面は維持」との結論に若干の安堵感はあるが、再販制度の前にネットメディアによる買収劇や消費税引き上げなどが発生した場合の購読料と部数の関係を見据えると再販制度よりもっと業界を挙げて検討する課題は多いはずなのだが。
posted by 今だけ委員長 at 10:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

2005年09月17日

部数(経営)を守るために新規参入を排除する新聞業界構造

 今年4月29日に創刊された「みんなの滋賀新聞」が本日(9月17日付)の発行をもって休刊となった。この業界に身を置いている方々は、創刊当時から本日の休刊宣言を予想していた人も少なくないだろう。
 同紙は滋賀県の財界人が中心となり「県紙の無い滋賀に地元紙をつくろう」と遠赤外線センサーなどを扱うベンチャー企業「オプテックス株式会社」の小林徹氏が創刊した。滋賀県は大阪、兵庫などのベットタウンとして今後も人口増加が見込まれている地域で、当初は読売新聞が、攻め入る京都新聞や中日新聞対策のために創刊に際し協力を持ちかけたとされている。
また小林氏は田原総一郎らと知人関係にあったことも影響して、今の時代に新聞産業に今の時代に新聞産業に乗り込んだのだが、読売からの協力も得られず、本日の廃刊を迎えた。
 今回の廃刊を考えると大手紙を中心とした既存の新聞社、新聞業界からの排除の構図がある。@新聞協会に加盟できず記者クラブに入れないA共同や時事通信からの配信が受けらず地元のニュースしか掲載されないB折込会社にも手を回され自社で集める以外に折込は入らないC広告代理店を通じたナショナルクライアントの広告が受けられない―などが影響している。
 購読料が月極め1,995円で社員数が約50名。毎月2億から3億近い赤字が出ていたという。いくら他の事業で儲けている経営者と言えども赤字を続けてまで発行し続けると言う使命感はなかった。従業員も労働組合を立ち上げ経営責任の追及をと経営の建て直しを求めているが、一度止まった輪転機や配達体制を戻すことは現実的に不可能だろう。
 この問題を整理すると、新聞業界というのは自分たちの利益を優先し「新規参入をする」という新聞社、いわゆる言論機関を潰す体質にあるということ。再販制度がその問題の根底にあり、新聞社は新しいもの(特にメディア)を受け入れることをせず、既得権を守ることだけに奔走しているとあらためて感じさせられた。

みんなの滋賀新聞休刊のお知らせ

posted by 今だけ委員長 at 23:57 | Comment(0) | TrackBack(2) | 日記

新聞産業はまさに巨象!時代の流れを無視してゆっくりと歩く経営体質が根底に…

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21世紀のマスコミ「新聞」−転機に立つ新聞ジャーナリズムのゆくえ−
著者 桂敬一・服部孝章・須藤春夫・伊藤洋子(大月書店)2,200円

 今年は戦後60年。この書籍は1997年発刊なので戦後50年までに新聞ジャーナリズムが辿った道を当時の事件に対する新聞の姿勢、マスコミの役割を総括的に記されている。新聞という書名ではあるが新聞の販売問題には一切触れておらず、現役を引退した新聞記者かこれから新聞記者を目指す学生などをターゲットにした内容にまとめられているという印象を持つ。
 オモシロいのが、冒頭の「本巻のねらい」に記されている一言「新聞は、21世紀初頭10年ぐらいを経たのち、産業的状況を一変させているに違いない。だが、それがどんなものとなるのかは、いまだに判然としない―」新聞は何も変わっていない。法律に守られ、真のジャーナリズムに立ち向かう人は組織を離れ、販売問題に一向に改善されない。変わったといえば印刷部門の別会社化が進み、広告収入がネットに食われ始めたということだろうか。
posted by 今だけ委員長 at 23:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介

廃刊の原因は新規参入を受付けない業界構造!

唯一、県紙がない滋賀県に創刊された「みんなの滋賀新聞」が本日付の朝刊で休刊となった。今年4月29日に創刊された同紙だが、創刊当時から本日の休刊宣言を予想していた人も少なくない。
 同紙は滋賀県の財界人が中心となり「県紙の無い滋賀に地元紙をつくろう」と遠赤外線センサーなどを扱うベンチャー企業「オプテックス株式会社」の小林徹氏が創刊した。滋賀県は大阪、兵庫などのベットタウンとして今後も人口増加が見込まれている地域で、当初は読売新聞が、攻め入る京都新聞や中日新聞対策のために創刊に際し協力を持ちかけたとされている。
また小林氏は田原総一郎らと知人関係にあったことも影響して、今の時代に新聞産業に今の時代に新聞産業に乗り込んだのだが、読売からの協力も得られず、本日の廃刊を迎えた。
 今回の廃刊を考えると大手紙を中心とした既存の新聞社、新聞業界からの排除の構図がある。@新聞協会に加盟できず記者クラブに入れないA共同や時事通信からの配信が受けらず地元のニュースしか掲載されないB折込会社にも手を回され自社で集める以外に折込は入らないC広告代理店を通じたナショナルクライアントの広告が受けられない―などが影響している。
 購読料が月極め1,995円で社員数が約50名。毎月2億から3億近い赤字が出ていたという。いくら他の事業で儲けている経営者と言えども赤字を続けてまで発行し続けると言う使命感はなかった。
 この問題を整理すると、新聞業界というのは自分たちの利益を優先し「新規参入をする」という新聞社、いわゆる言論機関を潰す体質にあるということ。再販制度がその問題の根底にあり、新聞社は新しいものを受け入れることをせず、既得権を守ることだけに奔走しているとあらためて感じさせられた。

みんなの滋賀新聞
http://www.shiga-np.jp/
posted by 今だけ委員長 at 01:36 | Comment(0) | TrackBack(1) | 時事ニュース

2005年09月12日

衆院選で自民圧勝の裏側で!

 9月11日に行われた衆院選は自民圧勝の結末に。結果は厳粛に受け止めなければならないけれど、投票率(今回は高めでしたが)の問題など国民の責任もさることながら、選んだのだから皆で責任を持たなければならない。しかし、マスコミの役割、各党のマニフェストチェックや今選挙の争点についての報道姿勢には首を傾げざるをえない。両論併記が原則なのだろうが、もっと分かりやすく、そして日本がいまどのような問題を抱えているのか−有権者に伝わらないままに「与党圧勝」で終わり。何を伝えるのかが見えなくなっているのでしょうね〜。今回の選挙も「○○旋風」と名づけてメディアの役割は終わり…なのでしょう。

 明日の朝刊には選挙の開票結果と事前に準備されたいくつかの特集記事(開票結果をもとに)が掲載された新聞が配達されます。開票結果の最終は26時頃だから、通常の降版時間(記事原稿を締め切って印刷を開始する時間)より大分遅れます。
 選挙翌日の新聞はページ数も薄く、チラシもほとんど入らないので配達業務は軽減になるが、販売店は大変。「遅い」という苦情の電話が鳴り響き、その対応に追われ通常の配達よりピリピリと神経を使うものだ。

 今回の衆院選はある意味で予想外の選挙!各新聞社が昨年11月に発表した平成17年度の「新聞休刊日」には、9月11日(12日付)が休刊日と記されている。しかし、今回はほとんど全紙が発行する。家族経営の販売店では『休みが1日減る』ことになった。当初の予定だからと振替休日を与える新聞社は少ない。そんなところだけ「日々の情報提供を止めるわけには行かない」と格好をつけるが、新聞社はローテーション職場なので休みを取ることは容易だが、販売店はそうは行かない。休刊日にしか休めない、労基法に定める週休すらも取得できない現状だからだ。これは日本の新聞産業だけにある問題だ。各新聞社は朝刊と夕刊の両方をひとつ新聞社が発行し、読者へ配達している。販売会社のような配達体制に余裕があるところは別として、販売店にとっては購読料が同じならば休刊日の日数が増えた方が良いに決まっている。また、販売店の中には、専売ではなく合売店(何種類もの新聞を扱っている)も多く、一斉に休刊日にならない限り、販売店は休めない。そんな労務問題も背景に各社の休刊日が重なっているのだ。
 新聞休刊日の問題については、いろいろな問題がある。全社一斉談合体質、購読料への転嫁、広告料の目減り、などなど―新聞休刊日についての問題をあらためて考えてみたい。

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2005年09月11日

新聞記者はあまり業界内の恥部を語ろうとしないが、青木氏は踏み込んだ!

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新聞との約束−戦後ジャーナリズム私論−
著者 青木 彰(NHK出版)2,500円

 著者である青木氏の記者生活の原点と戦後ジャーナリズム(立松記者事件・60年安保・皇室報道)の分析。社会部記者時代に味わったジャーナリズムの衰弱と「報道協定」など青木氏が新聞に携わった50年間の歴史が時代とともに見えてくる。新聞販売の問題にも触れ「専売店と本社との関係は複雑微妙である。新聞社と専売契約を結ぶ独立経営体の販売店との間には、拭き難い不信感があるといわれる。本社は押し紙と称する増紙の押し付けなどを通して店の利益をしぼり取ろうとし、店側は補助金や拡材費の名目で本社からカネを引き出せるだけ引き出そうとするからだ。一方、大型拡材や無代紙の横行する販売競争、押し売りまがいの拡張団の使用を自粛する正常化申し合わせが絶対といっていいほど守られないのは、本社と店側とが責任のなすり合ってはいるものの実は、共犯関係だからである」―
新聞を離れると販売問題も見えてくるのだろう。

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2005年09月10日

自分が身を置く職場は正当化しがちだが、新聞を離れて見えてくる真実!

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見る 読む 叱る 私のメディア評論
著者 青木 彰(東京新聞出版局)1,500円

はじめに「小沢一郎氏VS政治記者」の対決の構図が書かれている。政治取材の慣行を拒否する小沢流マスコミ改革に対して、太刀打ちできない記者が増えていることに警鐘を鳴らし、今日のジャーナリズムのひ弱さの証明だととも述べている。
著者が元東京新聞の記者時代に連載していた「メディア評論」がまとめられているが、新聞社を離れ、一読者になってから思ったことは「新聞のことは新聞を離れてみなければよく分からない」ということ。
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2005年09月09日

新聞とは誰のためにあるのか?なぜ権力と対峙しなければならないのか

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紙面で勝負する!−「読者のための新聞」への討論−
著者 新聞労連新聞研究部(晩聲社)1,300円

 1979年発行。毎日新聞が経営危機の中で再建闘争の柱として提起された「開かれた新聞」をベースに書き記されている。討論・ニュースを考えるの章では、柴田鉄治氏や斉藤茂男氏らが「アメリカの新聞と日本の新聞」「オンブズマン・システム」「主観報道と客観報道」「権力との対決を」について討論したものが表記されている。また丸山重威氏の章では「読者の声」を重んじる必要性と新聞労働運動が目指すものの視点が印象的。
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朝日新聞偽造メモ事件で箱島信一相談役が新聞協会会長を辞任

 朝日新聞社の箱島信一相談役が、先の「虚偽メモ問題」を理由に新聞協会会長を辞任する―と今朝の各紙が一斉に報じた。記事によると、箱島氏は記者会見で「偶発的なこととは思っていない」「新聞をはじめジャーナリズム全体の信頼と名誉を傷つける不祥事」と語ったというが、もっと早めに今回の問題について会見を開き、謝罪なり社内倫理規定の見直しなどの再発防止策を発表すべきだったと思う。28歳記者の処罰だけで事を済ませようとした朝日新聞社の後手の対応は誰が見ても明白だ。そのような世論がネット上でも大きく叩かれている中で、箱島氏の新聞協会会長辞任は、あまりにも拍子抜けの感がある。内々の親睦団体の長を辞めることでけじめをつけたつもりなのだろうか?朝日の読者からすれば「うその情報」を読まされることが今後無いように抜本的な社内体質の改善を求めるのは当然だし、購読料分きちんと役割を果たしてくれと言いたい。
 よく「右の読売、左の朝日」と言われる。左の歴史は深く存じ上げないが、権力に立ち向かう使命感が朝日の底流にあるのならば、その倫理感を持ち合わせた記者の責任も高いレベルで問われてしかるべき。だから箱島氏の内向きのけじめ付けだけで、この問題を終わらせてはならないと思う。まずは経営トップの改革に取り組んでもらいたい。朝日新聞がきちんと再生されないと右側だけが重くなりバランスが保てなくなるからだ。
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2005年09月08日

新聞記者は市民生活から隔離されている!だから新聞離れは必然的に起こるのだ!

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腐敗したメディア−新聞に再生の道はあるのか−
著者 北村 肇(現代人文社)1,600円

 現在「週刊金曜日」の編集長で、元新聞労連本部委員長を務めた北村氏が「新聞の再生」を訴える1冊。北村氏は「新聞人の良心宣言」を創り、広く新聞労働者にジャーナリストとしての新聞人、「社蓄」からの脱却を訴えたが、現状はその当時と何ら変わりはない。
 入社間もない記者が「真実の報道とは何か」を悩んでいると、上司からは「そんなこと言う前にネタを取って来い」と罵倒される。販売局や広告局に至っては「金取って来い」というのが新聞社の内情だ。
 新聞ジャーナリズムの価値は「優秀な人材が確保できる新聞社」なのかも知れないが、業界構造の問題は明治時代から変わらない。その問題が解決しない限り、ジャーナリストを自称する者は新聞社という組織から抜け出すしかない。
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2005年09月07日

新聞の商業主義がジャーナリズム自体の権益優先型の情報化産業を生んだ!

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新聞ジャーナリズムの「正義」を問う−販売現場からの告発−
著者 黒藪哲哉(リム出版新書)1,155円

 新聞販売における商取引の実態を1980年代行われた国会質問などの資料も収録。新聞奨学生の過労死裁判から新聞販売店の劣悪な労働条件を追求。最後は再販制度の既得権防衛という観点から、新聞販売店から「1円募金」を新聞社が徴収し、政治献金として自民党に金が流れている「政治家との癒着」の実態を検証している。
日本の新聞史の検証と今後の展望を記した成城大学の有山輝雄教授のインタビューも読み応えがある。
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2005年09月06日

新聞の足元に自滅作用が始まった!

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新聞社の欺瞞商法−「押し紙」「折込広告」の実態を追う−
著者 サワダオサム・黒藪哲哉(リム出版新社)1,680円

 新聞販売のからくりと「押し紙」によって新聞業界が潤うシステムが記されている。高額化する拡材は現金まで登場しており、長期間の無代紙の横行にも警笛を鳴らしている。また、新聞業界の底辺からジャーナリズムを問い、自らの業界の襟も正せない新聞社に真のジャーナリズムは皆無であると断言している。
著者の澤田治氏とは長い間、新聞販売業界の裏側を教え込まれ、親交してきたが、先日、40年にわたる新聞販売労働運動から引退する旨を表明した。
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2005年09月05日

毎日大量に廃棄される新聞!発行部数の怪と押し紙のからくり

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押し紙−新聞配達がつきとめた業界の闇−
著者 森下 琉(同時代社)1,995円

 新聞業界のブラックボックスである「押し紙」。新聞社は広告収入を上げるために「読まれない」新聞を余分に印刷して販売店へ押し付ける。販売店も押し付けられた新聞ではあるが公称部数が増えることで折込チラシの収入が上がる。騙されて損をしているのは広告主に他ならない。
 そのような新聞業界で毎朝・夕新聞を配達している労働者は全国で47万人いるが、過酷な労働を強いられ、労基法も守られない無権利状態にある。この本では新聞業界に働くものなら誰でもわかる「押し紙」問題と、大新聞社に立ち向かった新聞配達労働者の裁判闘争を記したルポルタージュ。
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2005年09月04日

新聞社と新聞販売店の取引契約の実態を分かりやすく紹介!

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<新聞販売を考える
著者 村上 錦吉(有限会社ジャーナリスト協会)500円

 メーカー(製造者)がディーラー(販売店)に対して、定価販売を守らせる再販売維持価格制度(再販制度)は、アメリカが推し進める規制緩和によってそのほとんどが撤廃されている。しかし、新聞はいまだに再販制度に守られている。新聞業界の主張は「新聞は国民の知る権利を守る文化的な商品。再販制度が撤廃されれば地域によって配達手数料がかさみ、配達されない地域も出てくる」ということ。
 しかし、この本では再販制度も新聞社と新聞販売店の取引関係をハッキリさせることで、新聞業界(発行本社側)が懸念する再販問題について指摘している。

 ほとんどの方は新聞社と新聞販売店で流通している「新聞」を売買契約だと思っている人が多い。実際に新聞社が毎日制作する新聞を販売店が購入(毎月1回定数日を設けて当月の部数を注文)しているのだが、そこには「押し紙」、「拡張員の雇用主は本社」、「販売店改廃権・店主の交代権」、「本社が決める販売エリア」などの片務契約というブラックボックスが存在する。実態は『販売業務委託契約』なのだ。
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2005年09月03日

遠い販売正常化への道…熊日にいまでも宿る販売の精神!

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新聞 もう一つの顔−販売の暴走十八年−
著者 森 茂(旭出版)1,800円

九州地区は関東、関西地区と並んで新聞部数過当競争が絶えない地区。その理由は現地印刷工場の建設によって販売部数(部数拡大による広告収入増)を増やさないと経営がひっ迫するからだ。そんなこと地域の読者には関係のない話なのだが、全国紙の1社が進出すると他の2社も追随する構図は今も変わりない。

森さんはそんな九州の熊本にあって、長きに渡り販売を担当され「販売正常化」に取り組んで来られた重鎮。全国紙の乱売に負けず、地方紙が主導となって正常化を果たすべきだと訴え、新聞社、公取委、販売店主会の正常化から手を付けてていくべきだという姿勢は、今の熊本日日新聞社にも受け継がれている。

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